🗓️ 最終更新日: 2025-05-29
- 最大の特徴は、とにかく巨大な分生子!!100-200μmにも及ぶのは最大級で、2-4個の隔壁を持ちます📏
- 黄色~橙色の小さな塊(0.2-1mm)が湿った腐朽木上に群生します🟡
- 分生子はスポロドキアという密集した菌糸の塊から形成され、肉眼でも頑張れば見えます✨
- 特にヤナギ属の腐朽木を好み、高湿度環境で見つかりやすいです💧
- 子嚢菌門に属すのは確かですが、上位分類は未確定(incertae sedis)という謎多き分類群です❓
- 世界中で15種が知られ、最も普通なのはレモン色のB. flavumです🌏
バクトリディウム属は、湿った腐朽木上に黄色~橙色の小さな塊として現れる子嚢菌門のアナモルフ類です。最大の特徴は「スポロドキア」と呼ばれる密集した菌糸の塊から分生子を形成すること。分生子は100-200μmという驚異的な大きさで、通常のカビの胞子の10倍以上のサイズを誇ります。1817年に記載された歴史ある属ながら、分類学的位置は未だ謎に包まれています。
Bactridium属は子嚢菌門(Ascomycota)のPezizomycotina亜門に属しますが、それより下位の綱・目・科レベルでの位置づけはincertae sedis(未確定)とされています。かつては「不完全菌類」(Deuteromycota)として扱われていましたが、現在は子嚢菌門の一員であることが確認されています。
本属にはDamnosporium、Ericianella、Podobactridiumといったシノニムが存在します。正確な系統学的位置を確定するには、複数遺伝子座を用いた分子系統解析や、未発見の有性世代(テレオモルフ)の探索が必要とされています。
属の基準種で、最も一般的に観察される種。レモン色の子実体が特徴的で、直径0.2-0.5mmの小さな塊として群生します。分生子は淡黄色で100-200 × 40-50 μm、2-4個の隔壁を持ちます。世界中の温帯地域で広く観察され、iNatでは全世界で100件を超える観察記録があります。
比較的稀な種で、主に北米で記録されています。iNat観察記録はB. flavumに比べて10件程度と少なく、形態的特徴の詳細はまだ十分に研究されていません。
棍棒状の形態を示すことが種小名の由来。セイロン(現スリランカ)で最初に記載された種で、観察記録はやはり10件程度。熱帯地域での分布が示唆されますが、詳細な生態情報は限られています。
ニュージーランド固有種として、S. Hughesによって1966年に記載されました。観察記録は1件のみと極めて稀少。Hughes博士の「New Zealand Fungi」シリーズの一環として詳細に研究され、本属の分類学的理解に重要な貢献をしました。
Bactridium属の全ての種は腐生菌として、主に腐朽木や湿った切り株上で生活しています。特にヤナギ属(Salix)の腐朽材を好む傾向が強く、その他にブナ(Fagus)でも記録があります。高湿度環境を必要とするため、渓流沿いや湿地周辺の倒木で見つかることが多いです。
コスモポリタン(汎世界的)に分布しますが、温帯地域で特に多く観察されます。生態的には謎が多いですが、腐朽材の分解において重要な役割を果たし、森林生態系の物質循環に貢献していると考えられます。スポロドキアという特殊な構造は、湿潤環境での効率的な胞子散布に適応した結果と考えられています。
同定の決め手:水辺の材上で黄色~橙色の小さな塊を見つけたら、まずルーペで表面がいぼいぼになっていること(分生子が集まった様子)を確認。顕微鏡観察では、①スポロドキア構造、②100-200μmの巨大な分生子、③2-4個の隔壁、④黄色~淡黄色であることをチェック。似たカビはおそらくないのでは…?強いて言えば粘液細菌のスティグマテラ(Stigmatella)が雰囲気的に近いですが、それの胞子(ミクソスポア)はバクトリディウムの分生子よりずっと小さいです
各形質の対数尤度比(log positive likelihood ratio)を示しています。
緑色のカード:その分類群に特徴的な形質
オレンジ色のカード:他の分類群に特徴的な形質
グレーのカード:統計的に有意でない(95% CIが0をまたぐ)
信頼区間(CI)は95%信頼区間を示しています。CI下限が0を超える場合、統計的に有意な正の関連があることを示します。