2018年11月19日 (仮訳)中国、チベットにおいてバラ科植物に寄生するPhragmidium属菌および3新種の記載 Liu, Y. et al., 2018. Phragmidium species parasitizing species of Rosaceae in Tibet, China, with descriptions of three new species. Mycological Progress. Available at: https://doi.org/10.1007/s11557-018-1406-5 [Accessed November 18, 2018] 【R3-05688】2018/11/19投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ チベット産のバラ科植物に寄生するPhragmidium属菌を調査し、既知種12種および新種3種を報告した。 新種P. chayuensisは冬胞子が(5)7–9細胞性で短い乳頭突起を有し、P. cibanumは冬胞子が平滑で隔壁部が顕著に狭窄し、P. zangdongiiは夏胞子堆が大型で冬胞子が11-13細胞からなることなどでそれぞれ特徴づけられた。 分子系統解析の結果から、本属菌の宿主範囲が明確であり、宿主特異性が多くの菌類の他属よりも強いことが示された。 中国チベット自治区ニンティ市ザユル県 (新種) Phragmidium chayuensis Y.M. Liang & Y. Liu 語源…ザユル産の 【よく似た種との区別】 Phragmidium hashiokai 冬胞子の細胞数が類似している 本種と異なりRosa duplicataを宿主とするという特徴を欠く 本種より冬胞子のサイズが大きい Phragmidium montivagum 冬胞子の細胞数が類似している 本種と異なりRosa duplicataを宿主とするという特徴を欠く 本種より冬胞子の乳頭突起が長い Phragmidium rosae-multiflorae 冬胞子の細胞数が類似している 本種と異なりRosa duplicataを宿主とするという特徴を欠く 本種より冬胞子頂部の乳頭突起が明瞭に長い Phragmidium rosae-omeiensis 冬胞子の細胞数が類似している 本種と異なりRosa duplicataを宿主とするという特徴を欠く 本種と異なり冬胞子表面が疣状ではなく平滑 Phragmidium zhouquensis 中国に分布する 冬胞子の細胞数が類似している 本種と異なりRosa duplicataを宿主とするという特徴を欠く 本種より冬胞子頂部の乳頭突起が明瞭に長い nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(セクション1ではなくセクション2クレードに含まれる) Phragmidium yangii 中国に分布する 同じバラ属植物を宿主とする nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じセクション1クレードに含まれる) 本種と異なりRosa duplicataではなくR. omeiensis、R. lichiangensisなどを宿主とする 本種より冬胞子が長い 本種と異なり冬胞子が黄褐色ではなく暗褐色 本種と異なり冬胞子の細胞数が通常7-9ではなく9-11 nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国チベット自治区慈巴 (新種) Phragmidium cibanum Y. M. Liang & Y. Liu 語源…慈巴産の 中国チベット自治区 (新種) Phragmidium zangdongii Y. M. Liang & Y. Liu 語源…蔵東の 【よく似た種との区別】 Phragmidium fusiforme 中国に分布する 同じバラ属植物を宿主とする 冬胞子の細胞数が類似している 冬胞子の柄の長さの範囲が重なる nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じセクション1クレードに含まれる) 本種と異なりRosa tibeticaではなくR. pendulinaなどを宿主とする 本種と異なり夏胞子堆がほとんどの場合果実に生じるのではなく葉の下面に生じる 本種と異なり夏胞子が不規則形ではなく円形 本種と異なり冬胞子が葉の下面および枝ではなく葉の下面に生じる 本種と異なり冬胞子が円筒形、楕円形、ほぼ紡錘形 本種と異なり冬胞子の細胞数が11-13ではなく9-12 本種より冬胞子の乳頭突起が長い 本種と異なり冬胞子の乳頭突起が鈍頭ではなく尖形 nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phragmidium yangii 中国に分布する 同じバラ属植物を宿主とする 冬胞子の細胞数が類似している 冬胞子の柄の長さの範囲が重なる nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じセクション1クレードに含まれる) 本種と異なりRosa tibeticaではなくR. omeiensis、R. lichiangensisなどを宿主とする 本種と異なり冬胞子が葉の下面および枝ではなく葉の下面に生じる 本種と異なり冬胞子が円筒形ではなく円筒形および楕円形 本種と異なり冬胞子の細胞数が11-13ではなく15-18 本種より冬胞子の乳頭突起が長い 本種と異なり冬胞子の乳頭突起が鈍頭ではなく尖形 nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phragmidium handelii 冬胞子が円筒形 冬胞子の細胞数が類似している nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じセクション1クレードに含まれる) 本種と異なりRosa tibeticaを宿主とするという特徴を欠く 本種と異なり夏胞子堆がほとんどの場合果実に生じるのではなく葉の下面に生じる 本種と異なり夏胞子が不規則形ではなく円形 本種と異なり冬胞子が葉の下面および枝ではなく葉の下面に生じる 本種と異なり冬胞子の細胞数が11-13ではなく9-11 本種より冬胞子の乳頭突起が短い 本種と異なり冬胞子の乳頭突起が鈍頭ではなく微突形 本種より冬胞子の柄が短い nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Phragmidium andersoni Shear (その他掲載種) Phragmidium barclayi Dietel (その他掲載種) Phragmidium butleri Syd. & P. Syd. (その他掲載種) Phragmidium fusiforme J. Schröt. 【よく似た種との区別】 Phragmidium zangdongii 中国に分布する 同じバラ属植物を宿主とする 冬胞子の細胞数が類似している 冬胞子の柄の長さの範囲が重なる nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じセクション1クレードに含まれる) 本種と異なりRosa pendulinaなどではなくR. tibeticaを宿主とする 本種と異なり夏胞子堆が葉の下面に生じるのではなくほとんどの場合果実に生じる 本種と異なり夏胞子が円形ではなく不規則形 本種と異なり冬胞子が葉の下面ではなく葉の下面および枝に生じる 本種と異なり冬胞子が円筒形、楕円形、ほぼ紡錘形でない 本種と異なり冬胞子の細胞数が9-12ではなく11-13 本種より冬胞子の乳頭突起が短い 本種と異なり冬胞子の乳頭突起が尖形ではなく鈍頭 nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Phragmidium griseum Dietel (その他掲載種) Phragmidium himalense J.Y. Zhuang (その他掲載種) Phragmidium mucronatum (Pers.) Schltdl. (その他掲載種) Phragmidium octoloculare Barclay (その他掲載種) Phragmidium potentillae (Pers.) P. Karst. (その他掲載種) Phragmidium rubi-oldhami Togashi & Y. Maki (その他掲載種) Phragmidium tibeticum J.Y. Zhuang & S.X. Wei (その他掲載種) Phragmidium tuberculatum Jul. Müll.