2014年3月22日 (仮訳)イタリア産の糞生不整子嚢菌類の3稀産種 Doveri, F., Sarrocco, S. & Vannacci, G., 2013. Studies on three rare coprophilous plectomycetes from Italy. Mycotaxon. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/mtax/mt/2013/00000124/00000001/art00031 [Accessed March 22, 2014]. 【R3-00526】2014/03/22投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ イタリアにおいて、草食動物や雑食動物の糞から湿室法で得られた3種の菌を検討した。 Emericella quadrilineataとLasiobolidium orbiculoidesについて、近縁種と形態比較を行い、後者について検索表を掲載した。 また、イヌの糞から世界で2回目となるCleistothelebolus nipigonensisの分離を行い、形態形質と系統的位置について議論した。 (イタリア新産種) Cleistothelebolus nipigonensis Malloch & Cain 【よく似た種との区別】 Pseudeurotium ovale 子嚢胞子のサイズが類似している 子嚢節の形状が類似している 本種と異なり糞から分離されることが稀 本種より子嚢果のサイズが大きい 本種より子嚢の形成過程が複雑 (Malloch & Cain, 1971) 本種より子嚢のサイズが小さい 本種と異なり子嚢にしばしば短い柄を持つことがなく、球形・広卵形・楕円形 本種より”peridium”が濃色 (Malloch & Cain, 1971) 本種と異なり”peridium”が2層ではなく1層 本種と異なり”peridium”が表皮状菌組織ではなく多角菌組織 本種と異なりフィアライドを形成する (Malloch & Cain, 1971) Thelebolus ellipsoideus LSUの塩基配列が類似している(類似度97%) Thelebolus globosus LSUの塩基配列が類似している(類似度97%) (その他掲載種) Lasiobolidium orbiculoides Malloch & Benny 【よく似た種との区別】 Orbicula parietina 糞や植物残渣などから分離される 子嚢が円筒形 子嚢胞子が子嚢内部に1列に配列する 子嚢胞子が扁球形 本種と異なり閉子嚢殻の基部が通常平らになる 本種より”peridium”が厚い 本種と異なり”peridium”が1層ではなく2層 本種と異なり閉子嚢殻の基部のみが毛に覆われる 本種と異なり子嚢が無柄または短い柄を持つのではなく、長い柄を持つ 本種より子嚢胞子のサイズが小さい Lasiobolidium aegyptiacum 形態的に類似しており、Guarro et al. (2012) では区別できないとされた 子嚢が円筒形 子嚢胞子が子嚢内部に1列に配列する 本種と異なり子嚢胞子が扁球形ではなく広楕円形 (その他掲載種) Emericella quadrilineata (Thom & Raper) C.R. Benj. 【よく似た種との区別】 Emericella acristata 形態的に区別できないほど類似している(同種の可能性がある) 本種と異なり子嚢胞子の赤道面にとさか状隆起を持たない、あるいは2つしか持たないとする報告がある Emericella miyajii 形態的に区別できないほど類似している(同種の可能性がある) 子嚢胞子の赤道面に4つの不明瞭なとさか状隆起を持つ Emericella parvathecia 形態的に区別できないほど類似している(同種の可能性がある) 本種と異なり子嚢胞子の赤道面に4つではなく2つのとさか状隆起を持つ Emericella nidulans 土壌や糞から分離されている 日和見感染菌として知られている 形態的に区別できないほど類似している 本種と異なり子嚢胞子の赤道面に4つではなく2つのとさか状隆起を持つ 分子系統解析で明瞭に区別される (Verweij et al. 2008, Matsuzawa et al. 2012)