(仮訳)Xanthagaricus属2新種およびアジア産Heinemannomyces属菌について
Hosen, MI. et al., 2017. Two new species of Xanthagaricus and some notes on Heinemannomyces from Asia. Mycokeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/21029/ [Accessed December 9, 2017].
【R3-04649】2017/12/9投稿

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3行まとめ

中国およびバングラデシュで採集された菌を検討し、それぞれXanthagaricus flavosquamosusおよびX. necopinatusとして新種記載した。
両種とも子実体が黄色で、前者は担子胞子が疣状で縁シスチジアが短棍棒形、後者は縁シスチジアが棍棒形~狭棍棒形、担子胞子表面が小皺状粗面であることなどで特徴づけられた。
また、中国新産種としてHeinemannomyces splendidissimusを報告し、Xanthagaricus属菌の検索表を掲載した。
中国江西省九龍江森林公園

(新種)

Xanthagaricus flavosquamosus T.H. Li, Iqbal Hosen & Z.P. Song
語源…黄色の鱗片の(傘表面の鱗片から)
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【よく似た種との区別】
Xanthagaricus epipastus
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子表面が疣状でない
本種と異なり縁シスチジアが短棍棒形でない
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xanthagaricus subepipastus
本種と異なり中国ではなくインドなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子表面が疣状でない
本種と異なり縁シスチジアが短棍棒形でない
Xanthagaricus necopinatus
肉眼的形態が類似している(混同のおそれがある)
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくバングラデシュに分布する
本種より子実体が僅かに濃色
本種より傘表面の小鱗片が密に配列する
本種より傘表面の小鱗片のサイズが小さい
本種と異なりつばを有する
本種より担子胞子のサイズが比較的小さい
本種と異なり担子胞子表面が皺状ではなくSEM下で小皺状粗面
本種と異なり縁シスチジアが短棍棒形ではなく棍棒形~狭棍棒形
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xanthagaricus taiwanensis
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく台湾などに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり傘が黄褐色
本種と異なり傘表面の小鱗片が褐黒色
本種と異なり襞が桃色で帯灰桃色になる
本種と異なりつばを有する
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり担子胞子表面が皺状ではなく平滑
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xanthagaricus caeruleus
中国に分布する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面の小鱗片が鈍淡紫色~帯灰淡紫色または帯灰紫色
本種と異なり襞が白色から淡青色~帯黒青色になる
本種より担子胞子のサイズが比較的大きい
本種と異なり担子胞子表面が皺状ではなく平滑
本種と異なり傘表皮に結晶を含まない
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Bangladesh, Dhaka Division, Sher-e-Bangla Nagar, Chondrima Uddan

(新種)

Xanthagaricus necopinatus Iqbal Hosen, T.H. Li, & G.M. Gates
語源…予期せぬ(コンクリートの壁に生じたことから)
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【よく似た種との区別】
Xanthagaricus flavosquamosus
肉眼的形態が類似している(混同のおそれがある)
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりバングラデシュではなく中国に分布する
本種より子実体が僅かに淡色
本種ほど傘表面の小鱗片が密に配列しない
本種より傘表面の小鱗片のサイズが大きい
本種と異なりつばを欠く
本種より担子胞子のサイズが比較的大きい
本種と異なり担子胞子表面がSEM下で小皺状粗面ではなく皺状
本種と異なり縁シスチジアが棍棒形~狭棍棒形ではなく短棍棒形
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xanthagaricus pakistanicus
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりバングラデシュではなくパキスタンなどに分布する
本種と異なり傘が黄色、鮮黄色、トウモロコシ色、淡オリーブ黄色~淡褐色ではなく淡橙黄色~橙黄色
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が球形~類球形
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xanthagaricus epipastus
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりバングラデシュではなくタイなどに分布する
本種と異なり傘が黄色、鮮黄色、トウモロコシ色、淡オリーブ黄色~淡褐色ではなくオリーブ黄色~帯オリーブ色
本種より担子胞子の幅が僅かに広い
本種より担子胞子のQ値が小さい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xanthagaricus subepipastus
本種と異なりバングラデシュではなくインドなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが比較的大きい
本種と異なり縁シスチジアが棍棒形~狭棍棒形ではなく瓶形
Xanthagaricus viridulus
本種と異なりバングラデシュではなくインドなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが比較的大きい
本種と異なり縁シスチジアが棍棒形~狭棍棒形ではなく瓶形~棍棒形
Xanthagaricus ochraceoluteus
本種と異なり襞が帯黄白色~帯桃白色、淡い帯褐灰色ではなくオリーブ黄褐色
本種と異なり襞が離生ではなく上生する
本種と異なりつばを欠く
本種と異なりシスチジアの形態が多様

(中国新産種)

Heinemannomyces splendidissimus Watling
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