2024年3月15日 (仮訳)菌類学的調査によりパキスタン、パンジャーブ州の半乾燥気候地域からLepiota属2新種が明らかになった Asif, M. et al. 2024. Mycological surveys reveal two new species of genus Lepiota (Agaricaceae) from the semi‑arid climatic region of Punjab, Pakistan. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-024-01958-0 [Accessed March 15, 2024] 【R3-11519】2024/3/15投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ パキスタン、パンジャーブ州の半乾燥地域で採集された2種の菌を検討し、それぞれLepiota aurantiopilea、L. bahawalnagarensisとして新種記載した。 前者は傘が黄橙色~橙色で帯赤褐色の中丘を有し、つばを欠き、縁シスチジアを有し、傘表皮が子実層状被であることなどで特徴づけられた。 後者は傘が淡い帯灰褐色で暗い帯灰褐色~帯赤褐色の中丘を有し、柄が淡黄色、つばを有し、傘表皮が子実層状被、柄シスチジアが棍棒形~小嚢形であることなどで特徴づけられた。 Pakistan, Punjab Prov., Haroonabad, District Bahawalnagar (新種) Lepiota aurantiopilea M. Asif, A. Izhar, Niazi & Khalid 語源…橙色の傘の 【よく似た種との区別】 Lepiota brunneogranulosa パキスタンに分布する 担子胞子が楕円形~長楕円形 傘表皮が倒卵状、棍棒形~広棍棒形、小嚢形または類紡錘形の細胞からなる子実層状被である ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が黄橙色~橙色で帯赤褐色の中丘を有するのではなく非常に淡い褐色で中丘が帯黄褐色 本種と異なり傘が扁平凸形 本種と異なり傘表面に同色の小型の小粒を伴うのではなく褐色の小粒が不均等に分布する 本種より縁シスチジアのサイズが大きい 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形、紡錘状便腹形ではなく狭棍棒形 本種と異なり傘表皮の中丘部分が球形~類球形の繊維状で末端に隆起した細胞があるという特徴を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota lilacea ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくイタリア、米国、オーストラリアなどに分布する 本種と異なり傘の中丘が暗紫色 本種と異なり傘が扁平~扁平凸形 本種と異なり傘表面に放射状に配列した鱗片を伴う 本種と異なりつばを欠くのではなく有する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota ochraceofulva ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくオランダ、米国などに分布する 本種と異なり襞の間隔が密 本種より柄のサイズが大きい 本種と異なり柄頂部がクリーム色~黄褐色 本種と異なり柄基部が棍棒形塊茎状 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota bengalensis アジアに分布する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくバングラデシュなどに分布する 本種と異なり傘が黄橙色~橙色で帯赤褐色の中丘を有するのではなくパステルレッド~帯褐赤色で中丘が暗黄褐色または帯赤褐色 本種と異なり傘が半球形~円錐状凸形 本種と異なり傘表面に赤色~帯赤橙色で圧着するか放射状に配列した小鱗片を伴う ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pakistan, Punjab Prov., Haroonabad, District Bahawalnagar (新種) Lepiota bahawalnagarensis M. Asif, Niazi & Khalid 語源…バハーワルナガル産の 【よく似た種との区別】 Lepiota cholistanensis パキスタンに分布する 傘表皮が棍棒形の細胞を持つ菌糸からなる子実層状被である ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が凸形 本種と異なり傘表面に褐色糠状の鱗片を伴う 本種と異なり傘縁部が懸垂状である 本種と異なり柄が帯クリーム色 本種と異なり柄が上下同大~非上下同大である 本種と異なり柄表面が触れたり傷ついたりすると暗褐色になるふけ状 本種と異なりつばが”single edged”である 本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota coloratipes アジアに分布する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなく中国、米国などに分布する 本種と異なり傘がクリーム色~帯黄褐色 本種と異なり傘表面が通常平滑 本種と異なり内被膜が早落性 本種と異なり柄基部が帯褐赤色 本種と異なり柄表面に繊維状の内被膜が残る 本種と異なりつばを欠く 本種と異なり傘表皮が棍棒形の細胞を持つ菌糸からなる子実層状被ではなく密に配列した柵状またはいくぶん棍棒形~球状有柄の細胞からなる子実層状被である ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota sanguineofracta ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくイタリアなどに分布する 本種と異なり傘表面に明瞭な緑色の斑点をあらわし、雲母状だが鱗片状ではない 本種と異なり肉が傷つくと血赤色になる 本種と異なり肉にバラの香りがある ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota psalion アジアに分布する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりパキスタンではなくオーストリア、イタリア、中国、オランダなどに分布する 本種と異なりつばが良好に形成される 本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形 本種より傘表皮の構造が緩い 本種と異なり組織に油様の小滴を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lepiota albogranulosa パキスタンに分布する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が主に白色である 本種と異なり柄表面に白色鱗片を伴う 本種と異なり担子胞子が広楕円形 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される