(仮訳)Pseudohydnum属の分類および複数遺伝子系統解析
Spirin, V. et al., 2023. Taxonomy and multigene phylogeny of Pseudohydnum (Auriculariales, Basidiomycota). Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-023-01895-4 [Accessed May 26, 2023] 【R3-10636】2023/5/26投稿

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3行まとめ

Pseudohydnum属菌の分類を形態および4遺伝子データを基に再検討した。
ヨーロッパ産のP. alienum、東アジア産のP. umbrosum、ベトナム産のP. cystidiatumP. meridianum、およびP. placibile、北米産のP. omnipavumを新種記載した。
北米産の多くの標本はP. gelatinosum subsp. pusillumと同定された。
Russia, Karachay-Cherkessia, Karachayevsk Dist, Teberda Nat. Res., Khadzhibey

(新種)

Pseudohydnum alienum Spirin & V. Malysheva
語源…異人の、馴染みのない
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【よく似た種との区別】
Pseudohydnum gelatinosum(ニカワハリタケ)
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり担子器が通常柵状に配列するという特徴を欠く
本種と異なり子実下層菌糸が規則的に詰まって主に斜上するのではなくずっと無秩序に見え、菌糸が無作為に配列している
本種より子実下層菌糸の幅が顕著に広い
本種よりハイフィディアの幅が顕著に狭い
本種より実質菌糸の幅が顕著に広い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum omnipavum
実質菌糸の幅が狭い
ハイフィディアの形状が細長い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりユーラシアではなく北米に分布する
本種より刺の密度が小さい
本種より柄が良好に分化する
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum translucens
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパなどではなく東アジアに分布する
本種と異なり担子器の配列が密な柵状ではなく高度に不規則
本種より担子胞子の平均幅が狭い
本種よりハイフィディアの幅が広い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Vietnam, Cao Bằng Province, Nguyên Bình Dist., Thành Công

(新種)

Pseudohydnum cystidiatum V. Malysheva & V. Dudka
語源…シスチジアの
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【よく似た種との区別】
Pseudohydnum meridianum
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が小型でない
本種と異なり柄が痕跡的という特徴を欠く
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が広楕円形でない
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum placibile
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が小型でない
本種と異なり柄が痕跡的という特徴を欠く
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が広楕円形でない
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Vietnam, Gia Lai Province, K’Bang Dist., Son Lang, Kon Chu Rang Nature Reserve

(新種)

Pseudohydnum meridianum V. Malysheva & Spirin
語源…南の
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【よく似た種との区別】
Pseudohydnum cystidiatum
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が小型である
本種と異なり柄が痕跡的である
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が広楕円形である
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum placibile
傘表面に毛を欠く
担子胞子が小型
担子胞子が主に類球形
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体がずっと明色
本種より実質菌糸の幅が顕著に狭い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, Idaho, Boundary Co., Upper Priest River

(新種)

Pseudohydnum omnipavum Spirin & Miettinen
語源…震える
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【よく似た種との区別】
Pseudohydnum alienum
実質菌糸の幅が狭い
ハイフィディアの形状が細長い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米ではなくユーラシアに分布する
本種より刺の密度が大きい
本種ほど柄が良好に分化しない
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum translucens
実質菌糸の幅が狭い
ハイフィディアの形状が細長い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米ではなくユーラシアに分布する
本種より刺の密度が大きい
本種ほど柄が良好に分化しない
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum gelatinosum(ニカワハリタケ)
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種よりハイフィディアの幅が顕著に広い
本種より実質菌糸の幅が顕著に広い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Vietnam, Cao Bằng Province, Nguyên Bình Dist., Thành Công, National Park Phia Oac – Phia Den 

(新種)

Pseudohydnum placibile V. Malysheva & V. Dudka
語源…快い、魅力的な
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【よく似た種との区別】
Pseudohydnum cystidiatum
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が小型である
本種と異なり柄が痕跡的である
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が広楕円形である
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum meridianum
傘表面に毛を欠く
担子胞子が小型
担子胞子が主に類球形
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体がずっと暗色
本種より実質菌糸の幅が顕著に広い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russia, Krasnoyarsk Reg., Ermakovskoe Dist., Sayano-Shushensky Nat. Res., 2 km upstream of the Bol’shaya Golaya River

(新種)

Pseudohydnum umbrosum V. Malysheva & Spirin
語源…暗色の
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【よく似た種との区別】
Pseudohydnum translucens
分布域が重なる
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種ほど子実体の色が鮮やかな灰色~帯褐黒色でない
本種ほど子実体ががっしりとしていない
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より菌糸の幅が狭い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(湖南省新産種)

Pseudohydnum brunneiceps Y.L. Chen, M.S. Su & L.P. Zhang
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Slovenia, Idrija, Idrija

(その他掲載種)

Pseudohydnum gelatinosum (Scop.) P. Karst.
ニカワハリタケ
※本種のエピタイプ標本とレクトタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Pseudohydnum translucens
分布域が重なる
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体の色が鮮やかな灰色~帯褐黒色である
本種ほど子実体ががっしりとしていない
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種よりハイフィディアの幅が顕著に狭い
本種より実質菌糸の幅が顕著に狭い
本種より菌糸の幅が狭い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum omnipavum
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種よりハイフィディアの幅が顕著に狭い
本種より実質菌糸の幅が顕著に狭い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum alienum
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり担子器が通常柵状に配列するという特徴を欠く
本種と異なり子実下層菌糸が規則的に詰まって主に斜上するのではなくずっと無秩序に見え、菌糸が無作為に配列している
本種より子実下層菌糸の幅が顕著に広い
本種よりハイフィディアの幅が顕著に広い
本種より実質菌糸の幅が顕著に広い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum gelatinosum subsp. pusillum
担子胞子のサイズの範囲が重なる
ITSおよびITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体のサイズが通常やや大きい
本種より子実体が通常暗色
ITSおよびITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, Washington, Jefferson Co., Hoh River

(その他掲載種)

Pseudohydnum gelatinosum subsp. pusillum (Ellis & Everh.) Miettinen & Viner
旧名:Tremellodon pusillus Ellis & Everh.
※本種のネオタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Pseudohydnum gelatinosum(ニカワハリタケ)
担子胞子のサイズの範囲が重なる
ITSおよびITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本亜種より子実体のサイズが通常やや小さい
本亜種より子実体が通常明色
ITSおよびITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Pseudohydnum translucens Lloyd
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【よく似た種との区別】
Pseudohydnum alienum
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり東アジアではなくヨーロッパなどに分布する
本種と異なり担子器の配列が高度に不規則なのではなく密な柵状
本種より担子胞子の平均幅が広い
本種よりハイフィディアの幅が狭い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum gelatinosum(ニカワハリタケ)
分布域が重なる
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体の色が鮮やかな灰色~帯褐黒色である
本種より子実体ががっしりとしている
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より実質菌糸の幅が顕著に広い
本種より菌糸の幅が広い
本種よりハイフィディアの幅が顕著に広い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum umbrosum
分布域が重なる
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体の色が鮮やかな灰色~帯褐黒色である
本種より子実体ががっしりとしている
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より菌糸の幅が広い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudohydnum cystidiatum
実質菌糸の幅が狭い
ハイフィディアの形状が細長い
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりユーラシアではなく北米に分布する
本種より刺の密度が小さい
本種より柄が良好に分化する
ITS+nrLSU+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される