(仮訳)ウロコタケ科の子実体に生じるHypomyces属3種
Põldmaa, K. 2003. Three species of Hypomyces growing on basidiomata of Stereaceae. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/15572536.2004.11833051?journalCode=umyc20 [Accessed July 24, 2021] 【R3-08623】2021/7/24投稿

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3行まとめ

タイおよび米国においてウロコタケ科菌類の子実体に生じるHypomyces属菌を検討した。
H. sympodiophorusStereum属菌に特異的に生じたほか、Xylobolus属菌に生じた2種の菌をH. thailandicusおよびH. xyloboliとして新種記載した。
また、H. thailandicusとほぼ同一のアナモルフを有するSibirina gamsiiCladobotryum属に移した。
Thailand, Nakhorn Nayoko Province, Khao Yai National Park, Wang Jumpee trail to Lamp Tha Kong Creek

(新種)

Hypomyces thailandicus K. Põldmaa & Samuels
語源…タイの
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【よく似た種との区別】
Hypomyces favoli
同じヒダナシタケ類に生じる
子嚢殻がKOH陰性
子嚢胞子表面が疣状
本種と異なり子嚢殻の隔壁数が0
本種とアナモルフの形態が顕著に異なる
Hypomyces mycophilus
同じヒダナシタケ類に生じる
子嚢殻がKOH陰性
子嚢胞子表面が疣状
本種とアナモルフの形態が顕著に異なる
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくクレードIVに含まれる)
Hypomyces puertoricensis
同じヒダナシタケ類に生じる
子嚢殻がKOH陰性
子嚢胞子表面が疣状
本種と異なり子嚢殻の隔壁数が0
本種とアナモルフの形態が顕著に異なる
Hypomyces subiculosus(タコウキンヤドリタケ)
同じヒダナシタケ類に生じる
子嚢胞子表面が疣状
本種と異なり子嚢殻がKOH陰性ではなく陽性
本種とアナモルフの形態が顕著に異なる
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくクレードIに含まれる)
Cladobotryum gamsii
アナモルフの形態がほぼ同一
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくクレードIIに含まれる)
Hypomyces orthosporus
アナモルフの形態が類似している
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIIに含まれる)
本種ほど節間生の分生子形成部位が頻度が高くない
本種と異なり分生子形成細胞先端が屈折性という特徴を欠く
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypomyces xyloboli
同じXyloborus属菌に生じる
子嚢殻のサイズが類似している
子嚢殻の色が類似している
分生子形成細胞の形態が類似している
分生子形成細胞のサイズが類似している
分生子が分生子形成細胞先端から単生する
分生子のサイズの範囲が重なる
分生子の形状が類似している
殻壁の顕微鏡的構造が類似している
厚壁胞子様細胞の形態が類似している
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなく米国に分布する
本種と異なりXylobolus cf. illudensではなくXylobolus frustulatusおよびX. subpileatusに生じる
本種と異なり子嚢殻が帯黄褐色ではなく褐色~暗褐色
本種より子嚢胞子の嘴状突起が短い
本種と異なり子嚢胞子表面が粗大な疣状ではなく微細な疣状
本種と異なり殻壁外側領域の細胞が厚壁でより密に配列する
本種と異なり分生子が無色ではなく緑色
本種と異なりMEA培地でのコロニーのリバースが無色ではなく無色または橙色
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypomyces sympodiophorus
同じウロコタケ科菌類に生じる
子嚢殻のサイズが類似している
子嚢殻の色が類似している
分生子形成細胞の形態が類似している
分生子形成細胞のサイズが類似している
分生子が分生子形成細胞先端から単生する
分生子のサイズの範囲が重なる
分生子が無色
分生子の形状が類似している
殻壁の顕微鏡的構造が類似している
厚壁胞子様細胞の形態が類似している
本種と異なりXylobolus属ではなくStereum属に生じる
本種と異なり子嚢殻が帯黄褐色ではなく琥珀色、帯黄色、または橙褐色
本種と異なり子嚢胞子の嘴状突起がより長いのではなく欠くまたは短い
本種と異なり子嚢胞子表面が粗大な疣状ではなく平滑または微細な疣状
本種と異なりコロニーのMEA培地でのリバースが無色ではなく無色または黄色
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくIIに含まれる)
USA, Maryland, Howard County, Patapsco Valley State Park, near River Road

(新種)

Hypomyces xyloboli K. Põldmaa & Samuels
語源…Xylobolus属の
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【よく似た種との区別】
Hypomyces thailandicus
同じXyloborus属菌に生じる
子嚢殻のサイズが類似している
子嚢殻の色が類似している
分生子形成細胞の形態が類似している
分生子形成細胞のサイズが類似している
分生子が分生子形成細胞先端から単生する
分生子のサイズの範囲が重なる
分生子の形状が類似している
殻壁の顕微鏡的構造が類似している
厚壁胞子様細胞の形態が類似している
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくタイに分布する
本種と異なりXylobolus frustulatusおよびX. subpileatusではなくXylobolus cf. illudensに生じる
本種と異なり子嚢殻が褐色~暗褐色ではなく帯黄褐色
本種より子嚢胞子の嘴状突起が長い
本種と異なり子嚢胞子表面が微細な疣状ではなく粗大な疣状
本種と異なり殻壁外側領域の細胞が厚壁でなく、より緩く配列する
本種と異なり分生子が緑色ではなく無色
本種と異なりMEA培地でのコロニーのリバースが無色または橙色ではなく無色
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypomyces sympodiophorus
同じウロコタケ科菌類に生じる
分生子形成細胞の形態が類似している
分生子形成細胞のサイズが類似している
分生子が分生子形成細胞先端から単生する
分生子のサイズの範囲が重なる
分生子の形状が類似している
厚壁胞子様細胞の形態が類似している
本種と異なりXylobolus属ではなくStereum属に生じる
本種と異なり子嚢殻が褐色~暗褐色ではなく琥珀色、帯黄色、または橙褐色
本種と異なり子嚢胞子の嘴状突起がより長いのではなく欠くまたは短い
本種と異なり子嚢胞子表面が微細な疣状ではなく平滑または微細な疣状
本種と異なり分生子が緑色ではなく無色
本種と異なりコロニーのMEA培地でのリバースが無色または橙色ではなく無色または黄色
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくIIに含まれる)
Hypomyces viridigriseus
分生子が緑色
本種と異なり分生子形成細胞がシンポジオ状に伸長する
本種と異なり分生子の隔壁数が1ではなく1-3
Cladobotryum virescens
本種と異なり培養下で紫色色素を産生する

(その他掲載種)

Hypomyces sympodiophorus Rogerson & Samuels
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【よく似た種との区別】
Hypomyces thailandicus
同じウロコタケ科菌類に生じる
子嚢殻のサイズが類似している
子嚢殻の色が類似している
分生子形成細胞の形態が類似している
分生子形成細胞のサイズが類似している
分生子が分生子形成細胞先端から単生する
分生子のサイズの範囲が重なる
分生子が無色
分生子の形状が類似している
殻壁の顕微鏡的構造が類似している
厚壁胞子様細胞の形態が類似している
本種と異なりStereum属ではなくXylobolus属に生じる
本種と異なり子嚢殻が琥珀色、帯黄色、または橙褐色ではなく帯黄褐色
本種と異なり子嚢胞子に嘴状突起を欠くまたは短いのではなくより長い
本種と異なり子嚢胞子表面が平滑または微細な疣状ではなく粗大な疣状
本種と異なりコロニーのMEA培地でのリバースが無色または黄色ではなく無色
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIではなくIIIに含まれる)
Hypomyces xyloboli
同じウロコタケ科菌類に生じる
分生子形成細胞の形態が類似している
分生子形成細胞のサイズが類似している
分生子が分生子形成細胞先端から単生する
分生子のサイズの範囲が重なる
分生子の形状が類似している
厚壁胞子様細胞の形態が類似している
本種と異なりStereum属ではなくXylobolus属に生じる
本種と異なり子嚢殻が琥珀色、帯黄色、または橙褐色ではなく褐色~暗褐色
本種と異なり子嚢胞子に嘴状突起を欠くまたは短いのではなくより長い
本種と異なり子嚢胞子表面が平滑または微細な疣状ではなく微細な疣状
本種と異なり分生子が無色ではなく緑色
本種と異なりコロニーのMEA培地でのリバースが無色または黄色ではなく無色または橙色
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIではなくIIIに含まれる)

(新組み合わせ)

Cladobotryum gamsii (D.J. Gray & Morgan-Jones) K. Põldmaa
旧名:Sibirina gamsii D.J. Gray & Morgan-Jones
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