(仮訳)Splendentes節の新種、Inocybe castaneicolor
La Rosa, A. et al., 2017. Inocybe castaneicolor (Agaricales, Basidiomycota), a new species in section Splendentes. Phytotaxa. Available at: https://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.316.1.8 [Accessed March 14, 2020] 【R3-07138】2020/3/16投稿

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3行まとめ

イタリア、シチリア島の森林においてコルクガシの樹下に生じた菌を検討し、Inocybe castaneicolorとして新種記載した。
本種は傘が栗褐色で明瞭な中丘を有し、担子胞子が類扁桃形~類舟形、シスチジアが類紡錘形であることなどで特徴づけられた。
本種のITS配列はオーストリア産のI. pseudoreductaと同定された標本由来の配列とグループを形成し、ポーランドからの環境配列とも同一であった。
Italy, Sicily, Caltanissetta, Sughereta di Niscemi

(新種)

Inocybe castaneicolor La Rosa, Bizio, Saitta & Tedersoo
語源…栗色の(傘の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Inocybe tjallingiorum
イタリアに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスウェーデンにおける分布が知られている
本種と異なり子実体の形状が細長い
本種と異なり傘表面に被膜を伴う
本種と異なり柄が幼時白色という特徴を欠く
本種と異なり柄基部の塊茎に顕著な縁取りを有するという特徴を欠く
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種よりシスチジアが短い
本種と異なりシスチジアに微結晶を伴わない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe pseudoreducta(カブラトマヤタケ)
イタリアに分布する
同じブナ科植物を宿主とする
襞縁部が類白色
襞の間隔が密
柄基部が縁取りのある塊茎状
傘肉が白色
柄基部の肉が白色
クモの巣膜を欠く
担子器が4胞子性
子実層シスチジアが豊富
子実層シスチジアのサイズの範囲が重なる
子実層シスチジアがNH3無色
子実層シスチジアの壁厚が類似している
パラシスチジアが豊富
パラシスチジアが棍棒形
パラシスチジアが無色
パラシスチジアが薄壁
柄シスチジアの形態が子実層シスチジアに類似している
柄シスチジアが常に柄パラシスチジアと混じる
本種と異なりドイツ、スイス、チェコにおける分布が知られている
本種と異なり宿主がコルクガシではなくトウヒ属、ブナ属植物である
本種より傘の最大直径が大きい
本種と異なり傘が栗褐色ではなく黄褐色~暗褐赤色
本種と異なり傘に目立つ中丘を有するという特徴を欠く
本種と異なり傘縁部が繊維状~亀裂状ではなく僅かに羊毛状、繊維状
本種と異なり襞が上生ではなく直生する
本種と異なり襞が類白色~灰色~帯粘土ベージュ色で老成するとさび色を帯びるのではなく淡色~黄褐色
本種より柄の最大サイズが大きい
本種と異なり柄が類白蝋色で老成すると肉色なのではなく淡赤褐色で基部が白色
本種と異なり柄が円筒形ではなく先細りになる
本種と異なり柄表面全体が粉状なのではなく下部にかけて少なくなる粉状
本種と異なり柄の基部以外の肉が白色ではなく淡赤褐色
本種と異なり子実体に精子臭ではなく酸っぱい臭いがある
本種より担子器の幅が狭い
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なり担子胞子の大部分が類舟形なのではなく卵状~扁桃形または類扁桃形で頂部が類円錐形
本種と異なり子実層シスチジアが便腹状類紡錘形ではなく紡錘形~便腹状紡錘形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe phaeoleuca
イタリアに分布する
襞が上生する
襞縁部が類白色
襞の間隔が密
肉が白色
肉が繊維質
クモの巣膜を欠く
担子器のサイズの範囲が重なる
担子器が4胞子性
子実層シスチジアが豊富
子実層シスチジアのサイズの範囲が重なる
子実層シスチジアがNH3無色
子実層シスチジアの壁厚が類似している
パラシスチジアが豊富
パラシスチジアが無色
パラシスチジアが薄壁
柄シスチジアの形態が子実層シスチジアに類似している
柄シスチジアが常に柄パラシスチジアと混じる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりハンガリー、スウェーデンにおける分布が知られている
本種と異なり宿主がコルクガシではなく広葉樹、稀に針葉樹である
本種より傘の最大直径が大きい
本種と異なり傘が栗褐色ではなく赤褐色、帯褐色
本種と異なり傘に目立つ中丘を有するのではなく凸形で僅かに中高
本種と異なり傘表面に早落性の被膜を有する
本種と異なり襞が類白色~灰色~帯粘土ベージュ色で老成するとさび色を帯びるのではなく淡ベージュ色~灰色
本種より柄の最大サイズが大きい
本種と異なり柄が類白蝋色で老成すると肉色なのではなく白色、のちに蝋色で肉色を帯びず、基部が時に暗褐色
本種と異なり柄が円筒形で塊茎状なのではなく円筒形、棍棒形または類塊茎状
本種と異なり子実体に精子臭ではなく僅かに酸っぱい臭いかペラルゴニウム臭がある
本種より担子胞子が短い
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なり担子胞子が類扁桃形~類舟形で頂部が類円錐形なのではなく類扁桃形で頂部が類円錐形
本種と異なり子実層シスチジアが便腹状類紡錘形ではなく紡錘形~便腹状紡錘形
本種と異なりパラシスチジアが棍棒形ではなく有柄球状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe leiocephala(キヌハダクロトマヤタケ)
ヨーロッパに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりノルウェー、エストニア、米国、スウェーデン、グリーンランドなどにおける分布が知られている
本種と異なり柄が幼時白色という特徴を欠く
本種と異なり柄基部の塊茎に顕著な縁取りを有するという特徴を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される