(仮訳)新属Tretomyces、新種Byssocorticium caeruleum、およびDendrothele属、Pseudomerulius属の新組み合わせ
Kotiranta, H. et al., 2011. Tretomyces gen. novum, Byssocorticium caeruleum sp. nova, and new combinations in Dendrothele and Pseudomerulius (Basidiomycota). Annales Botanici Fennici. Available at: http://www.bioone.org/doi/abs/10.5735/085.048.0106 [Accessed September 20, 2016].
【R3-03312】2016/09/21投稿

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3行まとめ

デンマーク、フィンランド、ノルウェーで採集された菌を検討し、新属新種Tretomyces microsporusとして記載した。
また、コナラ属植物の材に発生し、子実体が青色であることなどで特徴づけられるByssocorticium caeruleumを新種記載した。
Tretomyces lutescensDendrothele minutissima、およびPseudomerulius montanusの3新組み合わせを提唱した。
Finland, Varsinais-Suomi, Tammisaari, Tenhola, Lökudden Nature Reserve

(新種)

Byssocorticium caeruleum Kotir., Saaren. & K.H. Larss.
語源…青色の
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【よく似た種との区別】
Byssocorticium atrovirens
子実体が帯青色
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なりクランプを有する
Byssocorticium pulchrum
子実体が帯青色
ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なりクランプを有する
ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Byssocorticium efibulatum
子実体が帯青色
クランプを欠く
ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Byssocorticium californicum
クランプを欠く
本種と異なりフィンランドではなく米国などに分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が球形、類球形、洋梨形、滴形ではなく広楕円形、部分的に卵状、あるいは洋梨形
Byssocorticium neomexicanum
クランプを欠く
本種と異なりフィンランドではなく米国などに分布する
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が球形、類球形、洋梨形、滴形ではなく楕円形
本種と異なり担子胞子が僅かに厚壁ではなく薄壁

(新組み合わせ)

Tretomyces lutescens (J. Erikss. & Ryvarden) K.H. Larss., Kotir. & Saaren.
旧名:Byssocorticium lutescens J. Erikss. & Ryvarden
,語源…(属名)孔の空いた菌
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【よく似た種との区別】
Tretomyces microsporus
デンマーク、ノルウェーに分布する
本種と異なりスウェーデンにおける分布が知られていない
本種と異なり子実体が明るい黄色ではなく帯黄白色、淡黄色、淡褐色
本種より担子胞子のサイズが小さい
Norway, Hedmark, Løten, vest Grefsum

(新種)

Tretomyces microsporus Kotir., Saaren. & K.H. Larss.
語源…小さな胞子の
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【よく似た種との区別】
Tretomyces lutescens
デンマーク、ノルウェーに分布する
本種と異なりスウェーデンにおける分布が知られている
本種と異なり子実体が帯黄白色、淡黄色、淡褐色ではなく明るい黄色
本種より担子胞子のサイズが大きい

(新組み合わせ)

Dendrothele minutissima (Höhn. & Litsch.) Kotir., K.H. Larss. & Saaren.
旧名:Corticium minutissimum Höhn. & Litsch.
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【よく似た種との区別】
Dendrothele bispora
担子器が2胞子性
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が球形、類球形、広楕円形、卵状、洋梨形ではなく倒卵形
本種と異なり盛んに分枝する樹枝状糸状体を豊富に有する
本種と異なり菌糸構成が2菌糸型
Dendrothele commixta
フィンランドに分布する
同じヤナギ属樹木を宿主とする
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と担子胞子の形状が異なる
本種と異なりクランプを欠く
Dendrothele citrisporella
本種と異なり担子胞子が球形、類球形、広楕円形、卵状、洋梨形ではなくいくぶんレモン形
本種と異なり樹枝状糸状体を豊富に有する
本種と異なりクランプを欠く

(新組み合わせ)

Pseudomerulius montanus (Burt) Kotir., K.H. Larss. & M. Kulju
旧名:Merulius montanus Burt
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【よく似た種との区別】
Pseudomerulius aureus(キシワタケ)
子実体形成菌糸層の菌糸の構造が類似している
菌糸がKOH中で膨大する
クランプが輪状
本種と異なり子実層面が明るい橙色
本種と担子胞子の形状がかなり異なる
本種と異なりシスチジアを欠く
Pseudomerulius elliottii
子実体が背着生
本種より担子胞子が長い
本種と異なり担子胞子が楕円形~広楕円形ではなく短長楕円形で向軸面が扁平あるいは僅かに窪む
本種と異なりシスチジアを欠く