(仮訳)侵略的な雑草、イタドリを宿主とするMycosphaerella属菌の系統分類およびその生物農薬としての潜在的利用可能性
Kurose, D. et al., 2009. Systematics of Mycosphaerella species associated with the invasive weed Fallopia japonica, including the potential biological control agent M. polygoni-cuspidati. Mycoscience. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s10267-008-0471-z [Accessed October 16, 2016].
【R3-03389】2016/10/16投稿

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3行まとめ

イギリスや北米で侵略的外来種として問題となっているイタドリの天敵の調査において、Mycosphaerella属菌2種を採集した。
そのうち長崎県島原で採集された菌をM. shimabaraensisとして新種記載し、もう一種のM. polygoni-cuspidatiについてはネオタイプ標本を選定した。
M. polygoni-cuspidatiは野外においては偽子嚢殻と精子器のみを形成し、子嚢胞子が主な感染源とみられた。
長崎県島原市

(新種)

Mycosphaerella shimabarensis H.C. Evans & P.F. Cannon
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Mycosphaerella polygoni-cuspidati
日本に分布する
同じイタドリを宿主とする
本種より子嚢胞子が長い
本種よりコロニーの生長が遅い
本種と異なり生長適温が20-25°Cではなく22.5-25°C
本種と異なり30°Cで生育可能
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Mycosphaerella lateralis
ITS領域に基づく分子系統解析
本種と異なり日本ではなくスペインなどに分布する
本種と異なりイタドリではなくユーカリ属植物などを宿主とする
本種と異なりDissoconium属アナモルフを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
長崎県島原市

(その他掲載種)

Mycosphaerella polygoni-cuspidati Hara
※本種のネオタイプ標本を指定した。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Mycosphaerella polygoni-cuspidati
日本に分布する
同じイタドリを宿主とする
本種より子嚢胞子が短い
本種よりコロニーの生長が速い
本種と異なり生長適温が22.5-25°Cではなく20-25°C
本種と異なり30°Cで生育不能
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Mycosphaerella sumatrensis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(類似度約97%、7塩基の差異)
本種と異なり日本ではなくインドネシアなどに分布する
本種と異なりイタドリではなくユーカリ属植物などを宿主とする
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される