2018年9月19日 (仮訳)パキスタン産Coprinellus属菌およびその4新種の記載 Hussain, S. et al., 2018. The genus Coprinellus (Basidiomycota; Agaricales) in Pakistan with the description of four new species. MycoKeys. Available at: https://doi.org/10.3897/mycokeys.39.26743 [Accessed September 18, 2018]. 【R3-05505】2018/9/19投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ パキスタンからCoprinellus campanulatus、C. disseminatus-similis、C. pakistanicus、およびC. tenuisの4新種を記載した。 そのうち2種がMicacei節、1種がDomestici節に含まれ、1種が独自の系統を形成した。 本報告により、パキスタン産のCoprinellus属既知種は8種となった。 Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa, Qaldara, Dargai, Malakand (新種) Coprinellus campanulatus Hussain & Ahmad 語源…鐘形の(傘の形状から) 【よく似た種との区別】 Coprinellus micaceus(キララタケ) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードVに含まれる) 本種と異なりパキスタンではなくハンガリーなどに分布する 本種と異なり傘が成熟時帯灰オリーブ色ではなく淡褐色 本種と異なり傘がクッション形~鐘形ではなく広い凸形 本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい 本種と異なり担子胞子が正面視で僧帽形、側面視で扁桃形~円筒形なのではなく正面視で涙形~類僧帽形であり基部にかけて円錐形 本種と異なり側シスチジアを有する 本種と異なり柄シスチジアを有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Coprinellus truncorum(キララタケモドキ) 担子胞子表面が平滑 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードVに含まれる) 本種と異なりパキスタンではなくハンガリー、スウェーデンなどに分布する 本種と異なり傘が成熟時帯灰オリーブ色ではなく淡褐色 本種と異なり傘がクッション形~鐘形ではなく広い凸形 本種より担子胞子が短い 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり担子胞子が暗褐色~帯黒色ではなく暗灰色~暗褐色または黒色 本種と異なり担子胞子が正面視で僧帽形、側面視で扁桃形~円筒形なのではなくどこから見ても楕円形 本種と異なり担子胞子の発芽孔が中心生ではなく中心生~僅かに偏心生 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa, Malakand, Sarogai (新種) Coprinellus disseminatus-similis Hussain 語源…Coprinellus disseminatus類似の 【よく似た種との区別】 Coprinellus disseminatus(イヌセンボンタケ) 担子胞子の形態が類似している 被膜を構成する細胞が球形~類球形である ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードVに含まれる) 本種と異なりパキスタンではなくハンガリー、スウェーデンなどに分布する 本種と異なり傘が初め円筒形で閉じており、のちに成熟すると放物線状~鐘形~中高で老成すると乳頭状になることもあるのではなく、初め(類)球形または卵状でのちに半球形または鈍円錐形~凸形で扁平になることは稀 本種と異なり傘が淡い帯灰褐色~帯灰黄褐色で中央部が橙色~帯褐橙色なのではなく初めほぼ白色でのちに暗色になる 本種と異なり縁シスチジアをほとんど欠く 本種と異なり傘シスチジアが狭小嚢形~小嚢形ではなく瓶形で円筒形の頸部を有し、稀に偽頭状 本種と異なり被膜を構成する細胞の表面が平滑ではなく通常黄金褐色の結晶を伴う ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Coprinellus verrucispermus 担子胞子の発芽孔が中心生 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードVに含まれる) 本種と異なりパキスタンではなくハンガリーなどに分布する 本種より担子胞子のサイズがかなり大きい 本種と異なり担子胞子が暗褐色~帯黒色ではなく栗褐色 本種と異なり担子胞子が正面視で楕円形~円筒形または倒卵状、側面視で扁桃形~楕円形なのではなく僅かに扁桃形~楕円形 本種と異なり担子胞子表面が平滑ではなく疣状 本種と異なり担子胞子が截断状ではなく僅かに嘴状突起を有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pakistan, Punjab, Pabbi Forest Park (新種) Coprinellus pakistanicus Usman & Khalid 語源…パキスタンの 【よく似た種との区別】 Coprinellus bisporus(フタツミヒトヨタケ) 本種と異なりパキスタンではなくスウェーデンなどに分布する 本種より傘のサイズが小さい 本種と異なり傘が帯黄緑色~帯灰黄色ではなく黄褐色~淡褐色 本種と異なり担子胞子が暗褐色~帯黒色ではなく暗赤褐色 本種より縁シスチジアのサイズが小さい 本種と異なり縁シスチジアが瓶形~円筒形ではなく類球形、卵状、楕円形~広小嚢形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくIに含まれる) Coprinellus cinereopallidus 本種と異なりパキスタンではなくハンガリー、オランダなどに分布する 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が正面視で広楕円形、倒卵状、豆形であり側面視で卵状、楕円形、倒卵状なのではなく類扁桃形~楕円形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくIに含まれる) Coprinellus congregatus(ユバリヒトヨタケ) 本種と異なりパキスタンではなくハンガリー、スウェーデンなどに分布する 本種より傘のサイズが小さい 本種と異なり傘が帯黄緑色~帯灰黄色ではなくクリーム色で中央部が黄褐色~淡褐色 本種より縁シスチジアが短い 本種と異なり縁シスチジアが瓶形~円筒形ではなく類球形、卵状、楕円形で時に小嚢形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくIに含まれる) Coprinellus pellucidus(ホソミノビロードヒトヨタケ) 本種と異なりパキスタンではなくスロバキア、ハンガリーなどに分布する 本種より傘のサイズがかなり小さい 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子が正面視で広楕円形、倒卵状、豆形であり側面視で卵状、楕円形、倒卵状なのではなく長楕円形~円筒状楕円形 本種より縁シスチジアのサイズが小さい 本種と異なり縁シスチジアが瓶形~円筒形ではなく類球形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくIに含まれる) Coprinellus radicellus 本種と異なりパキスタンではなくノルウェー、スウェーデンなどに分布する 本種より傘のサイズが小さい 本種と異なり傘が帯黄緑色~帯灰黄色ではなくクリーム色~暗蜜褐色 本種と異なり傘が凸状扁平に開いて縁部が上方に巻く 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子が暗褐色~帯黒色ではなく帯赤褐色 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が正面視で広楕円形、倒卵状、豆形であり側面視で卵状、楕円形、倒卵状なのではなく楕円形~類円筒形 本種より縁シスチジアのサイズが小さい 本種と異なり縁シスチジアが瓶形~円筒形ではなく類球形または棍棒形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくIに含まれる) Coprinellus sabulicola 本種と異なりパキスタンではなくハンガリーなどに分布する 本種と異なり傘が帯黄緑色~帯灰黄色ではなく帯赤褐色 本種と異なり傘が凸形~扁平で中央部が窪むのではなく凹形 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より縁シスチジアが短い 本種と異なり縁シスチジアが瓶形~円筒形ではなく球形~小胞形または広円筒形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくIIに含まれる) Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa, Malakand, Qaldara (新種) Coprinellus tenuis Hussain 語源…薄い(傘の厚さから) 【よく似た種との区別】 Coprinellus curtus(ヒメツブヒトヨタケ) 傘表面が深い扇畳状 担子胞子の発芽孔のサイズの範囲が重なる ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードVIIに含まれる) 本種と異なりパキスタンではなくハンガリー、スウェーデンなどに分布する 本種と異なりリターではなく最も普通には草食動物の糞などに生じる 本種と異なり傘に”furcation”を欠く 本種より担子胞子のサイズがかなり小さい 本種と異なり担子胞子が正面視で卵状~広楕円形、側面視で僅かに洋梨形~楕円形で基部が通常截断状なのではなく、正面視で卵状~楕円形、側面視で豆形または狭楕円形であり基部が截断状でない 本種と異なり担子胞子の嘴状突起がほとんどの場合見えないのではなくしばしば見えない 本種と異なり担子胞子の発芽孔が偏心生ではなく中心生~僅かに偏心生 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される