(仮訳)モリノカレバタケ型/ホウライタケ型ハラタケ類の2新属
Petersen, RH. & Hughes, KW. 2020. Two new genera of gymnopoid/marasmioid euagarics. Mycotaxon. Available at: https://www.ingentaconnect.com/content/mtax/mt/2020/00000135/00000001/art00002 [Accessed November 29, 2020] 【R3-07912】2020/11/29投稿

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3行まとめ

ParamycetinisおよびPseudomarasmiusの2新属を提唱した。
前者には2新種、後者には4新種および旧Marasmius属の4種を含めた。
両新属は分子系統解析で/omphalotaceaeクレードに含まれた。
Australia, Tasmania, Gordon-Pedder National Heritage Area, Rainforest Nature Walk vicinity

(新種)

Paramycetinis austrobrevipes R.H. Petersen
語源…(属名)para+Mycetinis属/(種小名)南方のGymnopus neobrevipes(顕微鏡的形態が類似することから)
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【よく似た種との区別】
Paramycetinis caulocystidiatus
オセアニアに分布する
同じナンキョクブナ属樹木から生じる
nrLSUおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなくニュージーランドに分布する
本種と異なりタスマニアスギ属植物からの発生が知られていない
本種と異なり材および落枝ではなく枯れ葉および枝から生じる
本種と異なり子実体が根状菌糸束から、あるいは離れた場所から生じるのではなく根状菌糸束から離れた場所から生じる
本種より根状菌糸束の幅が狭い
本種と異なり根状菌糸束が緩い網状をなすという特徴を欠く
本種と異なり縁シスチジアが棍棒形で頂部に小剛毛の集まりを有するのではなく棍棒形で樹枝状突起を欠く
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Gymnopus neobrevipes
木質基質から生じる
子実体が根状菌糸束から、あるいは離れた場所から生じる
傘の色が類似している
傘表皮がゼラチン化する
根状菌糸束を有する
本種と異なりオーストラリアではなく北米などに分布する
本種と異なり子実体が小型
本種と異なり子実体が丈の高いクヌギタケ型ではなく画鋲形
本種と異なり柄表面が全長にわたって無毛
本種と異なり子実体にニンニクの味が知られていない
本種より傘表皮のラメアリス構造が明瞭である
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Marasmius crinis-equi(ウマノケタケ)
オーストラリアに分布する
形態的に類似している(フィールドで混同のおそれがある)
本種より子実体のサイズが顕著に小さい
本種と異なり襞に襟帯を有する
本種と異なり柄が短い
本種と異なり柄が屈曲する
本種と縁シスチジアの形態が異なる
本種と異なり傘表皮が子実層状被である
New Zealand, North Island, Urewera National Park, track to Waipai Swamp

(新種)

Paramycetinis caulocystidiatus R.H. Petersen
語源…柄シスチジアの
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【よく似た種との区別】
Paramycetinis austrobrevipes
オセアニアに分布する
nrLSUおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりニュージーランドではなくオーストラリアに分布する
同じナンキョクブナ属樹木から生じる
本種と異なりタスマニアスギ属植物からの発生が知られている
本種と異なり枯れ葉および枝ではなく材および落枝から生じる
本種と異なり子実体が根状菌糸束から離れた場所から生じるのではなく根状菌糸束から、あるいは離れた場所から生じる
本種より根状菌糸束の幅が広い
本種と異なり根状菌糸束が緩い網状をなす
本種と異なり縁シスチジアが棍棒形で樹枝状突起を欠くのではなく棍棒形で頂部に小剛毛の集まりを有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, South Island, Westland, Fox Glacier, Lake Matheson loop trail

(新種)

Pseudomarasmius efibulatus R.H. Petersen
語源…クランプを欠く
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【よく似た種との区別】
Pseudomarasmius straminipes
子実体が非常に小型
菌糸にクランプを欠く
本種と異なりニュージーランドではなく北米東部などに分布する
本種と異なり枝ではなく葉または針葉のリターに生じる
Pseudomarasmius glabrocystidiatus
子実体が非常に小型
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりニュージーランドではなく韓国(とおそらく日本)に分布する
本種より担子胞子の幅が広い
本種より担子胞子のQ値が小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudomarasmius pallidocephalus(ヒメオチバタケ)
温帯域に分布する
柄表面に柄シスチジアからなる装飾を欠く
根状菌糸束が発達する
縁シスチジアが広棍棒形またはアンプル形
縁シスチジア表面が平滑
傘表皮が複雑なラメアリス構造である
菌糸にクランプを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりニュージーランドではなく北米などに分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子のQ値が小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Costa Rica, Prov. San José, Jardin de Dota, 3.5 km W of Interamerican Highway at El Empalme Empalme

(新種)

Pseudomarasmius obscurus R.H. Petersen
語源…(属名)偽のMarasmius属/(種小名)不明瞭な(顕微鏡的構造の観察が困難であることから)
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【よく似た種との区別】
Pseudomarasmius quercophiloides
広葉樹に生じる
葉のリターに生じる
根状菌糸束が明瞭
根状菌糸束が葉の表面に背着する
本種と異なりコスタリカではなく韓国に分布する
Gymnopus pyracanthoides
コスタリカに分布する
同じコナラ属樹木に生じる
植物の葉に生じる
根状菌糸束が背着する
菌糸にクランプを欠く
本種と異なり柄表面全体を柄シスチジアからなる装飾が覆う
本種と傘表皮構造が異なる
本種より柄シスチジアが長い
Chilé, Chiloé, Isla Grande de Chiloé, Ancud

(新種)

Pseudomarasmius patagonianus R.H. Petersen
語源…パタゴニアの
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【よく似た種との区別】
Pseudomarasmius nidus-avis
広葉樹基質に発生する
形態的に類似している(一見識別不能)
子実体が小型
子実体が画鋲形
本種と異なりチリではなく北米などに分布する
本種と異なり子実体が根状菌糸束の枝として、あるいは腐朽葉から生じるという特徴を欠く
本種と異なり根状菌糸束が不明瞭ではなく優勢
本種と異なり傘表皮細胞が通常半ゼラチン化するという特徴を欠く
本種と異なり菌糸にクランプを欠くのではなく時に実質および根状菌糸束に有する
中国雲南省安寧市西南林業大学

(新種)

Pseudomarasmius quercophiloides R.H. Petersen
語源…Marasmius quercophilus類似の
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【よく似た種との区別】
Pseudomarasmius obscurus
広葉樹に生じる
葉のリターに生じる
根状菌糸束が明瞭
根状菌糸束が葉の表面に背着する
本種と異なり韓国ではなくコスタリカに分布する
Gymnopus quercophilus
硬葉の広葉樹に生じる
葉から生じる
傘に低い中丘を有する
傘表面に条線~溝線を有する
根状菌糸束が豊富である
側シスチジアのサイズが類似している
側シスチジアの形状が類似している
本種と異なり中国内陸部または亜熱帯域に分布するという特徴を欠く
本種と異なり根状菌糸束が葉の上に背着するという特徴を欠く
本種と異なり根状菌糸束が暗い銅色ではなく赤褐色~栗褐色
本種と異なり縁シスチジアを有する
本種と異なり柄シスチジアが”pruinose”でない
本種と異なり菌糸にクランプを有する

(新組み合わせ)

Pseudomarasmius glabrocystidiatus (Antonín, Ryoo & Ka) R.H. Petersen
旧名:Gymnopus glabrocystidiatus Antonín
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【よく似た種との区別】
Pseudomarasmius efibulatus
子実体が非常に小型
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり韓国(とおそらく日本)ではなくニュージーランドに分布する
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より担子胞子のQ値が大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudomarasmius straminipes
同じモミ属樹木に生じる
腐朽針葉に生じる
子実体がクヌギタケ型
子実体の形状が細長い
根状菌糸束が通常不明瞭
本種と異なり韓国(とおそらく日本)ではなく北米東部に分布する
本種と異なりトウヒ属樹木から知られている
本種と異なり傘が暗灰緑色ではなく淡褐色または淡い帯灰褐色
本種と異なり柄が暗褐色~黒褐色ではなく黄色~帯褐橙色または藁色

(新組み合わせ)

Pseudomarasmius nidus-avis (César, Bandala & Montoya) R.H. Petersen
旧名:Gymnopus nidus-avis César, Bandala & Montoya
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【よく似た種との区別】
Pseudomarasmius patagonianus
広葉樹基質に発生する
形態的に類似している(一見識別不能)
子実体が小型
子実体が画鋲形
本種と異なり北米などではなくチリに分布する
本種と異なり子実体が根状菌糸束の枝として、あるいは腐朽葉から生じる
本種と異なり根状菌糸束が優勢ではなく不明瞭
本種と異なり傘表皮細胞が通常半ゼラチン化する
本種と異なり菌糸にクランプを時に実質および根状菌糸束に有するのではなく欠く

(新組み合わせ)

Pseudomarasmius pallidocephalus (Gilliam) R.H. Petersen
ヒメオチバタケ
旧名:Marasmius pallidocephalus Gilliam
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【よく似た種との区別】
Pseudomarasmius efibulatus
温帯域に分布する
柄表面に柄シスチジアからなる装飾を欠く
根状菌糸束が発達する
縁シスチジアが広棍棒形またはアンプル形
縁シスチジア表面が平滑
傘表皮が複雑なラメアリス構造である
菌糸にクランプを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米などではなくニュージーランドに分布する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のQ値が大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Pseudomarasmius straminipes (Peck) R.H. Petersen
旧名:Chamaeceras straminipes (Peck) Kuntze
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【よく似た種との区別】
Pseudomarasmius glabrocystidiatus
同じモミ属樹木に生じる
腐朽針葉に生じる
子実体がクヌギタケ型
子実体の形状が細長い
根状菌糸束が通常不明瞭
本種と異なり北米東部ではなく韓国(とおそらく日本)に分布する
本種と異なりトウヒ属樹木から知られていない
本種と異なり傘が淡褐色または淡い帯灰褐色ではなく暗灰緑色
本種と異なり柄が黄色~帯褐橙色または藁色ではなく暗褐色~黒褐色
Pseudomarasmius efibulatus
子実体が非常に小型
菌糸にクランプを欠く
本種と異なり北米東部などではなくニュージーランドに分布する
本種と異なり葉または針葉のリターではなく枝に生じる