(仮訳)タイ北部産Cercospora属菌の系統分類
Nguanhom, J. et al., 2015. Taxonomy and phylogeny of Cercospora spp. from Northern Thailand. Phytotaxa. Available at: http://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.233.1.2/0 [Accessed February 14, 2016].
【R3-02654】2016/02/14投稿

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3行まとめ

タイ北部において16科29種の宿主植物から採集された60のCercospora属菌分離株を検討した。
形態形質および培養性状と分子系統解析の結果から、C. glycinicolaなど4新種を記載した。
調査地で最も普通な種はC. cf. mallotiであったが、この分類群の系統関係の解明にはさらなる検討が必要であった。
Thailand, Chiang Mai, Mae Hia

(新種)

Cercospora glycinicola R. Cheewangkoon, P.W. Crous & U. Braun
語源…ダイズ属に生じる
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【よく似た種との区別】
Cercospora sojina
同じダイズ属植物を宿主とする
ITS+cmdAに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなく韓国などに分布する
本種より分生子柄が長い
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり分生子の隔壁数が1-3ではなく3-7
ITS+cmdAに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Thailand, Chiang Mai, Kun Chang Kien

(新種)

Cercospora cyperacearum R. Cheewangkoon, P.W. Crous & U. Braun
語源…カヤツリグサ属の
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【よく似た種との区別】
Cercospora cyperigena
同じカヤツリグサ属植物を宿主とする
本種より分生子柄がずっと小さい
本種と異なり分生子柄の隔壁数が0-1
Cercospora cyperi
同じカヤツリグサ属植物を宿主とする
本種より子座のサイズが小さい
本種より分生子形成部位のサイズが小さい
本種より分生子の幅が広い
Cercospora physalidis
同じナス属植物を宿主とする
本種より分生子柄が長い
本種より分生子のサイズが大きい
Cercospora solani
同じナス属植物を宿主とする
分生子柄の形態がよく一致する
本種と異なり病斑が不明瞭
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり分生子が倒棍棒状円筒形ではなく針形
Cercospora solanigena
同じナス属植物を宿主とする
本種と異なりタイではなくインドなどに分布する
本種より子座のサイズが小さい
本種より分生子柄が長い
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子が倒棍棒状円筒形ではなく円筒状倒棍棒形~針形
本種と異なり分生子の隔壁数が1-6ではなく1-5
Cercospora cyperina
タイに分布する
同じCypera altemifoliusを宿主とする
ITS+cmdAに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりSolanum mammosumが宿主として知られていない
ITS+cmdAに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Thailand, Chiang Mai, Kun Chang Kien

(新種)

Cercospora cyperina J. Nguanhom, P.W. Crous & U. Braun
語源…カヤツリグサ属の
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【よく似た種との区別】
Cercospora cyperi
同じカヤツリグサ属植物を宿主とする
本種より分生子柄が短い
本種と異なり分生子柄が顕著な膝折状でない
本種と異なり分生子柄が狭窄しない
本種より分生子形成部位のサイズがずっと小さい
Cercospora cyperacearum
タイに分布する
同じCypera altemifoliusを宿主とする
ITS+cmdAに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりSolanum mammosumが宿主として知られている
ITS+cmdAに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Thailand, Chiang Mai, Fang

(新種)

Cercospora musigena J. Nguanhom, P.W. Crous & U. Braun
語源…バショウ属に生じる
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【よく似た種との区別】
Cercospora hayi
分生子が針形で基部が截断状
本種より分生子形成細胞あたりの分生子形成部位の数が少ない
本種と異なり分生子の先端が鈍頭ではなく尖形~類尖形

※この他にベニバナボロギク属植物を宿主とする未記載種1種を掲載した。