(仮訳)ブラジルにおいてマンゴーに病害を引き起こすCeratocystis属の2新種
Van Wyk, M. et al., 2011. Two new Ceratocystis species associated with mango disease in Brazil. Mycotaxon. …. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/mtax/mt/2011/00000117/00000001/art00040 [Accessed March 14, 2015].
【R3-01640】2015/03/14投稿

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3行まとめ

ブラジル、サンパウロ州においてマンゴーに”mango blight”などと呼ばれる病害を引き起こす広義のCeratocystis fimbriataを検討した。
分子系統解析で見出された独自の2系統をC. mangicolaおよびC. mangivoraとして新種記載した。
両種はオマーンおよびパキスタンにおいてマンゴーに類似の病害を引き起こすC. manginecansとは系統的に異なっていた。
São Paulo State

(新種)

Ceratocystis mangicola M. van Wyk & M.J. Wingf.
語源…マンゴーに生息する
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ceratocystis mangivora
ブラジル、サンパウロ州に分布する
同じマンゴーを宿主とする
マンゴーに病害を引き起こす
Hypocryphalus mangiferaeと関係を持つ(胞子散布のベクターとなる)
形態的に非常に類似している
孔口の菌糸に散開型と収束型の両方が見られる
MEA培地でのコロニーが暗褐色
MEA培地上に盛んに子嚢殻を形成する
コロニーにバナナ臭がある
最適生長温度が25℃
5℃で生育不能
35℃で生育不能
ITSおよびITS+β-チューブリン+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
β-チューブリンおよびEF1-αの塩基配列が同一
本種と異なり子嚢殻基部が球形~倒洋梨形ではなく球形~類球形
本種と異なり培養下で厚壁胞子を形成しない
ITSおよびITS+β-チューブリン+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITS領域の配列に16塩基の差異)
Ceratocystis fimbriatomima
ITSおよびITS+β-チューブリン+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
EF1-αの塩基配列が同一
本種と異なりブラジルではなくベネズエラに分布する
本種と異なりマンゴー属ではなくユーカリ属植物を宿主とする
本種と異なり孔口の菌糸に散開型と収束型の両方が見られるという特徴を欠く
ITS、β-チューブリン、EF1-α、ITS+β-チューブリン+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSに10、β-チューブリンに8塩基の差異)
Ceratocystis manginecans
同じマンゴーを宿主とする
マンゴーに病害を引き起こす
Hypocryphalus mangiferaeと関係を持つ(胞子散布のベクターとなる)
本種と異なりブラジルではなくオマーンおよびパキスタンに分布する
本種と異なり孔口の菌糸に散開型と収束型の両方が見られるという特徴を欠く
ITS、β-チューブリン、EF1-α、ITS+β-チューブリン+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSに6、β-チューブリンに5、EF1-αに1塩基の差異)
Brazil, São Paulo State, Campinas

(新種)

Ceratocystis mangivora M. van Wyk & M.J. Wingf.
語源…マンゴーを貪る
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ceratocystis mangicora
ブラジル、サンパウロ州に分布する
同じマンゴーを宿主とする
マンゴーに病害を引き起こす
Hypocryphalus mangiferaeと関係を持つ(胞子散布のベクターとなる)
形態的に非常に類似している
孔口の菌糸に散開型と収束型の両方が見られる
MEA培地でのコロニーが暗褐色
MEA培地上に盛んに子嚢殻を形成する
コロニーにバナナ臭がある
最適生長温度が25℃
5℃で生育不能
35℃で生育不能
ITSおよびITS+β-チューブリン+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
β-チューブリンおよびEF1-αの塩基配列が同一
本種と異なり子嚢殻基部が球形~類球形ではなく球形~倒洋梨形
本種と異なり培養下で厚壁胞子を形成する
ITSおよびITS+β-チューブリン+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITS領域の配列に16塩基の差異)
Ceratocystis fimbriatomima
ITSおよびITS+β-チューブリン+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
EF1-αの塩基配列が同一
本種と異なりブラジルではなくベネズエラに分布する
本種と異なりマンゴー属ではなくユーカリ属植物を宿主とする
本種と異なり孔口の菌糸に散開型と収束型の両方が見られるという特徴を欠く
ITS、β-チューブリン、EF1-α、ITS+β-チューブリン+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSに14、β-チューブリンに7塩基の差異)
Ceratocystis manginecans
同じマンゴーを宿主とする
マンゴーに病害を引き起こす
Hypocryphalus mangiferaeと関係を持つ(胞子散布のベクターとなる)
本種と異なりブラジルではなくオマーンおよびパキスタンに分布する
本種と異なり孔口の菌糸に散開型と収束型の両方が見られるという特徴を欠く
ITS、β-チューブリン、EF1-α、ITS+β-チューブリン+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSに20、β-チューブリンに4、EF1-αに1塩基の差異)