2014年3月5日 (仮訳)ヨーロッパ産のモリノカレバタケ属モリノカレバタケ亜節の系統分類 Antonín, V. et al., 2013. Taxonomy and phylogeny of European Gymnopus subsection Levipedes (Basidiomycota, Omphalotaceae). … Persoonia …. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/nhn/pimj/2013/00000031/00000001/art00010 [Accessed March 4, 2014]. 【R3-00465】2014/03/05投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ モリノカレバタケ属モリノカレバタケ亜節の7種について、形態形質の検討および分子系統解析を行った。 G. dryophilusについて、G. ociorとの種概念の差異を明らかにするとともに、ネオタイプを指定した。 また、同定に必要な全ての分類形質について詳細に議論し、本亜節の検索表を掲載した。 (その他掲載種) Gymnopus alpinus (Vilgalys & O.K. Mill.) Antonín & Noordel. 【よく似た種との区別】 Gymnopus ocior ヨーロッパに分布する 縁シスチジアが珊瑚状に分枝することがある ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり襞が白色ではなく帯黄色~黄色、稀に白色 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種より縁シスチジアが長い 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形ではなく類円筒形または類革袋形 ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Gymnopus aquosus (Bull.: Fr.) Antonín & Noordel. 【よく似た種との区別】 Gymnopus dryophilus(モリノカレバタケ) ヨーロッパに分布する 傘に半透明の条線を持つ 襞が白色・淡クリーム色・黄色 襞の間隔が密 担子胞子のサイズの範囲が重なる(長さ7 μmを超えない) 明瞭な縁シスチジアを持つ 縁シスチジアが珊瑚状に分枝することがある ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が淡黄色ではなく特に中央部が黄褐色 本種と異なり傘の条線が中央部付近に達さず、半径の半分までにとどまる 本種と異なり柄がしばしば基部で顕著に膨大するという特徴を持たず、いくぶん上下同大 本種と異なり縁シスチジアが棍棒形で頂部が頭状、基部に柄を持ち、稀に類円筒形または紡錘形になるという特徴を持たず、円筒形・類円筒形・狭棍棒形である ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sweden, Uppsala, Stadsskogen (その他掲載種) Gymnopus dryophilus (Bull.: Fr.) Murrill モリノカレバタケ ※本種のネオタイプ、エピタイプ、レクトタイプを指定した。 ※分子系統解析の結果から、Gymnopus dryophilus var. lanipesを本種と分ける意見 (Vila & Llimona, 2006) を退けた。 ※ヨーロッパ産と北米産の本種と同定された標本を検討した結果、同種と結論づけた。 【よく似た種との区別】 Gymnopus aquosus ヨーロッパに分布する 傘に半透明の条線を持つ 襞が白色・淡クリーム色・黄色 襞の間隔が密 担子胞子のサイズの範囲が重なる(長さ7 μmを超えない) 明瞭な縁シスチジアを持つ 縁シスチジアが珊瑚状に分枝することがある ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が黄褐色ではなく淡黄色 本種と異なり傘の条線が半径の半分までにとどまらず、中央部付近に達する 本種と異なり柄がいくぶん上下同大ではなく、しばしば基部で顕著に膨大するという特徴を持つ 本種と異なり縁シスチジアが円筒形・類円筒形・狭棍棒形ではなく、棍棒形で頂部が頭状、基部に柄を持ち、稀に類円筒形または紡錘形になる ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Gymnopus ocior (Pers.) Antonín & Noordel. 【よく似た種との区別】 Gymnopus alpinus ヨーロッパに分布する 縁シスチジアが珊瑚状に分枝することがある ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり襞が帯黄色~黄色、稀に白色ではなく白色 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より縁シスチジアが短い 本種と異なり縁シスチジアが類円筒形または類革袋形ではなく棍棒形 ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Gymnopus erythropus (Pers.: Fr.) Antonín, Halling & Noordel. カレバタケ 【よく似た種との区別】 Gymnopus fagiphilus ヨーロッパに分布する ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり襞が淡クリーム色ではなく帯桃クリーム色~帯桃褐色 本種と異なり柄が平滑ではなく頂部を除いて微細な毛状 本種より担子胞子が長い ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Gymnopus fagiphilus (Velen.) Antonín, Halling & Noordel. 【よく似た種との区別】 Gymnopus erythropus(カレバタケ) ヨーロッパに分布する ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり襞が帯桃クリーム色~帯桃褐色ではなく淡クリーム色 本種と異なり柄が微細な毛状(頂部を除く)ではなく平滑 本種より担子胞子が短い ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Gymnopus hybridus (Kuhner & Romagn.) Antonín & Noordel. 【よく似た種との区別】 Gymnopus inusitatus ヨーロッパに分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりモリノカレバタケ亜節ではなくAlkalivirentes亜節に含まれる ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Gymnopus inusitatus var. cystidiatus ヨーロッパに分布する ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりモリノカレバタケ亜節ではなくAlkalivirentes亜節に含まれる ITS+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他の分類学的措置および知見) Gymnopus hybridusがAlkalivirentes亜節のG. inusitatusと姉妹群を形成したことから、現在のモリノカレバタケ亜節の概念は系統を反映していないことが示唆された。