(仮訳)スペインの土壌から分離されたAcremonium属2新種
Giraldo, A. et al., 2012. Two new species of Acremonium from Spanish soils. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/early/2012/06/07/11-402.abstract [Accessed May 8, 2015].
【R3-01805】2015/05/08投稿

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3行まとめ

スペインにおいて土壌から分離された2種のAcremonium属菌を検討し、それぞれA. asperulatumA. variecolorとして報告した。
両種はともに分生子柄に針状のフィアライドが輪生し、前者は球形粗面の厚壁胞子、後者は褐色の水溶性色素などで特徴づけられた。
分子系統解析では両種がバイオネクトリア科クレードにおいて単系統群を形成し、形態的に類似した種とは異なる系統に含まれた。
Spain, Aragón, Huesca, Bujaruelo Valley, refuge San Nicolas de Bujaruelo

(新種)

Acremonium asperulatum Giraldo, Guarro, Gené & Cano
語源…粗面の(分生子の装飾から)
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【よく似た種との区別】
Acremonium variecolor
スペインに分布する
土壌から分離される
分生子柄がいくぶん直立する
分生子柄がほとんどの場合分枝する
フィアライドが輪生する
フィアライドが長い
フィアライドが針状
分生子が厚壁
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で近縁(同じバイオネクトリア科クレードに含まれる)
本種と異なり分生子が球形ではなく類球形~卵形
本種と異なり分生子に2型を有する(基部が嘴状でなく、スライム状の頭部をなさず、栄養菌糸上に直接単生するものがある)
本種と異なり分生子が粗面ではなく平滑
本種と異なり厚壁胞子を形成しない
本種と異なりPDA培地中に水溶性色素(褐色)を産生する
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Bulbithecium hyalosporum
Acremonium属アナモルフを有する
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で近縁(同じバイオネクトリア科クレードに含まれる)
本種より分生子柄のサイズがずっと小さい
本種と異なり分生子が球形ではなく楕円形
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leucosphaerina arxii
Acremonium属アナモルフを有する
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で近縁(同じバイオネクトリア科クレードに含まれる)
本種より分生子柄のサイズがずっと小さい
本種と異なり分生子が球形ではなく楕円形
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acremonium borodinense
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で近縁(同じバイオネクトリア科クレードに含まれる)
本種より分生子柄のサイズが小さい
本種と異なり分生子柄が分枝しない
本種と異なりフィアロ型分生子に2型を有する
本種と異なり厚壁胞子を形成しない
本種と異なりコロニーのリバースが帯褐橙色ではなく無色
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acremonium pinkertoniae
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で近縁(同じバイオネクトリア科クレードに含まれる)
本種より分生子柄のサイズが小さい
本種と異なり分生子柄が分枝しない
本種と異なり厚壁胞子を形成しない
本種と異なりコロニーのリバースが帯褐橙色ではなく無色
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acremonium blochii
フィアロ型分生子の形態が類似している
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で近縁(同じバイオネクトリア科クレードに含まれる)
本種と異なりフィアライドが輪生せず単生する
本種と異なり分生子がスライム状の頭部をなすかあるいは長く鎖生する
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acremonium fusidioides
本種と異なり分生子柄が通常分枝しない
本種と異なり2型のフィアロ型分生子を形成する
本種と異なり分生子が無色~ほぼ無色ではなく僅かに有色/無色
本種と異なり分生子が球形ではなく紡錘形/球形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acremonium hansfordii
本種と異なり分生子柄が通常分枝しない
本種と異なり分生子が無色~ほぼ無色ではなくいくぶん褐色
本種と異なり分生子が球形ではなく両端が截断状の紡錘形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Spain, Aragón, Huesca, Ordesa y Monte Perdido National Park, Gargantas de Escuaín

(新種)

Acremonium variecolor Giraldo, Guarro, Gené & Cano
語源…異なる色の(コロニーの色がオリーブ色から褐色まで幅があることから)
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【よく似た種との区別】
Acremonium asperulatum
スペインに分布する
土壌から分離される
分生子柄がいくぶん直立する
分生子柄がほとんどの場合分枝する
フィアライドが輪生する
フィアライドが長い
フィアライドが針状
分生子が厚壁
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で近縁(同じバイオネクトリア科クレードに含まれる)
本種と異なり分生子が類球形~卵形ではなく球形
本種と異なり分生子に2型を有するという特徴を欠く(基部が嘴状でなく、スライム状の頭部をなさず、栄養菌糸上に直接単生するものを欠く)
本種と異なり分生子が平滑ではなく粗面
本種と異なり厚壁胞子を形成する
本種と異なりPDA培地中に水溶性色素を産生しない
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Bulbithecium hyalosporum
Acremonium属アナモルフを有する
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で近縁(同じバイオネクトリア科クレードに含まれる)
本種より分生子柄のサイズがずっと小さい
本種と異なり分生子が類球形~卵形ではなく楕円形
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leucosphaerina arxii
Acremonium属アナモルフを有する
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で近縁(同じバイオネクトリア科クレードに含まれる)
本種より分生子柄のサイズがずっと小さい
本種と異なり分生子が類球形~卵形ではなく楕円形
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acremonium borodinense
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で近縁(同じバイオネクトリア科クレードに含まれる)
本種より分生子柄のサイズが小さい
本種と異なり分生子柄が分枝しない
本種と異なり2型の分生子の片方がフィアロ型、もう片方が出芽型ではなく両方がフィアロ型
本種と異なりコロニーのリバースが帯褐橙色ではなく無色
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acremonium pinkertoniae
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で近縁(同じバイオネクトリア科クレードに含まれる)
本種より分生子柄のサイズが小さい
本種と異なり分生子柄が分枝しない
本種と異なりコロニーのリバースが帯褐橙色ではなく無色
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acremonium blochii
フィアロ型分生子の形態が類似している
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で近縁(同じバイオネクトリア科クレードに含まれる)
本種と異なりフィアライドが輪生せず単生する
本種と異なり分生子がスライム状の頭部をなすかあるいは長く鎖生する
ITSおよびITS+D1/D2+アクチンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pochonia suchlasporia
出芽型分生子を形成する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acremonium fusidioides
褐色の水溶性色素を産生する
本種と異なり分生子柄が通常分枝しない
本種と異なり2型の分生子の片方がフィアロ型、もう片方が出芽型ではなく両方がフィアロ型
本種と異なり分生子が無色~ほぼ無色ではなく僅かに有色/無色
本種と異なりフィアロ型分生子が類球形~卵形ではなく紡錘形/球形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acremonium hansfordii
褐色の水溶性色素を産生する
本種と異なり分生子柄が通常分枝しない
本種と異なり分生子が無色~ほぼ無色ではなくいくぶん褐色
本種と異なり分生子が類球形~卵形ではなく両端が截断状の紡錘形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される