2024年6月28日 (仮訳)中国南西部産のGanoderma属2新種 He, J. et al. 2024. Two new species of Ganoderma (Ganodermataceae, Basidiomycota) from Southwest China. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/121526/ [Accessed June 28, 2024] 【R3-11833】2024/6/28投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国で採集された2種の菌を検討し、Ganoderma phyllanthicolaおよびG. suaeとして新種記載した。 前者はユカンの生木に発生し、傘が帯紫黒色~暗褐色で密な環溝をあらわし、縁部が淡黄色、孔口が小型、担子胞子が類球形~楕円形であることなどで特徴づけられた。 後者はコナラ属の一種に生じ、傘がオックスブラッドレッド~帯赤褐色で縁部が波打ち、孔口面が帯灰色~鉛灰色、肉が異質、担子胞子が扁桃形~狭楕円形であることなどで特徴づけられた。 中国雲南省紅河ハニ族イ族自治州蒙自市 (新種) Ganoderma phyllanthicola J. He & S.H. Li 語源…コミカンソウ属に生息する 【よく似た種との区別】 Ganoderma castaneum 中国に分布する 子実体が無柄 管孔が層状でない ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘縁部が淡黄色ではなく黄褐色 本種と異なり傘縁部が鈍い 本種と異なり肉が異質 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が広楕円形で明瞭な截断状ではない 本種と異なり担子胞子のエンドスポアの壁表面が平滑 本種と異なり傘表皮が規則的な柵状被 ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma tropicum(ミナミオオマンネンタケ) 中国に分布する 肉が同質 ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が無柄ではなく円形~扇形で有柄 本種と異なり子実体が革質でない 本種と異なり傘縁部が淡黄色ではなく黄褐色 本種より担子胞子のサイズがずっと小さい ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma philippii 中国に分布する 肉が同質 本種と異なりタイにおける分布が知られている ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が無柄ではなく円形~扇形 本種と異なり子実体が革質でない 本種と異なり傘縁部が波状 本種と異なり肉が褐色で黒色のメラノイドの線をあらわす 本種より担子胞子のサイズがずっと小さい 本種と異なり担子胞子が倒卵状 ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma aridicola 子実体が無柄 傘が暗褐色 孔口が小型 肉が同質 担子胞子が楕円形 ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく南アフリカなどに分布する 本種と異なり管孔が明瞭な層状 本種と異なり分枝または突出する頂端細胞を欠く ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma multiplicatum 傘縁部が淡黄色 傘表皮が不規則な細胞からなる ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくブラジルなどに分布する 本種と異なり傘が”photo brown”~帯赤褐色 本種と異なり柄を欠くのではなく有する 本種と異なり担子胞子が楕円形 ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma enigmaticum ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくアフリカなどに分布する 本種と異なり子実体が有柄 本種と異なり傘表皮細胞が不規則的ではなく規則的 ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma orbiforme(シママンネンタケ) 中国に分布する ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が二年生または多年生 本種より傘表皮細胞が長い ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国雲南省臨滄市雲県 (新種) Ganoderma suae J. He & S.H. Li 語源…蘇鴻雁教授に献名 【よく似た種との区別】 Ganoderma resinaceum(オオマンネンタケ) 傘が帯赤褐色~オックスブラッドレッドである ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくギリシャ、フランス、オランダなどに分布する 本種と異なり子実体が一年生でない 本種より子実体のサイズが小さい 本種と異なり傘縁部が波状 本種と異なり肉が異質ではなく同質 本種と異なり肉に樹脂結晶を伴う 本種と異なり肉にメラノイドの線をあらわす 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が扁桃形で明瞭な截断状でないという特徴を欠く 本種と異なり担子胞子表面が密な小刺状でない 本種より傘表皮細胞が長い ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma zonatum 子実体が無柄 傘縁部が類白色 ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく米国などに分布する 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり傘表皮細胞の頂部が幅広くなるか膨大する ITS+nrLSU+TEF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される