(仮訳)韓国において栽培マンネンタケに”yellow rot”を引き起こす病原性子嚢菌の新種、Xylogone ganodermophthora
Kang, H-J. et al., 2010. Xylogone ganodermophthora sp. nov., an ascomycetous pathogen causing yellow rot on cultivated mushroom Ganoderma lucidum in Korea. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/102/5/1167.short [Accessed August 19, 2016].
【R3-03214】2016/08/19投稿

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3行まとめ

韓国におけるマンネンタケ栽培の重要な病害、”yellow rot”の病原菌 (YRP) を検討し、Xylogone ganodermophthoraとして新種記載した。
本種は分子系統解析でX. sphaerosporaと同一のクレードに含まれたが、ズキンタケ綱における位置づけは確定されなかった。
これに伴い、アナモルフのArthrographis cuboideaに対して新組み合わせScytalidium cuboideumを提唱し、X. sphaerosporaのアナモルフをScytalidium sphaerosporumとして新種記載した。
韓国京畿道楊平郡

(新種)

Xylogone ganodermophthora Kang, Sigler, Lee & Yun
語源…マンネンタケ属を食べる
※本種のアナモルフScytalidium ganodermophthorum Kang, Sigler, Lee & Yunも併せて新種記載した。
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【よく似た種との区別】
Xylogone sphaerospora
韓国に分布する
マンネンタケ栽培の原木に生息する
テレオモルフ、アナモルフともに形態的に非常に類似している(この種に誤同定されていた)
分生子の離脱様式が裂開性
栄養菌糸の幅の範囲が類似している
PDA培地での生長速度が類似している
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスウェーデン、オーストラリアなどにおける分布が知られている
本種と異なりマンネンタケに対する病原性が認められない
本種と異なりマツ属、カバノキ属、トウヒ属などのウッドチップなどに生息する
本種より子嚢果の直径が小さい
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり分節分生子が断片化せず短い鎖状のまま留まる傾向がある
本種より分節分生子が長い
本種と異なり厚壁胞子を形成する
本種と異なりPDA培地でのコロニーが暗黄色ではなく橙白色
本種と異なりPDA培地でのコロニーが羊毛状ではなく平らなフェルト状
本種と異なりPDA培地での水溶性色素が帯褐黄色ではなく橙褐色
本種と異なりnrSSUにグループIイントロンを欠く
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Scytalidium cuboideum
他の菌の子実体やコナラ属植物の材に生息することがある
形態的に類似している(この種に誤同定されていた)
分節分生子のサイズの範囲が重なる
分生子の離脱様式が裂開性
厚壁胞子を形成しない
栄養菌糸の幅の範囲が類似している
PDA培地での生長速度が類似している
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカ、フランス、日本、米国などにおける分布が知られている
本種と異なりストローブマツなどの材に生息することがある
本種と異なりマンネンタケに対する病原性が認められない
本種と異なりPDA培地でのコロニーが暗黄色ではなく橙白色~帯褐橙色
本種と異なりPDA培地でのコロニーが羊毛状ではなく粉状~羊毛状
本種と異なりPDA培地での水溶性色素が帯褐黄色ではなく帯赤黄金色
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Scytalidium lignicola
分生子の離脱様式が裂開性
栄養菌糸の幅の範囲が類似している
PDA培地での生長速度が類似している
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり韓国ではなくイタリアなどに分布する
本種と異なりスズカケノキ属植物などを宿主とする
本種と異なりマンネンタケに対する病原性が認められない
本種より分節分生子が長い
本種より分節分生子の幅が狭い
本種と異なり厚壁胞子を形成する
本種と異なりPDA培地でのコロニーが暗黄色ではなく淡橙色~帯灰橙色
本種と異なりPDA培地でのコロニーが羊毛状ではなくフェルト状
本種と異なりPDA培地での水溶性色素が帯褐黄色ではなく橙色
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sporendonema purpurascens
厚壁胞子を形成しない
PDA培地でのコロニーが羊毛状
本種と異なり韓国ではなくイギリス、フランスなどに分布する
本種と異なりマンネンタケに対する病原性が認められない
本種と異なり土壌、堆肥などに生息する
本種より分節分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子の離脱様式が裂開性ではなく破裂性
本種と異なり”separating cell”を有する
本種より栄養菌糸の幅が広い
本種と異なりPDA培地でのコロニーが暗黄色ではなく鈍赤色
本種と異なりPDA培地での水溶性色素が帯褐黄色ではなく鈍赤色
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Scytalidium cuboideum (Sacc. & Ellis) Sigler & Kang
旧名:Arthrographis cuboidea (Sacc. & Ellis) Sigler
(基礎異名はOospora cuboidea Sacc. & Ellis)
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【よく似た種との区別】
Xylogone ganodermophthora
他の菌の子実体やコナラ属植物の材に生息することがある
形態的に類似している(この種に誤同定されていた)
分節分生子のサイズの範囲が重なる
分生子の離脱様式が裂開性
厚壁胞子を形成しない
栄養菌糸の幅の範囲が類似している
PDA培地での生長速度が類似している
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカ、フランス、日本、米国などにおける分布が知られていない
本種と異なりストローブマツなどの材に生息することがあるという特徴を欠く
本種と異なりマンネンタケに対する病原性が認められる
本種と異なりPDA培地でのコロニーが橙白色~帯褐橙色ではなく暗黄色
本種と異なりPDA培地でのコロニーが粉状~羊毛状ではなく羊毛状
本種と異なりPDA培地での水溶性色素が帯赤黄金色ではなく帯褐黄色
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Xylogone sphaerospora Arx & T. Nilsson
※本種のアナモルフをScytalidium sphaerosporum Sigler & Kangとして新種記載した。
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【よく似た種との区別】
Xylogone ganodermophthora
韓国に分布する
マンネンタケ栽培の原木に生息する
テレオモルフ、アナモルフともに形態的に非常に類似している(この種に誤同定されていた)
分生子の離脱様式が裂開性
栄養菌糸の幅の範囲が類似している
PDA培地での生長速度が類似している
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスウェーデン、オーストラリアなどにおける分布が知られていない
本種と異なりマンネンタケに対する病原性が認められる
本種と異なりマツ属、カバノキ属、トウヒ属などのウッドチップなどに生息するという特徴を欠く
本種より子嚢果の直径が大きい
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり分節分生子が短い鎖状のまま留まる傾向があるのではなく断片化する
本種より分節分生子が短い
本種と異なり厚壁胞子を形成しない
本種と異なりPDA培地でのコロニーが橙白色ではなく暗黄色
本種と異なりPDA培地でのコロニーが平らなフェルト状ではなく羊毛状
本種と異なりPDA培地での水溶性色素が橙褐色ではなく帯褐黄色
本種と異なりnrSSUにグループIイントロンを有する
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Scytalidium lignicola Pesante
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【よく似た種との区別】
Xylogone ganodermophthora
分生子の離脱様式が裂開性
栄養菌糸の幅の範囲が類似している
PDA培地での生長速度が類似している
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイタリアなどにおける分布が知られていない
本種と異なりスズカケノキ属植物などを宿主とするという特徴を欠く
本種と異なりマンネンタケに対する病原性が認められる
本種より分節分生子が短い
本種より分節分生子の幅が広い
本種と異なり厚壁胞子を形成しない
本種と異なりPDA培地でのコロニーが淡橙色~帯灰橙色ではなく暗黄色
本種と異なりPDA培地でのコロニーがフェルト状ではなく羊毛状
本種と異なりPDA培地での水溶性色素が橙色ではなく帯褐黄色
ITS、nrLSU、RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される