(仮訳)中国在来のバラ属植物から検出されたPhragmidium属2新種
Yang, T. et al., 2015. Two new Phragmidium species identified on Rosa plants native to China. Phytotaxa. Available at: http://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.217.2.8 [Accessed August 6, 2015].
【R3-02076】2015/08/06投稿

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3行まとめ

中国甘粛省においてRosa omeiensisに生じた菌を検討し、Phragmidium zhouquensisとして新種記載した。
また、雲南省においてR. lichiangensisに生じた菌をPh. longissimaとして新種記載した。
前者は3-9細胞の微細な疣を有する冬胞子、後者は発芽孔に膜を有する小刺状の夏胞子などでそれぞれ特徴づけられた。
中国甘粛省甘南チベット族自治州ドゥクチュ県

(新種)

Phragmidium zhouquensis Y.M. Liang & T. Yang
語源…ドゥクチュ産の
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【よく似た種との区別】
Phragmidium mucronatum
中国に分布する
同じバラ属植物を宿主とする
冬胞子堆が宿主の葉の下面に生じる
冬胞子のサイズの範囲が重なる
冬胞子の柄の長さの範囲が重なる
冬胞子の細胞数の範囲が重なる
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくドイツなどに分布する
本種と異なりRosa omeiensisではなくR. corymbiferaR. rubiginosaなどを宿主とする
本種と異なり冬胞子堆が暗褐色ではなく黒色
本種より冬胞子の乳頭突起が長い
本種と異なり冬胞子の細胞数が(3-)6-8(-9)ではなく(4-)6-8(-9)
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phragmidium robustum
中国に分布する
同じバラ属植物を宿主とする
冬胞子堆が葉の下面に生じる
冬胞子堆が暗褐色
冬胞子の乳頭突起の長さの範囲が重なる
冬胞子の柄の長さの範囲が重なる
本種より冬胞子の幅が広い
本種より冬胞子ががっしりとしている
本種より冬胞子の柄が長い
本種と異なり冬胞子の細胞数が(3-)6-8(-9)ではなく3-7
Phragmidium rosae-omeiensis
中国に分布する
同じRosa omeiensisを宿主とする
本種と異なり冬胞子堆が宿主の葉の下面ではなく茎に生じる
本種より冬胞子が長い
本種より冬胞子の幅が狭い
本種と異なり冬胞子表面が小疣状ではなく平滑
本種より冬胞子の柄の最大長が長い
本種と異なり冬胞子の細胞数が(3-)6-8(-9)ではなく(4-)7-9(-10)
Phragmidium tuberculatum
中国に分布する
同じRosa omeiensisを宿主とする
冬胞子堆が宿主の葉の下面に生じる
冬胞子のサイズの範囲が重なる
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国のみではなく米国からも知られている
本種と異なりRosa omeiensisではなくR. rugosaR. floribundaなどが宿主として知られる
本種と異なり冬胞子堆が暗褐色ではなく黒色
本種より冬胞子の乳頭突起の最大長が長い
本種より冬胞子の柄の最大長が短い
本種より冬胞子の乳頭突起が長い
本種と異なり冬胞子の細胞数が(3-)6-8(-9)ではなく(3-)4-6(-7)
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phragmidium fusiforme
中国甘粛省に分布する
同じバラ属植物を宿主とする
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国のみではなく北半球に広く分布する
本種と異なりRosa omeiensisではなくR. hugonisR. pendulinaを宿主とする
本種と異なり冬胞子が楕円形~長楕円形~円筒形ではなく紡錘形
本種より冬胞子の乳頭突起の最大長が長い
本種と異なり冬胞子の細胞数が(3-)6-8(-9)ではなく最大10細胞からなる
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phragmidium montivagum
同じバラ属植物を宿主とする
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりRosa omeiensisではなくR. cf. woodsiiを宿主とする
本種と異なり冬胞子堆が暗褐色ではなく黒色
本種と異なり冬胞子が楕円形~長楕円形~円筒形ではなく類棍棒形~紡錘形
本種と異なり冬胞子の柄が槍形ではなく塊茎状
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phragmidium fragariae
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりバラ属ではなくキジムシロ属植物を宿主とする
本種と異なり冬胞子堆が葉面ではなくしばしば葉柄に生じる
本種より冬胞子のサイズが小さい
本種と異なり冬胞子に乳頭突起を欠く
本種と異なり冬胞子の細胞数が(3-)6-8(-9)ではなく2-5
本種より冬胞子の柄が短い
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国雲南省蘭坪ペー族プミ族自治県長岩山

(新種)

Phragmidium longissima Y.M. Liang & T. Yang
語源…最も長い(冬胞子のサイズから)
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【よく似た種との区別】
Phragmidium rosae-multiflorae
本種と異なり宿主がRosa lichiangensisでない
本種と異なり冬胞子の装飾が一様に小刺状なのではなく小疣状
本種と異なり冬胞子の細胞数が通常9-11ではなくほとんどの場合7-8
本種より冬胞子の柄の幅が明瞭に広い
Phragmidium americanum
冬胞子のサイズが類似している
冬胞子の細胞数が類似している
本種と異なり中国ではなく北米などに分布する
本種と異なり宿主がRosa lichiangensisでない
本種と異なり冬胞子の上部が僅かに狭まることがある
本種と異なり冬胞子の柄の長さが胞子本体の0.5-1倍ではなく1-1.5倍
Phragmidium rosae-californicae
冬胞子のサイズが類似している
冬胞子の柄のサイズが類似している
本種と異なり中国ではなく北米などに分布する
本種と異なり宿主がRosa lichiangensisでない
本種より冬胞子の頂部細胞が典型的には長い
本種と異なり冬胞子の両端の細胞が丸まるのではなく上部が顕著に尖る
Phragmidium mucronatum
中国に分布する
同じバラ属植物を宿主とする
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりRosa lichiangensisが宿主でない
本種より冬胞子が短い
本種より冬胞子頂部の乳頭突起が明らかに長い
本種と異なり冬胞子の細胞数が通常9-11ではなく5-9
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される