2015年8月15日 (仮訳)中国産のヤナギ類を宿主とするMelampsora属2新種および1新産種 Zhao, P. et al., 2015. Two new species and one new record of Melampsora on willows from China. Mycological Progress. …. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-015-1091-6 [Accessed August 15, 2015]. 【R3-02104】2015/08/15投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国においてヤナギ類に発生したMelampsora属さび菌を検討し、M. salicis-purpureaeおよびM. salicis-argyraceaeの2新種を記載した。 前者はSalix purpureaを宿主とし、夏胞子堆および冬胞子堆が葉の両面に生じ、冬胞子が比較的短い点、後者はS. argyaceaeを宿主とし、冬胞子の頂部が厚壁であることなどで特徴づけられた。 また、新疆ウイグル自治区のS. albaおよび内モンゴル自治区のS. psammophylaから見出されたM. iranicaを中国新産種として報告した。 中国山東省日照市莒県 (新種) Melampsora salicis-purpureae P. Zhao, C. M. Tian, Y. J. Yao & M. Kakishima 語源…Salix purpureaの 【よく似た種との区別】 Melampsora humilis 同じヤナギ属植物を宿主とする 夏胞子のサイズの範囲が重なる 夏胞子が球形~楕円形 冬胞子が表皮下に生じる 冬胞子頂部および側部の壁が均一に厚い ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく日本に分布する 本種と異なりSalix argyraceaではなくS. integraおよびS. koriyanagiなどを宿主とする 本種と異なり夏胞子堆が葉の両面ではなく下面に生じる 本種より夏胞子の刺の間の距離が大きい 本種と異なり冬胞子堆が葉の両面ではなく下面に生じる 本種より冬胞子の最大幅が大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melampsora ribesii-purpureae 同じSalix purpureaを宿主とする 夏胞子のサイズの範囲が重なる 夏胞子が球形~楕円形 夏胞子堆が葉の両面に生じる 冬胞子堆が葉の両面に生じる 冬胞子が表皮下に生じる 冬胞子頂部および側部の壁が均一に厚い ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種より夏胞子の刺の間の距離が大きい 本種より冬胞子のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melampsora epitea 中国に分布する(ただし当該種には多系統性が認められている) 夏胞子のサイズの範囲が重なる 夏胞子が球形~楕円形 冬胞子が表皮下に生じる 冬胞子頂部および側部の壁が均一に厚い ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくイングランドなどにも分布する(ただし当該種には多系統性が認められている) 本種と異なり夏胞子堆が葉の両面ではなく下面に生じる 本種より夏胞子の刺の間の距離が小さい 本種と異なり冬胞子堆が葉の両面ではなく下面または両面に生じる(ただし当該種には多系統性が認められている) 本種より冬胞子のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州モンゴルキュレ県 (新種) Melampsora salicis-argyraceae P. Zhao, C. M. Tian, Y. J. Yao & M. Kakishima 語源…Salix argyraceaの 【よく似た種との区別】 Melampsora epiphylla ヤナギ属植物を宿主とする 夏胞子堆が葉の下面に生じる 夏胞子のサイズの範囲が重なる 夏胞子が球形~楕円形 冬胞子堆が葉の上面に生じる 冬胞子頂部が厚壁 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく日本に分布する 本種と異なりSalix argyraceaではなくS. pet-susu、S. sachalinensis、S. viminalisなどを宿主とする 本種より夏胞子の刺の間の距離が小さい 本種と異なり冬胞子が表皮下ではなく表皮下およびクチクラ下に生じる 本種より冬胞子のサイズが小さい 本種より冬胞子頂部の壁が厚い 本種より冬胞子側部の壁が厚い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melampsora capraearum 夏胞子堆が葉の下面に生じる 夏胞子が球形~楕円形 冬胞子堆が葉の上面に生じる 冬胞子頂部が厚壁 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく日本に分布する 本種と異なりSalix argyraceaではなくS. bakkoを宿主とする 本種より夏胞子のサイズが大きい 本種より夏胞子の刺の間の距離が小さい 本種と異なり冬胞子が表皮下ではなくクチクラ下に生じる 本種より冬胞子のサイズが小さい 本種より冬胞子頂部の壁が厚い 本種より冬胞子側部の壁が厚い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melampsora salicis-sinicae 夏胞子堆が葉の下面に生じる 夏胞子が球形~楕円形 冬胞子頂部が厚壁 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりSalix argyraceaではなくS. sinicaを宿主とする 本種より夏胞子のサイズが大きい 本種より夏胞子の刺の間の距離が小さい 本種と異なり冬胞子堆が葉の上面ではなく両面に生じる 本種と異なり冬胞子が表皮下ではなくクチクラ下に生じる 本種より冬胞子のサイズが小さい 本種より冬胞子頂部の壁が厚い 本種より冬胞子側部の壁が厚い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (中国新産種) Melampsora iranica S. M. Damadi, M. H. Pei, J. A. Smith & M. Abbasi 【よく似た種との区別】 Melampsora allii-populina ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melampsora ribesii-purpureae 同じヤナギ属植物を宿主とする 夏胞子堆が葉の両面に生じる 夏胞子のサイズの範囲が重なる 夏胞子が球形~楕円形 冬胞子が表皮下に生じる 冬胞子のサイズの範囲が重なる 冬胞子の頂部および側部の壁が均一に厚い 冬胞子の頂部および側部の壁の厚さの範囲が重なる 本種より夏胞子の刺の間の距離が小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melampsora salicis-albae 同じSalix albaを宿主とする 夏胞子のサイズの範囲が重なる 夏胞子の装飾間の距離が類似している 冬胞子が表皮下に生じる 冬胞子のサイズの範囲が重なる 冬胞子の頂部および側部の壁が均一に厚い 本種と異なり夏胞子堆が葉の両面ではなく下面に生じる 本種と異なり夏胞子が球形~楕円形ではなく倒卵形~広楕円形 本種より冬胞子の頂部および側部の壁が厚い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melampsora epitea 中国に分布する(ただし当該種には多系統性が認められている) 同じヤナギ属植物を宿主とする 夏胞子のサイズの範囲が重なる 夏胞子が球形~楕円形 冬胞子が表皮下に生じる 冬胞子のサイズの範囲が重なる 冬胞子の頂部および側部の壁が均一に厚い 本種と異なり夏胞子堆が葉の両面ではなく下面に生じる 本種より夏胞子の刺の間の距離が小さい 本種と異なり冬胞子堆が葉の両面ではなく下面および両面に生じる(ただし当該種には多系統性が認められている) 本種より冬胞子の頂部および側部の壁が厚い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される