2017年10月17日 (仮訳)ニュージーランド産のニバレノールをマイコトキシンとして産生する新種、Fusarium praegraminearumはコムギに赤かび病を引き起こす Gräfenhan, T. et al., 2016. Fusarium praegraminearum sp. nov., a novel nivalenol mycotoxin-producing pathogen from New Zealand can induce head blight on wheat. Mycologia. Available at: http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3852/16-110?journalCode=umyc20 [Accessed October 16, 2017]. 【R3-04489】2017/10/17投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ニュージーランド、ウェリントン郊外のトウモロコシ畑においてリターから分離された菌を検討し、Fusarium praegraminearumとして新種記載した。 本種はマイコトキシンとしてトリコテセン類(ニバレノール類)、クルモリン類、ゼアラレノンなどを産生した。 本種は13遺伝子に基づく分子系統解析でBクレードの最基部に位置し、接種試験ではコムギに中等度の赤かび病を引き起こすことが示された。 New Zealand, North Island, Levin (near Wellington) (新種) Fusarium praegraminearum Gräfenhan & O’Donnell 語源…前+Fusarium graminearum(この種より前に進化したということから) 【よく似た種との区別】 Fusarium pseudograminearum スポロドキアをPDA培地上であまり形成しない 分生子をPDA培地上であまり形成しない コロニーの生長が速い コロニーの色が類似している コロニーの縁部が全縁平滑 コロニーのリバースの色が類似している 気生菌糸がしばしば密な綿毛状 RPB1+RPB2および12遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードBに含まれる) 本種と異なり大分生子が僅かに非対称に屈曲し、尖った先端に向かって徐々に先細りになるのではなく、頂部の細胞が弓状でありほぼ鉤状に屈曲する 本種と異なりヘテロタリックであることが知られている RPB1+RPB2および12遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fusarium graminearum コムギに対して病原性を示す RPB1+RPB2および12遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードBに含まれる) 本種と異なりスポロドキアをPDA培地上で豊富に形成する 本種と異なり分生子をPDA培地上で豊富に形成する 本種よりSNA培地でのコロニーの生長が速い RPB1+RPB2および12遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fusarium acuminatum 形態的に類似している(当初この種に同定された) 大分生子が僅かに屈曲する 本種より大分生子が短い 本種と異なり大分生子が僅かに非対称に屈曲し、尖った先端に向かって徐々に先細りになるのではなく、頂部の細胞が弓状でありほぼ鉤状に屈曲する 本種よりPDAおよびSNA培地におけるコロニーの生長が遅い 本種よりPDA培地におけるコロニーがしばしば暗色のワイン色~紫褐色 本種と異なりコロニーの縁部が全縁平滑ではなく浅裂するか不規則形 本種と異なり培養下で厚壁胞子を形成する Fusarium dactylidis 大分生子の形状が類似している コロニーの生長が速い コロニーの形態が類似している 12遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される