(仮訳)形態および分子データに基づくHeterobasidion insulare種複合体の2新種
Chen, J-J. et al., 2014. Two new species of the Heterobasidion insulare complex based on morphology and molecular data. Mycoscience. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1340354013001939 [Accessed October 22, 2016].
【R3-03405】2016/10/22投稿

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3行まとめ

ヒマラヤ山脈東部からHeterobasidion amyloideumおよびH. tibeticumの2新種を記載した。
分子系統解析の結果、両種ともH. insulare種複合体の系統に含まれ、かつそれぞれが独自の系統を形成した。
両種はともにH. insulare種複合体の他種とはシスチジアを有する点、肉に骨格菌糸を含む点などが異なっていた。
中国チベット自治区ニンティ市メンリン県南伊溝

(新種)

Heterobasidion amyloideum Y.C. Dai, Jia J. Chen & Korhonen
語源…アミロイドの(肉の骨格菌糸の呈色反応から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Heterobasidion insulare
同じHeterobasidion insulare種複合体に含まれる
子実体が一年生
孔壁が全縁
孔口面に輝きを欠く
担子胞子のQ値が類似している
実質の菌糸が強く錯綜し配向性を欠く
骨格菌糸の幅の範囲が重なる
本種と異なり子実体が帯灰色~暗色ではなくクリーム色~黄褐色
本種と異なり子実体縁部が鋭いのではなく鈍い
本種より管孔の最大長が長い
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり担子器が偽担子器と同長なのではなく偽担子器より僅かに長い
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり生殖菌糸が普通に見られるのではなく僅か
本種と異なり肉の菌糸がアミロイドではなく非アミロイド
Heterobasidion linzhiense
同じHeterobasidion insulare種複合体に含まれる
子実体が一年生
子実体縁部が鋭い
孔口面に輝きを欠く
担子器が偽担子器と同長
担子胞子のQ値が類似している
実質の菌糸が錯綜し配向性を欠く
生殖菌糸が普通に見られる
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が帯灰色~暗色ではなくクリーム色~帯赤色
本種より管孔の最大長が長い
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり孔壁が全縁ではなく全縁または裂ける
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり肉の菌糸がアミロイドではなく非アミロイド
本種より骨格菌糸の最大幅が広い
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Heterobasidion orientale(レンガタケ)
子実体が一年生
子実体縁部が鋭い
孔口面に輝きを欠く
骨格菌糸の幅の範囲が重なる
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が帯灰色~暗色ではなく帯赤色
本種より管孔の最大長が長い
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり孔壁が全縁ではなく裂けるかIrpex
本種と異なり担子器が偽担子器と同長なのではなく偽担子器より顕著に長い
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり実質の菌糸が強く錯綜し配向性を欠くのではなく管孔に沿って緩く平行に配列する
本種と異なり生殖菌糸が普通に見られるのではなく僅か
本種と異なり肉の菌糸がアミロイドではなく非アミロイド
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Heterobasidion ecrustosum
同じHeterobasidion insulare種複合体に含まれる
子実体が一年生
孔口面に輝きを欠く
担子器が偽担子器と同長
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子のQ値が類似している
生殖菌糸が普通に見られる
骨格菌糸の幅の範囲が重なる
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が帯灰色~暗色ではなく淡黄褐色
本種と異なり子実体縁部が鋭いのではなく鈍い
本種より管孔の最大長が長い
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり孔壁が全縁ではなく全縁または裂ける
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり実質の菌糸が強く錯綜し配向性を欠くのではなく錯綜するが配向性を持つ
本種と異なり肉の菌糸がアミロイドではなく非アミロイド
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Heterobasidion australe
同じHeterobasidion insulare種複合体に含まれる
孔口のサイズの範囲が重なる
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子のQ値が類似している
生殖菌糸が普通に見られる
骨格菌糸の幅の範囲が重なる
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が一年生ではなく一年生~多年生
本種と異なり子実体が帯灰色~暗色ではなくクリーム色~帯赤褐色
本種と異なり子実体縁部が鋭いのではなく鈍い~鋭い
本種より管孔の最大長が長い
本種と異なり孔壁が全縁ではなく全縁または裂ける
本種と異なり孔口面に輝きを有する
本種と異なり担子器が偽担子器と同長なのではなく偽担子器より長い
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり実質の菌糸が強く錯綜し配向性を欠くのではなく錯綜するが配向性を持つ
本種と異なり肉の菌糸がアミロイドではなく非アミロイド
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Heterobasidion tibeticum
同じHeterobasidion insulare種複合体に含まれる
チベット自治区に分布する
裸子植物を宿主とする
孔口のサイズの範囲が重なる
孔口面に輝きを欠く
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子のQ値が類似している
シスチジアを有する
実質の菌糸が強く錯綜し配向性を欠く
生殖菌糸が肉において普通に見られる
肉の菌糸がアミロイド
骨格菌糸の幅の範囲が重なる
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が一年生ではなく多年生
本種と異なり子実体が帯灰色~暗色ではなく帯赤色~帯褐色
本種と異なり子実体縁部が鋭いのではなく鈍い
本種より管孔の最大長が長い
本種と異なり孔壁が全縁ではなく全縁または裂ける
本種と異なり担子器が偽担子器と同長なのではなく偽担子器より長い
本種と異なり担子器が棍棒形~アンプル状ではなく短棍棒形~樽形
本種と異なり担子器の中ほどに時に1隔壁を生じるという特徴を欠く
本種と異なり殻皮の菌糸がほとんどの場合帯黄色~褐色なのではなくほとんどの場合無色
本種と異なり殻皮の菌糸が厚壁~”subsolid”ではなく薄壁~厚壁で顕著なルーメンを有する
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国チベット自治区ニンティ市八一鎮

(新種)

Heterobasidion tibeticum Y.C. Dai, Jia J. Chen & Korhonen
語源…チベットの
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Heterobasidion insulare
同じHeterobasidion insulare種複合体に含まれる
管孔の最大長が類似している
孔口面に輝きを欠く
担子器が偽担子器より長い
担子胞子のQ値が類似している
実質の菌糸が強く錯綜し配向性を欠く
骨格菌糸の幅の範囲が重なる
本種と異なり子実体が多年生ではなく一年生
本種と異なり子実体が帯赤色~帯褐色ではなくクリーム色~黄褐色
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり孔壁が全縁または裂けるのではなく全縁
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり生殖菌糸が普通に見られるのではなく僅か
本種と異なり肉の菌糸がアミロイドではなく非アミロイド
Heterobasidion linzhiense
同じHeterobasidion insulare種複合体に含まれる
管孔の最大長が類似している
孔壁が全縁または裂ける
孔口面に輝きを欠く
担子胞子のQ値が類似している
実質の菌糸が錯綜し配向性を欠く
生殖菌糸が普通に見られる
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が多年生ではなく一年生
本種と異なり子実体が帯赤色~帯褐色ではなくクリーム色~帯赤色
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり担子器が偽担子器より長いのではなく偽担子器と同長
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり肉の菌糸がアミロイドではなく非アミロイド
本種より骨格菌糸の最大幅が広い
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Heterobasidion orientale(レンガタケ)
管孔の最大長が類似している
孔口面に輝きを欠く
担子器が偽担子器より長い
骨格菌糸の幅の範囲が重なる
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が多年生ではなく一年生
本種と異なり子実体が帯赤色~帯褐色ではなく帯赤色
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり孔壁が全縁または裂けるのではなく裂けるかIrpex
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり実質の菌糸が強く錯綜し配向性を欠くのではなく管孔に沿って緩く平行に配列する
本種と異なり生殖菌糸が普通に見られるのではなく僅か
本種と異なり肉の菌糸がアミロイドではなく非アミロイド
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Heterobasidion ecrustosum
同じHeterobasidion insulare種複合体に含まれる
孔壁が全縁または裂ける
孔口面に輝きを欠く
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子のQ値が類似している
生殖菌糸が普通に見られる
骨格菌糸の幅の範囲が重なる
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が多年生ではなく一年生
本種と異なり子実体が帯赤色~帯褐色ではなく淡黄褐色
本種より管孔の最大長が長い
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり担子器が偽担子器より長いのではなく偽担子器と同長
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり実質の菌糸が強く錯綜し配向性を欠くのではなく錯綜するが配向性を持つ
本種と異なり肉の菌糸がアミロイドではなく非アミロイド
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Heterobasidion australe
同じHeterobasidion insulare種複合体に含まれる
管孔の最大長が類似している
孔口のサイズの範囲が重なる
孔壁が全縁または裂ける
担子器が偽担子器より長い
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子のQ値が類似している
生殖菌糸が普通に見られる
骨格菌糸の幅の範囲が重なる
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が多年生ではなく一年生~多年生
本種と異なり子実体が帯赤色~帯褐色ではなくクリーム色~帯赤褐色
本種と異なり孔口面に輝きを有する
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり実質の菌糸が強く錯綜し配向性を欠くのではなく錯綜するが配向性を持つ
本種と異なり肉の菌糸がアミロイドではなく非アミロイド
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Heterobasidion amyloideum
同じHeterobasidion insulare種複合体に含まれる
チベット自治区に分布する
裸子植物を宿主とする
孔口のサイズの範囲が重なる
孔口面に輝きを欠く
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子のQ値が類似している
シスチジアを有する
実質の菌糸が強く錯綜し配向性を欠く
生殖菌糸が肉において普通に見られる
肉の菌糸がアミロイド
骨格菌糸の幅の範囲が重なる
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が多年生ではなく一年生
本種と異なり子実体が帯赤色~帯褐色ではなく帯灰色~暗色
本種より管孔の最大長が短い
本種と異なり孔壁が全縁または裂けるのではなく全縁
本種と異なり担子器が偽担子器より長いのではなく偽担子器と同長
本種と異なり担子器が短棍棒形~樽形ではなく棍棒形~アンプル状
本種と異なり担子器の中ほどに時に1隔壁を生じる
本種と異なり殻皮の菌糸がほとんどの場合無色なのではなくほとんどの場合帯黄色~褐色
本種と異なり殻皮の菌糸が薄壁~厚壁で顕著なルーメンを有するのではなく厚壁~”subsolid”
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される