(仮訳)中国、チベット地域に産した食用のLyophyllum属2種
Li, S. et al. 2023. Two New Edible Lyophyllum Species from Tibetan Areas, China. Diversity. Available at: https://www.mdpi.com/1424-2818/15/9/1027 [Accessed September 28, 2023] 【R3-11012】2023/9/28投稿

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3行まとめ

中国、チベット地域で採集された2種の菌を検討し、Lyophyllum yiqunyangおよびL. heimoguとして新種記載した。
両種ともDiffformia節の腐生菌であり、前者は傘がオリーブ灰色で担子胞子が球形~類球形で側シスチジアを欠くこと、後者は傘がオリーブ色~暗灰色で担子胞子が球形~類球形であることなどで特徴づけられた。
両種とも現地住民によって広範に採集・食用にされており、商品化の潜在的な候補とされた。
中国四川省九寨溝県

(新種)

Lyophyllum yiqunyang Shu H. Li
語源…中国語での普通名「yiqunyang(一群羊?)」より
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【よく似た種との区別】
Lyophyllum deqinense
中国に分布する
傘が帯灰オリーブ色~帯灰橙色
担子胞子が球形~類球形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より担子器が短い
本種と異なり傘表皮が平行菌糸被である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lyophyllum subalpinarum
中国に分布する
傘が帯灰黄色~帯灰オリーブ色
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり襞が触れたり傷ついたりすると黒変する
本種と異なり柄の中ほどが類白色~灰色から暗色である
本種と異なり柄が中空である
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく球形~円筒形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lyophyllum subdecastes
中国に分布する
柄のサイズの範囲が重なる
担子胞子が球形~類球形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘がオリーブ灰色ではなく帯黄褐色、褐色、帯灰赤色である
本種と異なり柄が白色~淡灰色ではなく橙白色、帯赤灰色~帯灰赤色
本種より担子器のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが比較的小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国チベット自治区波密県

(新種)

Lyophyllum heimogu S. H. Li
語源…中国語での普通名「黒蘑菇」より
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【よく似た種との区別】
Lyophyllum subdecastes
中国に分布する
子実体が中型
傘が褐色~暗色
担子胞子が球形~類球形
柄のサイズの範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘がオリーブ色~暗灰色ではなく帯黄褐色、褐色、帯灰赤色である
本種と異なり柄が帯黄褐色ではなく橙白色、帯赤灰色~帯灰赤色
本種より担子器のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり側シスチジアが紡錘状便腹形~広紡錘状便腹形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lyophyllum decastes(ハタケシメジ)
中国に分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスウェーデン、ポーランドにおける分布が知られている
本種と異なり腐生菌ではなく菌根菌である
本種と異なり傘のサイズが広い
本種と異なり傘がオリーブ色~暗灰色ではなく帯灰褐色~帯黄褐色または褐色で通常幼時より暗色
本種より柄が長い
本種と異なり柄が帯黄褐色ではなく類白色~帯灰色
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子の最大サイズが大きい
本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく広楕円形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される