(仮訳)石灰岩に生じたAlta属地衣の3新種
Pykälä, J. & Myllys, L., 2016. Three new species of Atla from calcareous rocks (Verrucariaceae, lichenized Ascomycota). The Lichenologist. Available at: http://www.journaltocs.ac.uk/index.php?action=tocs&journalISSN=1096-1135&institutionID=durham [Accessed March 3, 2016].
【R3-02708】2016/03/03投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

フィンランド北部において石灰岩に生じた地衣類を検討し、Atla oulankaensisA. tibelliorum、およびA. vitikaineniiの3新種を記載した。
これらの新種はいずれも被子器が小型で、子嚢胞子が暗褐色であった。
本報告はAtla属とSporodictyon属が形態のみでは区別不能であることを裏付けることになった。
Finland, Koillismaa, Kuusamo, Juuma, Oulanka National Park, gorge Jäkälävuoma

(新種)

Atla oulankaensis Pykälä & Myllys
語源…オーランカ(国立公園)産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Atla alaskana
石灰岩に生じる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日陰ではなく開けた場所に生じる
本種より地衣体が厚い
本種より被子器のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子が成熟時暗褐色ではなく淡色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度97.6%)
Atla vitikainenii
フィンランドに分布する
岩上生である
地衣体が薄い
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子が成熟時暗褐色
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり被子器外壁が果托に圧着し、果托の下部にかけて屈曲するかそれを包むことがあるのではなく、しばしば果托から微かに分かれる
本種より子嚢胞子の幅が僅かに広い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Atla alpina
岩上生である
地衣体が薄い
子嚢胞子が成熟時暗褐色
本種より被子器のサイズが大きい
Sporodictyon cruentum
岩上生である
形態的に類似している(混同のおそれがある)
地衣体が薄い
子嚢胞子が成熟時暗褐色
本種と異なり水辺に生じる
本種と異なり石灰岩ではなく珪質岩に生じる
本種と異なり地衣体が褐色
本種より被子器のサイズが大きい
Sporodictyon minutum
本種より被子器外壁が薄い
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が成熟時暗褐色ではなく淡色
Finland, Enontekiön Lappi, Enontekiö, Porojärvet, Toskalharji, Toskaljärvi N

(新種)

Atla tibelliorum Pykälä & Myllys
語源…地衣学者のSanja Tibell氏およびLeif Tibell氏に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Sporodictyon arcticum
地衣体が厚い
被子器が地衣体に厚く覆われる
本種と異なり果托が暗褐色ではなく淡色
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
Finland, Koillismaa, Salla, Oulanka National Park, W of Savikoski

(新種)

Atla vitikainenii Pykälä & Myllys
語源…地衣学者のOrvo Vitikainen氏に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Atla alpina
岩上生である
地衣体が薄い
子嚢胞子が成熟時暗褐色
本種より被子器のサイズが大きい
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
Sporodictyon cruentum
岩上生である
地衣体が薄い
子嚢胞子が成熟時暗褐色
本種と異なり地衣体が褐色
本種より被子器のサイズが大きい
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに小さい
Atla oulankaensis
フィンランドに分布する
岩上生である
地衣体が薄い
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子が成熟時暗褐色
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり被子器外壁がしばしば果托から微かに分かれるのではなく果托に圧着し、果托の下部にかけて屈曲するかそれを包むことがある
本種より子嚢胞子の幅が僅かに狭い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される