(仮訳)新熱帯産のTulostoma属2新種
Lima, A. et al. 2023. Two new species of Tulostoma (Agaricales, Basidiomycota) from the Neotropics. Turkish Journal of Botany. Available at: https://journals.tubitak.gov.tr/cgi/viewcontent.cgi?article=2777&context=botany [Accessed October 1, 2023] 【R3-11020】2023/10/1投稿

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3行まとめ

ブラジル、ペルナンブーコ州のカーチンガ・バイオームからTulostoma catimbauenseおよびT. deltaconcavumの2新種を記載した。
前者は口が明確な管状、担子胞子の装飾が粗い網目状で油滴を含み、短い嘴状突起を有することなどで特徴づけられた。
後者は外皮が褐色膜状で鱗片化し、口が円形、柄に条線を有し、担子胞子にSEM下で凹んだ三角形の刺状装飾を認めることなどで特徴づけられた。
Brazil, Pernambuco, Buíque, Vale do Catimbau National Park (Breu)

(新種)

Tulostoma catimbauense A.A. Lima, Accioly, Baseia & M.P. Martín
語源…(ヴァレ・ド・)カティンバウ産の
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【よく似た種との区別】
Tulostoma reticulatum
形態的に類似している(混同されることがある)
口が明瞭である
担子胞子表面が粗い網目状
本種と異なり外皮が凹んだ球形
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり担子胞子に嘴状突起を欠く
Tulostoma amnicola
口が管状
外皮が菌糸からなる
本種と異なり担子胞子表面がSEM下で平滑またはほぼ平滑
Tulostoma brevistipitatum
口が管状
外皮が菌糸からなる
本種と異なり担子胞子表面がSEM下で平滑またはほぼ平滑
Tulostoma nanum
口が管状
外皮が菌糸からなる
本種と異なり担子胞子が粗面
Tulostoma exasperatosporum
口が管状
担子胞子表面が網目状
本種と異なり外皮が膜状
Tulostoma clathrosporum
口が管状
担子胞子表面が網目状
本種と異なり外皮が膜状
Tulostoma exasperatum
本種と異なり口が繊維状~長縁毛状
本種と異なり外皮表面が疣状~刺状
Tulostoma opacum
本種と異なり口が繊維状
本種と異なり外皮が膜状
本種と異なり外皮表面が平滑
Tulostoma rickii
本種と異なり口が繊維状
本種と異なり外皮が膜状
本種と異なり外皮表面が平滑
Tulostoma cyclophorum
担子胞子表面がやや網目状
本種と異なり口が繊維状
本種と異なり外皮を”mycoesclereids”が覆う
Tulostoma fimbriatum(アラナミケシボウズタケ)
担子胞子表面がやや網目状
本種と異なり口が繊維状
Tulostoma squamosum(ウロコケシボウズタケ)
担子胞子表面がやや網目状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくインド、フランス、北欧、スロバキア、パキスタン、北マケドニアなどに分布する
本種と異なり外皮が膜状
本種と異なり外皮表面が疣状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, Pernambuco, Buíque, Vale do Catimbau National Park (Breu)

(新種)

Tulostoma deltaconcavum A.A. Lima, Accioly, Baseia & M.P. Martín
語源…三角形の凹みの(担子胞子の装飾から)
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【よく似た種との区別】
Tulostoma rufum
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなく米国などに分布する
本種と異なり外皮が菌糸からなる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tulostoma calcareum
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくハンガリー、スウェーデンなどに分布する
本種と異なり外皮が菌糸からなる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tulostoma melanocyclum
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくスウェーデン、ロシア、ハンガリー、フランス、イギリス、マケドニアなどに分布する
本種と異なり外皮が菌糸からなる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tulostoma squamosum(ウロコケシボウズタケ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくインド、フランス、北欧、スロバキア、パキスタン、北マケドニアなどに分布する
本種と異なり担子胞子の装飾がSEM下で盛んに吻合した疣からなる畝状であるが、より小さな疣と混在する柱状のものもある
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tulostoma subsquamosum
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくスペイン、トルコ、ハンガリー、北マケドニアなどに分布する
本種と異なり担子胞子の装飾がSEM下で鶏冠が吻合した迷路状でありその間に類似の疣を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tulostoma bruchii
形態的に類似している(混同のおそれがある)
外皮が膜状
口が円形
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子の装飾がSEM下で結合して隆起をなす大小の疣状である
Tulostoma dennisii
新熱帯に分布する
口が明確である
担子胞子表面が粗い疣状~刺状
本種と異なり外皮表面が疣状
本種と異なり担子胞子のSEM下での装飾が吻合し鶏冠状をなす柱形である
Tulostoma dumeticola
新熱帯に分布する
口が明確である
担子胞子表面が粗い疣状~刺状
本種と異なり担子胞子のSEM下での装飾盛んに吻合してほぼ網目状、非常に不規則形、または孔のある格子状をなすペグ様刺状
Tulostoma pusillum
新熱帯に分布する
口が明確である
担子胞子表面が粗い疣状~刺状
本種と異なり担子胞子のSEM下での装飾が大型の円錐形または角錐形の刺状である
Tulostoma brumale(ケシボウズタケ)
形態的に類似している(当初この種に同定された)
本種と異なり孔縁盤が暗色
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子表面が疎らな疣状
本種と異なり弾糸が褐色である
本種と異なり弾糸が隔壁部分で急に膨大する
本種と異なり弾糸に結晶を伴う