2014年11月19日 (仮訳)臨床試料由来のケカビ属2新種 Álvarez, E. et al., 2011. Two new species of Mucor from clinical samples. Medical Mycology. …. Available at: http://mmy.oxfordjournals.org/content/49/1/62.short [Accessed November 19, 2014]. 【R3-01296】2014/11/19投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 米国においてヒトの臨床試料から分離されたケカビ目菌類を検討し、Mucor velutinosusおよびM. ellipsoideusの2種を新種記載した。 両種は37℃で生育可能で、前者は胞子嚢胞子に疣状装飾を伴う点、後者は胞子嚢胞子が狭楕円形である点などで特徴づけられた。 両種はin vitroでアムホテリシンBに対して高い感受性を示し、一方でポサコナゾールおよびイトラコナゾールに対する感受性は低かった。 Connecticut, USA (新種) Mucor velutinosus E. Á lvarez, Stchigel, Cano, D. A. Sutton & Guarro 語源…ビロード状の(コロニー表面の性状より) ※本種はÁlvarez et al. (2009) においてMucor sp. 1と呼ばれていた種である。 【よく似た種との区別】 Mucor lusitanicus 臨床試料から分離される ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり胞子嚢胞子が球形・類球形・卵形・不規則形ではない ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mucor circinelloides 臨床試料から分離される ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で近縁 本種より胞子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり胞子嚢胞子が球形・類球形・卵形・不規則形ではなく楕円形 本種と異なり胞子嚢胞子が疣状ではなく平滑 ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mucor ramosissimus ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で近縁 本種より胞子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり胞子嚢胞子が疣状でない 本種と異なり37℃で生育不能 ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mucor plumbeus 臨床試料から分離される 胞子嚢柄がシンポジオ状に分枝する 胞子嚢胞子が球形 胞子嚢胞子が疣状 本種と異なり柱軸に1-数個の突起を有する 本種と異なり胞子嚢胞子の疣状装飾が粗いのではなく細かい 本種と異なり37℃で生育不能 ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mucor amphibiorum 臨床試料から分離される 胞子嚢柄がシンポジオ状に分枝する 胞子嚢胞子が球形 本種と異なり胞子嚢柄が繰り返し分枝するのではなく分枝しないかほとんど分枝しない 本種より胞子嚢柄の幅が狭い 本種より胞子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり胞子嚢胞子が疣状ではなく平滑 本種よりコロニーの背が高い 本種と異なり37℃で生育不能 ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mucor fuscus 胞子嚢柄がシンポジオ状に分枝する 胞子嚢胞子が球形 胞子嚢胞子に装飾を有する 本種より柱軸のサイズが大きい 本種と異なり柱軸が洋梨形 本種より胞子嚢のサイズが大きい 本種より胞子嚢胞子のサイズが僅かに小さい 本種と異なり胞子嚢胞子の装飾が粗い疣状ではなく微細な突起状 本種と異なり37℃で生育不能 ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Florida, USA (新種) Mucor ellipsoideus E. Á lvarez, Stchigel, Cano, D. A. Sutton & Guarro 語源…楕円形の(胞子嚢胞子の形状より) ※本種はÁlvarez et al. (2009) においてMucor sp. 2と呼ばれていた種である。 【よく似た種との区別】 Mucor amphibiorum 臨床試料から分離される ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で近縁 本種より胞子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり胞子嚢胞子が楕円形ではなく球形 本種と異なり37℃で生育しない ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mucor indicus 臨床試料から分離される 胞子嚢胞子が楕円形 37℃で生育、胞子形成可能 ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で近縁 本種より胞子嚢のサイズが小さい 本種より胞子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり胞子嚢胞子が狭楕円形ではなく球形~楕円形 本種と異なり42℃で生育可能 ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新学名) Mucor irregularis Stchigel, Cano, Guarro & Á lvarez 旧名:Rhizomucor variabilis var. variabilis R. Y. Zheng & G. Q. Chen 【よく似た種との区別】 Mucor lusitanicus 臨床試料から分離される 胞子嚢胞子の形状が非常に不規則 本種と異なり柱軸が不規則形ではなく球形 本種と胞子嚢胞子のサイズの範囲が異なる ITSおよびD1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される