2023年12月10日 (仮訳)トリコメリウム科のアリ関連菌の独立進化仮説を強化する新属新種Formicomyces microglobosusの発見 Siedlecki, I. et al. 2023. Discovery of Formicomyces microglobosus gen. et sp. nov. strengthens the hypothesis of independent evolution of ant-associated fungi in Trichomeriaceae. Fungal Biology. Available at: https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1878614623001083 [Accessed December 10, 2023] 【R3-11232】2023/12/10投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ポーランドにおいてアリの一種、Formica polyctenaの下頰囊粒から分離された黒色酵母の一種を検討し、新属新種Formicomyces microglobosusとして記載した。 本種は分子系統解析においてトリコメリウム科クレードで単系統群を形成し、アリの消化管に定着しているのではなくアリの巣の素材に関連するという仮説が立てられた。 本種の発見により、トリコメリウム科において多様なアリ関連菌がそれぞれ独立して進化したとの仮説が強化された。 Poland, Mazowieckie Province, Piaseczno County: forest near Pilawa (新種) Formicomyces microglobosus Siedlecki & Piątek 語源…(属名)アリの菌/(種小名)小粒の 【よく似た種との区別】 Trichomerium spp. アリ関連菌を含む ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりすす病菌や岩石に生息する種を含む 本種と異なり有性世代が知られている 本種と異なり分生子柄が退化的である 本種と異なり分生子がTripospermum属類似であり、中央の細胞から数個の腕が側方に伸びる ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Brycekendrickomyces acaciae 分生子柄の形態が類似している 分生子形成細胞の形態が類似している 本種と異なりアリではなくアカシア属植物の生葉などから分離される 本種と異なり分生子が単生または2つ鎖状に連なるという特徴を欠く 本種と系統的に異なる(先行研究) Metulocladosporiella spp. 分生子柄の形態が類似している 分生子形成細胞の形態が類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりアリではなくバショウ属植物のみに生じる 本種と異なり分生子柄がクラドスポリオイドであり長い柄の頂部が分枝する 本種と異なり分生子が単生または2つ鎖状に連なるのではなく多数の分生子が鎖生し分枝する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Digitopodium spp. 分生子柄の形態が類似している 分生子形成細胞の形態が類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりアリではなくさび菌のみに生じる 本種と異なり分生子柄がクラドスポリオイドであり基部に指状の仮根を有することもある 本種と異なり分生子が単生または2つ鎖状に連なるのではなく多数の分生子が鎖生し分枝しないかまたは分枝する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される