(仮訳)オーストラリア本土のチズゴケ属地衣
McCarthy, PM. & Elix, JA., 2014. The lichen genus Rhizocarpon in mainland Australia. Telopea. Available at: http://openjournals.library.usyd.edu.au/index.php/TEL/article/view/8124 [Accessed December 26, 2014].
【R3-01407】2014/12/27投稿

【お読みください】
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3行まとめ

オーストラリア産チズゴケ属地衣を検討し、Rhizocarpon flavomedullosumおよびR. vigilansの2新種を記載した。
R. adarenseなど6種をオーストラリア新産種として報告した。
2新種を含むオーストラリア産の18種の検索表を掲載した。
Australia. New South Wales, Southern Tablelands: Badja State Forest, 9 km NE of Numeralla along road to Jerangle

(新種)

Rhizocarpon flavomedullosum Elix & P.M.McCarthy
語源…黄色の髄層の
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon geminatum
オーストラリアに分布する
髄層にリゾカルプ酸を含むことがある
本種より地衣体が暗色
本種より地衣体がしっかりとしている
本種より子器のサイズが大きい
本種と異なり子嚢が8胞子性ではなく主に2胞子性
本種より子嚢胞子のサイズがずっと大きい
本種と異なり子嚢胞子が2細胞ではなく石垣状
Rhizocarpon sulphurosum
髄層が黄色
本種と異なりオーストラリアではなく北米北西部に分布する
本種と異なり小区画の縁部が淡色
本種と異なり子嚢が8胞子性ではなく(1-)2胞子性
本種より子嚢胞子のサイズがずっと大きい
本種と異なり子嚢胞子が2細胞ではなく4細胞~石垣状
Rhizocarpon superficiale
オーストラリアに分布する
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子が暗色
子嚢胞子が2細胞
地衣成分としてリゾカルプ酸を含むことがある
本種と異なり地衣体が灰色~暗灰色ではなく緑黄色
本種より小区画のサイズが大きい
本種より子器のサイズが大きい
本種と異なり子器が平ら~顕著な凸形ではなく平ら~弱い凸形
本種と異なり地衣成分としてスチクチン酸またはペルラトリン酸を含むことがある
Rhizocarpon vigilans
オーストラリアに分布する
地衣体の形態が類似している
子器の形態が類似している
本種より地衣体のサイズが大きい
本種より地衣体が淡色
本種より小区画のサイズが大きい
本種と異なり小区画がいくぶん平ら~弱い凸形ではなく平ら~凸形
本種ほど子器が凸形でない
本種と異なり髄層が上部が黄色、下部が白色なのではなく一様に白色
本種と異なり髄層が非アミロイドではなくアミロイド
本種と異なり地衣成分としてリゾカルプ酸を含まない
Rhizocarpon badioatrum
髄層が非アミロイド
子嚢胞子に1隔壁を有する
本種と異なり髄層が上部が黄色ではなく一様に白色
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
Australia, Australian Capital Territory, Namadgi National Park, summit of Sentry Box Mountain

(新種)

Rhizocarpon vigilans P.M.McCarthy & Elix
語源…見張りの(「哨戒小屋」を意味するセントリーボックス山で見出されたことから)
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon flavomedullosum
オーストラリアに分布する
地衣体の形態が類似している
子器の形態が類似している
本種より地衣体のサイズが小さい
本種より地衣体が濃色
本種より小区画のサイズが小さい
本種と異なり小区画が平ら~凸形ではなくいくぶん平ら~弱い凸形
本種より子器が凸形
本種と異なり髄層が一様に白色ではなく上部が黄色、下部が白色
本種と異なり髄層がアミロイドではなく非アミロイド
本種と異なり地衣成分としてリゾカルプ酸を含む
Rhizocarpon polycarpum
オーストラリアに分布する
子嚢胞子に1隔壁を有する
本種と異なりオーストラリアのみではなく両極に分布する
本種と異なり子器が凸形ではなく永続的に平ら
本種と異なり子器に縁取りを有する
本種と異なり子実上層がK-ではなくK+紫色
本種と異なり成熟した子嚢胞子が暗い帯灰緑色~暗褐色ではなく無色
Rhizocarpon copelandii
子嚢胞子が暗色
子嚢胞子に1隔壁を有する
本種と異なりオーストラリアではなく主に亜寒帯に分布する
本種と異なり髄層がアミロイドではなく非アミロイド
本種と異なり主な地衣成分としてノルスチクチン酸またはスチクチン酸を含む
Rhizocarpon simillimum
髄層がアミロイド
子嚢胞子が褐色
子嚢胞子に1隔壁を有する
本種と異なりオーストラリアではなく北半球、フォークランド諸島、ニュージーランドに分布する
本種と異なり果托がK+紫赤色
本種と異なり子実上層がK+紫赤色
本種より子嚢胞子のサイズが大きい

(オーストラリア新産種)

Rhizocarpon adarense (Darb.) I.M.Lamb
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon superficiale
オーストラリアに分布する
地衣体上面が黄緑色
子嚢胞子に1隔壁を有する
地衣成分としてリゾカルプ酸を含む
本種と異なり初生菌糸が不明瞭
本種と異なり子器の果殻に永続性の縁部を有する
本種と異なり髄層が黄色ではなく白色
本種と異なり地衣成分としてスチクチン酸またはノルスチクチン酸を含む

(オーストラリア新産種)

Rhizocarpon badioatrum (Flörke ex Spreng.) Th.Fr.
※ブルゲアン酸を含む新規化学型を報告した。
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon cinereonigrum
本種と地衣成分が異なる
Rhizocarpon flavomedullosum
髄層が非アミロイド
子嚢胞子に1隔壁を有する
本種と異なり髄層が一様に白色ではなく上部が黄色
本種より子嚢胞子のサイズが小さい

(その他掲載種)

Rhizocarpon disporum (Nägeli ex Hepp) Müll.Arg.
※ブルゲアン酸を含む新規化学型を報告した。
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon intersitum
オーストラリアに分布する
地衣体が灰色
子嚢胞子が暗色
子嚢胞子が石垣状
本種と異なり子嚢が単胞子性ではなく主に8胞子性
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり複雑かつ様々な地衣成分を有するという特徴を欠く
本種と異なり地衣成分としてジロホール酸を含む

(ニューサウスウェールズ州、首都特別地域新産種)

Rhizocarpon distinctum Th.Fr.
※ノルスチクチン酸などを含む新規化学型を報告した。
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(オーストラリア新産種)

Rhizocarpon eupetraeoides (Nyl.) Blomb. & Forssell
フタゴチズゴケ
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon adarense
本種と異なり髄層がアミロイドで非アミロイドの部位が混じることがあるのではなく一様に非アミロイド
本種より子嚢胞子のサイズが顕著に小さい
Rhizocarpon superficiale
本種と異なり髄層がアミロイドで非アミロイドの部位が混じることがあるのではなく一様に非アミロイド
本種より子嚢胞子のサイズが顕著に小さい

(オーストラリア新産種)

Rhizocarpon geminatum Körb.
※ブルゲアン酸などを含む新規化学型を報告した。
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon flavomedullosum
オーストラリアに分布する
髄層にリゾカルプ酸を含むことがある
本種より地衣体が明色
本種ほど地衣体がしっかりとしていない
本種より子器のサイズが小さい
本種と異なり子嚢が主に2胞子性ではなく8胞子性
本種より子嚢胞子のサイズがずっと小さい
本種と異なり子嚢胞子が石垣状ではなく2細胞
Rhizocarpon austroamphibium
オーストラリアに分布する
本種と異なり乾燥した場所ではなく水辺に生息する
本種と異なり子器がいくぶん隆起するのではなく埋生する
本種と異なり子器に白色の縁部を有する
本種と異なり子嚢が(1-)2(-4)胞子性ではなく2-4(-6)胞子性
本種と異なり側糸が吻合せずいくぶん単純
Rhizocarpon intersitum
オーストラリアに分布する
地衣体が灰色
子嚢胞子が暗色
子嚢胞子が石垣状
本種と異なり子嚢が主に2胞子性ではなく主に8胞子性
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり複雑かつ様々な地衣成分を有するという特徴を欠く
本種と異なり地衣成分としてジロホール酸を含む

(その他掲載種)

Rhizocarpon geographicum (L.) DC.
チズゴケ
※本種の新規化学型を2つ報告した。
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon viridiatrum
オーストラリアに分布する
皮層にリゾカルプ酸を含む
本種と異なり地衣体が初め広義のクボミゴケ属地衣に寄生する
本種と異なり地衣体上面が主に黄色ではなく通常淡緑色
本種と異なり地衣成分としてバルバチン酸または2′-O-メチルペルラトリン酸を含むことがない
本種と異なり地衣成分としてノルスチクチン酸を含むことがある
Rhizocarpon lecanorinum
オーストラリアに分布する
本種と異なり子器周辺に”pseudolecanorine margin”を形成する
本種と異なり地衣成分としてプソロミン酸、2’-O-メチルペルラトリン酸、バルバチン酸を含まない

(オーストラリア新産種)

Rhizocarpon intersitum Arnold
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon disporum
オーストラリアに分布する
地衣体が灰色
子嚢胞子が暗色
子嚢胞子が石垣状
本種と異なり子嚢が主に8胞子性ではなく単胞子性
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり複雑かつ様々な地衣成分を有する
本種と異なり地衣成分としてジロホール酸を含まない
Rhizocarpon geminatum
オーストラリアに分布する
地衣体が灰色
子嚢胞子が暗色
子嚢胞子が石垣状
本種と異なり子嚢が主に8胞子性ではなく主に2胞子性
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり複雑かつ様々な地衣成分を有する
本種と異なり地衣成分としてジロホール酸を含まない
Rhizocarpon austroamphibium
オーストラリアに分布する
地衣成分としてジロホール酸を含む
本種と異なり地衣体が平滑
本種と異なり子器の縁部が白色
本種と異なり子嚢が主に8胞子性ではなく2-4胞子性
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり側糸が変則的で分枝しない
Rhizocarpon grande
区別点が明瞭でない
地衣成分としてジロホール酸を含む
本種と異なり髄層が非アミロイドではなくアミロイド(ただし反応が弱いか全く欠くこともある)
本種と異なり子実上層が暗紫褐色~暗褐色ではなく赤色
本種と異なり子実上層がK-ではなくK+
本種より子嚢胞子のサイズがやや大きい

(その他掲載種)

Rhizocarpon lavatum (Fr.) Hazsl.
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon petraeum
オーストラリアに分布する
成熟した子嚢胞子が無色
本種と異なり珪質岩ではなく石灰岩に発生する
本種と異なり地衣体上面が白色~灰色ではなく淡褐色
本種と異なり果托の縁部が膨大しない
本種と異なり地衣成分としてスチクチン酸を含む

(オーストラリア新産種)

Rhizocarpon lecanorinum Anders
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon geographicum(チズゴケ)
オーストラリアに分布する
本種と異なり子器周辺に”pseudolecanorine margin”を形成しない
本種と異なり地衣成分としてプソロミン酸、2’-O-メチルペルラトリン酸、バルバチン酸を含む

(その他掲載種)

Rhizocarpon polycarpum (Hepp) Th.Fr.
※ブルゲアン酸を含む新規化学型を報告した。
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon vigilans
オーストラリアに分布する
子嚢胞子に1隔壁を有する
本種と異なり両極に分布するのではなくオーストラリアのみで知られている
本種と異なり子器が永続的に平らではなく凸形
本種と異なり子器に縁取りを欠く
本種と異なり子実上層がK+紫色ではなくK-
本種と異なり成熟した子嚢胞子が無色ではなく暗い帯灰緑色~暗褐色

(その他掲載種)

Rhizocarpon reductum Th.Fr.
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon postumum
地衣成分としてスチクチン酸類を含む
本種より子器盤が粗面ではなく平滑
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が真の石垣状ではなく類石垣状
本種と異なり地衣成分としてスチクチン酸類のみを含む

(その他掲載種)

Rhizocarpon superficiale (Schaer.) Malme
※リゾカルプ酸およびペルラトリン酸を含む新規化学型を報告した。
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon adarense
オーストラリアに分布する
地衣体上面が黄緑色
子嚢胞子に1隔壁を有する
地衣成分としてリゾカルプ酸を含む
本種と異なり初生菌糸が明瞭
本種と異なり子器の果殻に永続性の縁部を欠く
本種と異なり髄層が白色ではなく黄色
本種と異なり地衣成分としてスチクチン酸またはノルスチクチン酸を含まない
Rhizocarpon flavomedullosum
オーストラリアに分布する
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子が暗色
子嚢胞子が2細胞
地衣成分としてリゾカルプ酸を含むことがある
本種と異なり地衣体が緑黄色ではなく灰色~暗灰色
本種より小区画のサイズが小さい
本種より子器のサイズが小さい
本種と異なり子器が平ら~弱い凸形ではなく平ら~顕著な凸形
本種と異なり地衣成分としてスチクチン酸またはペルラトリン酸を含むことがない

(その他掲載種)

Rhizocarpon viridiatrum (Wulfen) Körb.
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon geographicum(チズゴケ)
オーストラリアに分布する
皮層にリゾカルプ酸を含む
本種と異なり地衣体が他の地衣に寄生しない
本種と異なり地衣体上面が通常淡緑色ではなく主に黄色
本種と異なり地衣成分としてバルバチン酸または2′-O-メチルペルラトリン酸を含むことがある
本種と異なり地衣成分としてノルスチクチン酸を含むことがない