(仮訳)中国北西部産のハラタケ属Bivelares節の新種、Agaricus taeniatus
Li, S-F. et al., 2014. Agaricus taeniatus sp. nov., a new member of Agaricus sect. Bivelares from northwest China. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/mtax/mt/2014/00000129/00000001/art00022 [Accessed June 25, 2016].
【R3-03051】2016/06/26投稿

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3行まとめ

中国北西部の甘粛省、祁連山脈において採集された菌を検討し、Agaricus taeniatusとして新種記載した。
本種は柄表面に帯状の被膜の名残を有し、つばが永続性で、担子器および担子胞子が大型であることなどで特徴づけられた。
分子系統解析では本種は、BivelaresHortenses亜節クレードにおいて独自の系統を形成した。
中国甘粛省張掖市民楽県海潮壩

(新種)

Agaricus taeniatus Sai F. Li, Shao J. Li & H.A. Wen
語源…リボンを巻かれた(柄に被膜の名残を有する様子から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Agaricus subsubensis
傘が帯褐色
柄表面に薄いつば状の被膜の名残を列状に有する
子実体が傷つくと赤変する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より柄のサイズが小さい
本種ほど柄ががっしりとしていない
本種と異なりつばが不明瞭
本種よりつばの幅がずっと狭い
本種より担子器が長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Agaricus bitorquis
同じBivelares節に含まれる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面が小鱗片状ではなく平滑
本種と異なりつばが単一ではなく二重
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Agaricus devoniensis
同じBivelares節に含まれる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面が小鱗片状ではなく平滑
本種と異なりつばが単一ではなく二重
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Agaricus bisporus(ツクリタケ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子器が4胞子性でない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Agaricus cupressophilus
本種より傘のサイズが小さい
本種より柄が短い
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より縁シスチジアが短い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(Hortenses亜節ではなくCupressorum亜節クレードに含まれる)
Agaricus devoniensis subsp. bridghamii
本種より傘のサイズが小さい
本種より柄が短い
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より縁シスチジアが短い
Agaricus subperonatus
傘の形態が類似している
柄に横方向の帯を有する
本種よりつばの幅が狭い
本種と異なりつばが単一ではなく二重
本種と異なりつばの下面が繊維状~羊毛状ではなく僅かに繊維状
Agaricus maleolens
同じHortenses亜節に含まれる
本種と異なり柄表面に帯状の被膜の名残を有するのではなく僅かに黄褐色の斑点をあらわすほか、基部にかけて小型の黄褐色の小鱗片を有する
Agaricus subfloccosus
同じHortenses亜節に含まれる
本種と異なり柄表面に帯状の被膜の名残を有するのではなく無毛で疎らに羊毛状の被膜の名残を伴う
Agaricus agrinferus
同じHortenses亜節に含まれる
本種と異なり柄表面に帯状の被膜の名残を有するのではなく無毛~微細な羊毛状で時に下部にかけて繊維状の領域を生じる
Agaricus tlaxcalensis
同じHortenses亜節に含まれる
本種と異なり柄表面に帯状の被膜の名残を有するのではなく縦方向の繊維状および絹状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(Hortenses亜節ではなくCupressorum亜節クレードに含まれる)
Agaricus cupressicola
本種と異なりBivelares節ではなく別の節に含まれる
本種より子実体のサイズがずっと小さい
本種と異なりつばが薄い
本種と異なりつばの下面が繊維状~羊毛状ではなくほぼ平滑
本種と異なり肉が比較的強く赤変する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(Hortenses亜節ではなくCupressorum亜節クレードに含まれる)
Agaricus subedulis
本種より担子器が短い
本種より縁シスチジアの幅が広い
本種と異なり縁シスチジアが不規則形で末端が狭窄する