(仮訳)ブラジルのセラードに産したSticta属2新種
Torres, J-M. et al., 2021. Two new species of Sticta (Peltigeraceae subfam. Lobarioideae) from the Brazilian Cerrado (Brazilian savanna). The Bryologist. Available at: https://bioone.org/journals/the-bryologist/volume-124/issue-4/0007-2745-124.4.506/Two-new-species-of-Sticta-Peltigeraceae-subfam-Lobarioideae-from-the/10.1639/0007-2745-124.4.506.short [Accessed November 13, 2021] 【R3-08961】2021/11/13投稿

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3行まとめ

ブラジル、マットグロッソ・ド・スル州で採集された2種の地衣を検討し、それぞれSticta cerradensisS. porellaとして新種記載した。
両種ともフィリディアを有し、前者は地衣体が円形で一次・二次トメンタを有し、後者は地衣体が不規則形で一次トメンタのみを有することなどで特徴づけられた。
両新種に形態的に類似する、フィリディアを有する本属地衣の形質比較表を作成した。
Brazil, Mato Grosso do Sul State, Alcinópolis municipality, Parque Estadual das Nascentes do Rio Taquari

(新種)

Sticta cerradensis T.D.Barbosa, J.-M.Torres, Kitaura & A.P.Lorenz
語源…セラード産の
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【よく似た種との区別】
Sticta densiphyllidiata
フィリディアを葉縁に生じる
共生藻がシアノバクテリアである
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくプエルトリコなどに分布する
本種と異なり地衣体が円形ではなく円形~不規則形
本種と異なり地衣体が”pleurotomic”に分枝するという特徴を欠く
本種と異なり地衣体上面が浅い小孔状である
本種と異なり裂片が扇形~舌状ではなく類円形
本種と異なり地衣体上面が平滑~皺状、無毛ではなく平滑無毛
本種と異なりフィリディアが葉縁ではなく通常葉央に生じる
本種と異なりフィリディアが分枝し珊瑚状ではなく分枝し珊瑚状~掌状
本種と異なり地衣体下面に一次・二次トメンタを有するという特徴を欠く
本種より盃点のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sticta phyllidiata
南米に分布する
フィリディアを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくコロンビアなどに分布する
本種と異なり地衣体上面が新鮮時灰色~暗オリーブ灰色で標本庫中では灰色~淡褐色、時に赤色を帯びる
本種と異なり裂片が扇形~舌状ではなく類円形
本種と異なり地衣体下面に一次・二次ではなく一次トメンタのみを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sticta riparia
地衣体が円形
フィリディアを葉縁に生じる
共生藻がシアノバクテリアである
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくプエルトリコなどに分布する
本種と異なり地衣体上面が平滑~皺状、無毛ではなく平滑無毛
本種より裂片のサイズが小さい
本種と異なり裂片が扇形~舌状ではなく類円形
本種と異なり地衣体下面が淡い帯灰褐色~暗褐色
本種と異なり地衣体下面に一次・二次ではなく一次トメンタのみを有する
本種と異なりフィリディアが分枝し珊瑚状ではなく分枝し掌状であり、時に裂芽状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sticta megapotamica
ブラジルに分布する
共生藻がシアノバクテリアである
本種と異なり地衣体が円形ではなく類円形~不規則形
本種と異なり裂片が扇形~舌状ではなく広い鋸歯状
本種より裂片の幅が広い
本種と異なり地衣体上面が平滑~皺状、無毛ではなく平滑~僅かに浅い小孔状、無毛
本種と異なり裂芽を有する
Sticta scabrosa
ブラジルに分布する
裂片が扇形~舌状
フィリディアを葉縁に生じる
共生藻がシアノバクテリアである
本種と異なりコロンビア、メキシコ、アルゼンチン、プエルトリコ、ドミニカ共和国における分布が知られている
本種と異なり地衣体が円形ではなく類円形~不規則形
本種と異なり地衣体上面が平滑~皺状、無毛ではなく不均一~若干浅い小孔状で、無毛または縁部にかけて疎らに浅孔を有する
本種と異なり地衣体縁部にシリアを有する
本種と異なりフィリディアが分枝し珊瑚状ではなく分枝し掌状~珊瑚状で時に幼時裂芽状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sticta beauvoisii
南米に分布する
地衣体が円形
裂片が扇形~舌状
地衣体下面に一次・二次トメンタを有する
シアノバクテリアが共生藻である
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなく米国、コロンビアなどに分布する
本種と異なり地衣体が円形ではなく不規則形~類円形
本種と異なり地衣体上面が平滑~皺状、無毛ではなく平滑~中央部が僅かに皺状で無毛
本種と異なり裂芽を有する
本種と異なり盃点のサイズが僅かに大きい
本種と異なり偽根が繊維状~束状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sticta leucoblephara
ブラジルに分布する
フィリディアが葉縁に生じる
フィリディアが分枝し珊瑚状
シアノバクテリアが共生藻である
本種と異なり地衣体が円形ではなく円形~不規則形
本種と異なり裂片が扇形~舌状ではなく広い鋸歯状
本種と異なり地衣体上面が平滑~皺状、無毛ではなく点状~”impressed”または類蜂窩状であり、中央部が時に波打ち、頂部にかけてのみ皺を有する
本種と異なりフィリディアが葉縁ではなく葉縁~葉央に生じる
本種と異なりシリアを有する
Sticta porella
ブラジルに分布する
フィリディアを葉縁に生じる
共生藻がシアノバクテリアである
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり樹皮生ではなく岩上生でコケに関連する
本種と異なり地衣体が円形ではなく不規則形
本種と異なり地衣体上面が平滑~皺状で無毛ではなく平滑無毛
本種と異なり裂芽が扇形~舌状ではなく鋸歯状~扇形
本種より盃点のサイズが小さい
本種と異なり地衣体下面に一次・二次トメンタではなく一次トメンタのみを有する
本種と異なりフィリディアが分枝し珊瑚状ではなく分枝するかしない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, Mato Grosso do Sul State, Alcinópolis municipality, Parque Estadual das Nascentes do Rio Taquari

(新種)

Sticta porella J.-M.Torres, T.D.Barbosa & Kitaura
語源…小さな孔の(盃点のサイズから)
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【よく似た種との区別】
Sticta phyllidiokunthii
地衣体が不規則形
地衣体下面が淡色で中央部にかけて暗色になる
裂片が鋸歯状~扇形
フィリディアを葉縁に生じる
シアノバクテリアが共生藻である
本種と異なり地衣体上面が平滑無毛ではなく平滑~微細孔状または縁部が浅い小孔状で無毛
本種と異なり地衣体下面が浅い小孔状~微細孔状でない
本種より盃点のサイズが大きい
本種と異なりフィリディアが分枝しないかするのではなく分枝し掌状
Sticta tainorum
地衣体上面が平滑無毛
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくプエルトリコなどに分布する
本種と異なり地衣体が不規則形ではなく円形~不規則形
本種と異なり地衣体上面が新鮮時緑色で標本庫中では帯緑灰色~黄褐色、縁部にかけて暗色になる
本種と異なり地衣体下面がクリーム色~淡褐色
本種と異なり裂片が鋸歯状~扇形ではではなく扇形~舌状
本種より盃点のサイズが大きい
本種と異なり小裂片を有する
本種と異なり共生藻がシアノバクテリアではなく緑藻である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sticta weigelii(トゲヨロイゴケ)
南米に分布する
裂片が鋸歯状~扇形
共生藻がシアノバクテリアである
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくコロンビアなどに分布する
本種と異なり地衣体が不規則形ではなく類円形~不規則形
本種と異なり地衣体上面が平滑無毛ではなく平滑~僅かに浅い小孔状、無毛
本種と異なり裂芽を有する
本種と異なり地衣体下面に二次トメンタを有する
本種より盃点のサイズが大きい
本種と異なり盃点が部分的に黄色
本種と異なり裂芽を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sticta scabrosa
ブラジルに分布する
フィリディアを葉縁に生じる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロンビア、メキシコ、アルゼンチン、プエルトリコ、ドミニカ共和国における分布が知られている
本種と異なり地衣体が不規則形ではなく類円形~不規則形
本種と異なり地衣体上面が新鮮時オリーブ色、乾燥時様々な程度で褐色を帯びる
本種と異なり地衣体上面が平滑無毛ではなく不均一~若干浅い小孔状、無毛または縁部にかけて疎らに浅孔を有する
本種と異なり裂片が鋸歯状~扇形ではではなく扇形~舌状
本種と異なり地衣体下面に一次・二次トメンタを有する
本種と異なりシリアを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sticta scabrosa subsp. hawaiiensis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくハワイに分布する
本種と異なり地衣体上面が新鮮時オリーブ色、乾燥時様々な程度で褐色を帯びる
本種と異なり地衣体下面に一次・二次トメンタを有する
本種と異なりシリアを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sticta jaguirreana
南米に分布する
フィリディアを有する
共生藻がシアノバクテリアである
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくコロンビアなどに分布する
本種と異なり地衣体上面が新鮮時帯青緑色
本種と異なりフィリディアが葉央に生じる
本種と異なりシリアを有する
本種と異なり”basal menbrane”の細胞に1つの乳頭突起を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sticta cerradensis
ブラジルに分布する
フィリディアを葉縁に生じる
共生藻がシアノバクテリアである
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり岩上生でコケに関連するのではなく樹皮生である
本種と異なり地衣体が不規則形ではなく円形
本種と異なり地衣体上面が平滑無毛ではなく平滑~皺状で無毛
本種と異なり裂芽が鋸歯状~扇形ではなく扇形~舌状
本種より盃点のサイズが大きい
本種と異なり地衣体下面に一次トメンタのみではなく一次・二次トメンタを有する
本種と異なりフィリディアが分枝するかしないのではなく分枝し珊瑚状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される