(仮訳)形態系統学的研究によりカシ類のうどんこ病菌、Erysiphe gracilisが6つの異なる種からなる複合種であることが明らかになった
Siahaan, AS. et al., 2018. Morphophylogenetic study revealed that Erysiphe gracilis (powdery mildew of evergreen oaks, Erysiphales) is a species complex consisting of six different species. Mycoscience. Available at: https://www.jstage.jst.go.jp/article/mycosci/59/2/59_MYC59124/_article/-char/en [Accessed August 17, 2024] 【R3-11983】2024/8/17投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

カシ類のErysiphe gracilisが6つの異なる種からなる複合種であることを示した。
分子系統解析と形態形質を基に、既知の2種に加えてE. uncinuloidesE. pseudogracilisE. longiappendiculataの3新種を記載した。
また、E. gracilis var. longissimaを種に昇格させ、新学名E. longifilamentosaを提唱した。
岡山県岡山市北区津島スポーツ広場公園

(新種)

Erysiphe uncinuloides Siahaan & S. Takam.
語源…Uncinula属のような
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Erysiphe gracilis
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりシラカシではなくアラカシを宿主とする
本種と異なり閉子嚢殻の付属糸が鉤状~巻き毛状から螺旋状
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe longiappendiculata
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
閉子嚢殻の付属糸先端が鉤状~巻き毛状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりシラカシではなくアカガシおよびツクバネガシを宿主とする
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
東京都八王子市高尾山

(新種)

Erysiphe pseudogracilis Siahaan & S. Takam.
語源…偽のErysiphe gracilis
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Erysiphe longiappendiculata
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
閉子嚢殻の付属糸基部が有色
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアラカシおよびウラジロガシではなくアカガシおよびツクバネガシを宿主とする
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe longifilamentosa
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
閉子嚢殻の付属糸基部が有色
閉子嚢殻の付属糸が菌糸状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアラカシおよびウラジロガシではなくアカガシおよびオオツクバネガシを宿主とする
本種より閉子嚢殻の付属糸が長い
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe gracilis
日本に分布する
同じアラカシを宿主とする
閉子嚢殻の付属糸が菌糸状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりウラジロガシが宿主として知られていない
本種と異なり閉子嚢殻の付属糸基部が有色でない
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe hiratae
日本に分布する
同じアラカシを宿主とする
閉子嚢殻の付属糸が菌糸状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりウラジロガシが宿主として知られていない
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
東京都大田区池上本門寺

(新種)

Erysiphe longiappendiculata Siahaan & S. Takam.
語源…長い付属糸の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Erysiphe longifilamentosa
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
同じアカガシを宿主とする
閉子嚢殻の付属糸が長い
閉子嚢殻の付属糸基部が有色
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりツクバネガシが宿主として知られていない
本種と異なりオオツクバネガシが宿主として知られている
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe pseudogracilis
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
閉子嚢殻の付属糸基部が有色
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアカガシおよびツクバネガシではなくアラカシおよびウラジロガシを宿主とする
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe uncinuloides
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
閉子嚢殻の付属糸先端が鉤状~巻き毛状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアカガシおよびツクバネガシではなくシラカシを宿主とする
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新学名)

Erysiphe longifilamentosa Siahaan & S. Takam.
旧名:Erysiphe gracilis var. longissima Y. Nomura
語源…長い繊維状の(付属糸の形態から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Erysiphe longiappendiculata
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
同じアカガシを宿主とする
閉子嚢殻の付属糸が長い
閉子嚢殻の付属糸基部が有色
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオオツクバネガシが宿主として知られていない
本種と異なりツクバネガシが宿主として知られている
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe gracilis
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
閉子嚢殻の付属糸が菌糸状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアカガシおよびオオツクバネガシではなくアラカシを宿主とする
本種より閉子嚢殻の付属糸が短い
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe hiratae
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
閉子嚢殻の付属糸が菌糸状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアカガシおよびオオツクバネガシではなくアラカシを宿主とする
本種より閉子嚢殻の付属糸が短い
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe pseudogracilis
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
閉子嚢殻の付属糸基部が有色
閉子嚢殻の付属糸が菌糸状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアカガシおよびオオツクバネガシではなくアラカシおよびウラジロガシを宿主とする
本種より閉子嚢殻の付属糸が短い
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Erysiphe gracilis R.Y. Zheng & G.Q. Chen
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Erysiphe longifilamentosa
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
閉子嚢殻の付属糸が菌糸状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアラカシではなくアカガシおよびオオツクバネガシを宿主とする
本種より閉子嚢殻の付属糸が長い
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe hiratae
日本に分布する
同じアラカシを宿主とする
閉子嚢殻の付属糸が菌糸状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より閉子嚢殻のサイズが大きい
本種と異なり閉子嚢殻あたりの子嚢数が3-7ではなく4-13(-17)
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe pseudogracilis
日本に分布する
同じアラカシを宿主とする
閉子嚢殻の付属糸が菌糸状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりウラジロガシが宿主として知られている
本種と異なり閉子嚢殻の付属糸基部が有色
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe uncinuloides
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアラカシではなくシラカシを宿主とする
本種と異なり閉子嚢殻の付属糸が鉤状~巻き毛状から螺旋状でない
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Erysiphe hiratae U. Braun
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Erysiphe gracilis
日本に分布する
同じアラカシを宿主とする
閉子嚢殻の付属糸が菌糸状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より閉子嚢殻のサイズが小さい
本種と異なり閉子嚢殻あたりの子嚢数が4-13(-17)ではなく3-7
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe pseudogracilis
日本に分布する
同じアラカシを宿主とする
閉子嚢殻の付属糸が菌糸状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりウラジロガシが宿主として知られている
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Erysiphe longifilamentosa
日本に分布する
同じコナラ属樹木を宿主とする
閉子嚢殻の付属糸が菌糸状
ITS、IGS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアラカシではなくアカガシおよびオオツクバネガシを宿主とする
本種より閉子嚢殻の付属糸が長い
ITS、IGSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される