2016年3月27日 (仮訳)系統学的洞察によるダカンピア科の多系統性の解明:Phoma属類似アナモルフを有するDidymocyrtis属の復帰およびPolycoccum属(新科ポリコッカム科)からの分離 Ertz, D. et al., 2015. Phylogenetic insights resolve Dacampiaceae (Pleosporales) as polyphyletic: Didymocyrtis (Pleosporales, Phaeosphaeriaceae) with Phoma-like anamorphs resurrected and segregated from Polycoccum (Trypetheliales, Polycoccaceae fam. nov.). Fungal Diversity. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s13225-015-0345-6 [Accessed March 27, 2016]. 【R3-02780】2016/03/27投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ダカンピア科菌類の分子系統解析を実施し、本科が多系統群であることを明らかにした。 2属をDidymocyrtis属のシノニムとし、10種をこの属に移し、新学名D. epiphysciaを提唱し、数件のテレオモルフ-アナモルフ関係を解明した。 Didymocyrtis属における種分化にホストスイッチが重要であったと推定し、本属にはその様々な段階にある種が含まれている可能性があるとした。 (新組み合わせ) Didymocyrtis bryonthae (Arnold) Hafellner 【よく似た種との区別】 Didymocyrtis consimilis 痂状地衣の子器に生じる 子嚢胞子が主に単細胞だが2細胞の子嚢胞子が混じる 本種と異なりLecanora epibryonではなくダイダイゴケ属地衣を宿主とする 本種より子嚢果のサイズが小さい 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種ほど子嚢胞子の疣状彫刻が顕著でない 本種より分生子が短い 本種より分生子の幅が顕著に広い 本種と異なり分生子がいくぶん楕円形ではなく広楕円形 Didymocyrtis slaptoniensis 分生子が狭楕円形 分生子にほとんどの場合2つの油滴を含む 本種と異なりLecanora epibryonではなくXanthoria parietinaなどを宿主とする 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種より分生子の幅が狭い (新組み合わせ) Didymocyrtis cladoniicola (Diederich, Kocourk. & Etayo) Ertz & Diederich 【よく似た種との区別】 Didymocyrtis epiphyscia フランスなどに分布する 形態的に識別困難なことがある 分生子が狭楕円形 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりハナゴケ属などではなくダイダイゴケ属地衣などを宿主とする 本種より分生子殻のサイズが僅かに大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Didymocyrtis consimilis Vain. 【よく似た種との区別】 Didymocyrtis bryonthae 痂状地衣の子器に生じる 子嚢胞子が主に単細胞だが2細胞の子嚢胞子が混じる 本種と異なりダイダイゴケ属地衣ではなくLecanora epibryonを宿主とする 本種より子嚢果のサイズが大きい 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種より子嚢胞子の疣状彫刻が顕著である 本種より分生子が長い 本種より分生子の幅が顕著に狭い 本種と異なり分生子が広楕円形ではなくいくぶん楕円形 Didymocyrtis epiphyscia フランスなどに分布する 分生子にほとんどの場合1つの油滴を含む ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりPhyscia aipoliaではなくダイダイゴケ属地衣などを宿主とする 本種より分生子殻のサイズが小さい 本種と異なり分生子が広楕円形ではなく類球形~広楕円形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新学名) Didymocyrtis epiphyscia Ertz & Diederich 旧名:Phoma physciicola Keissler 【よく似た種との区別】 Didymocyrtis cladoniicola フランスなどに分布する 形態的に識別困難なことがある 分生子が狭楕円形 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりダイダイゴケ属などではなくハナゴケ属地衣などを宿主とする 本種より分生子殻のサイズが僅かに小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Didymocyrtis consimilis フランスなどに分布する 分生子にほとんどの場合1つの油滴を含む ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりダイダイゴケ属地衣などではなくPhyscia aipoliaを宿主とする 本種より分生子殻のサイズが大きい 本種と異なり分生子が類球形~広楕円形ではなく広楕円形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Didymocyrtis foliaceiphila (Diederich, Kocourk. & Etayo) Ertz & Diederich 【よく似た種との区別】 Didymocyrtis pseudeverniae ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりハナゴケ属およびカラクサゴケ属地衣ではなくPseudevernia furfuraceaを宿主とする 本種より分生子のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Didymocyrtis infestans (Speg.) Hafellner 【よく似た種との区別】 Didymocyrtis kaernefeltii 同じTeloschistes属地衣を宿主とする 本種より子嚢のサイズが大きい 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子が褐色でない Didymocyrtis slaptoniensis 本種と異なりTeloschistes属地衣ではなくXanthoria parietinaなどを宿主とする 本種より子嚢がやや長い 本種より子嚢胞子のサイズがやや大きい 本種と異なり子嚢胞子が褐色ではなく淡褐色 本種より子嚢胞子隔壁のトーラスが顕著 (新組み合わせ) Didymocyrtis kaernefeltii (S. Y. Kondr.) Hafellner 【よく似た種との区別】 Didymocyrtis infestans 同じTeloschistes属地衣を宿主とする 本種より子嚢のサイズが小さい 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子が褐色 (新組み合わせ) Didymocyrtis melanelixiae (Brackel) Diederich, Harris & Etayo 【よく似た種との区別】 Xenophoma puncteliae 米国に分布する 同じハクテンゴケ属地衣を宿主とする 本種より分生子殻のサイズが小さい 本種より分生子形成細胞が短い 本種より分生子のサイズがずっと小さい 本種と異なりテレオモルフが知られていない Phoma fistulata 本種と分生子形成様式が明確に異なる 本種と異なりアンプル状または楕円形の分生子形成細胞を認めない 本種と異なり分生子殻の壁がジグソーパズル状の細胞からなる 本種と異なり分生子がゼラチン質の物質に包まれる 本種と異なり分生子に油滴を含まない Didymocyrtis ramalinae ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりウメノキゴケ科ではなくカラタチゴケ属地衣を宿主とする 本種より子嚢胞子が長い 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が(1-)2(-3)ではなく(1-)3 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Didymocyrtis pseudeverniae (Etayo & Diederich) Ertz & Diederich 【よく似た種との区別】 Didymocyrtis foliaceiphila ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりPseudevernia furfuraceaではなくハナゴケ属およびカラクサゴケ属地衣を宿主とする 本種より分生子のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Didymocyrtis ramalinae (Roberge ex Desm.) Ertz, Diederich & Hafellner 【よく似た種との区別】 Leptosphaeria protousneae 形態的に類似している(顕著な差異を認めない) 本種と異なりヨーロッパ、アフリカ、オーストラリアではなくチリに分布する 本種と異なりカラタチゴケ属ではなくProtousnea属地衣を宿主とする 本種と異なり子嚢殻が地衣体に埋生するのではなく裂開する 本種より子嚢のサイズが小さい 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢殻の壁の細胞が等径ではなく長形 Didymocyrtis melanelixiae ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりカラタチゴケ属ではなくウメノキゴケ科地衣を宿主とする 本種より子嚢胞子が短い 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が(1-)3ではなく(1-)2(-3) ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Didymocyrtis xanthomendozae 分生子が狭楕円形 分生子にほとんどの場合2つの油滴を含む ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりカラタチゴケ属ではなくXanthomendoza属地衣を宿主とする 本種より分生子殻のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3ではなく1 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Didymocyrtis slaptoniensis (D. Hawksw.) Hafellner & Ertz 【よく似た種との区別】 Didymocyrtis infestans 本種と異なりXanthoria parietinaなどではなくTeloschistes属地衣を宿主とする 本種より子嚢がやや短い 本種より子嚢胞子のサイズがやや小さい 本種と異なり子嚢胞子が淡褐色ではなく褐色 本種ほど子嚢胞子隔壁のトーラスが顕著でない Didymocyrtis bryonthae 分生子が狭楕円形 分生子にほとんどの場合2つの油滴を含む 本種と異なりXanthoria parietinaなどではなくLecanora epibryonを宿主とする 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種より分生子の幅が広い (新組み合わせ) Didymocyrtis xanthomendozae (Diederich & Freebury) Diederich & Freebury 【よく似た種との区別】 Didymocyrtis slaptoniensis ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり北米ではなくヨーロッパに分布する 本種と異なりXanthomendoza属ではなくオオロウソクゴケ属地衣を宿主とする 本種より子嚢胞子が長い 本種より分生子殻の直径がずっと小さい 本種より分生子形成細胞の幅がずっと広い 本種と異なり分生子形成細胞が主に類円筒形なのではなく楕円形またはフラスコ形 本種より分生子が僅かに長い 本種より分生子の幅が顕著に狭い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Didymocyrtis ramalinae 分生子が狭楕円形 分生子にほとんどの場合2つの油滴を含む ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりXanthomendoza属ではなくカラタチゴケ属地衣を宿主とする 本種より分生子殻のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が1ではなく3 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Polycoccum trypethelioides (Th. Fr.) R. Sant.