2021年12月10日 (仮訳)系統分類学的に明らかになった東アジア産Thelephora属菌の潜在的に食用となる外生菌根菌のきのこ類 Liu, X-F. et al., 2021. Taxonomy and Phylogeny Reveal Two New Potential Edible Ectomycorrhizal Mushrooms of Thelephora from East Asia. Diversity. Available at: https://www.mdpi.com/1424-2818/13/12/646 [Accessed December 10, 2021] 【R3-09040】2021/12/10投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国雲南省のマツと広葉樹の混交林からThelephora grandinioidesおよびT. wuliangshanensisの2新種を記載した。 前者は子実層面がグランディニオイド、柄が側生し、担子胞子が球形~類球形、1菌糸型でクランプを有することなどで特徴づけられた。 後者は子実体が漏斗形で傘に放射状の黒色条線を有し、子実層面が琥珀色~コーヒー色で平滑、1菌糸型で生殖菌糸が厚壁であることなどで特徴づけられた。 中国雲南省普洱市鎮沅イ族ハニ族ラフ族自治県歇気坡森林公園 (新種) Thelephora grandinioides C.L. Zhao and X.F. Liu 語源…グランディニオイドの(子実層托の形状から) 【よく似た種との区別】 Thelephora aurantiotincta(ボタンイボタケ) 中国に分布する 森林に生息する 子実層面の形態が類似している 担子器が4胞子性 ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりマレーシアにおける分布が知られている 本種より担子器が短い 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Thelephora fuscella 中国に分布する 子実層面の形態が類似している 本種と異なりヨーロッパ、インド、日本、マレーシア、ネパール、北米、シンガポールにおける分布が知られている 本種より担子器が短い 本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2-4胞子性 本種より担子胞子が長い Thelephora gelatinoidea 中国に分布する 森林に生息する 子実層面の形態が類似している 担子器が4胞子性 本種と異なりインド、マレーシアにおける分布が知られている 本種より担子器のサイズが大きい 本種より担子胞子のサイズが大きい Thelephora griseozonata 子実層面の形態が類似している 本種と異なり中国ではなくドイツ、プエルトリコ、ニュージーランド、米国、バージン諸島などに分布する 本種と異なり砂地に生息する 本種より担子胞子のサイズが大きい Thelephora intybacea 森林に生息する 子実層面の形態が類似している 本種と異なり中国ではなくヨーロッパ、ニュージーランド、北米、南アフリカ、ウルグアイ、米国などに分布する 本種より担子器のサイズが大きい 本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2-4胞子性 本種より担子胞子のサイズが大きい Thelephora japonica(イボタケ) 中国に分布する 混交林に生息する 子実層面の形態が類似している nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり日本、インド、マレーシアにおける分布が知られている 本種より担子器のサイズが小さい 本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2-4胞子性 本種より担子胞子のサイズが大きい nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Thelephora terrestris(チャイボタケ) 中国に分布する 森林に生息する 子実層面の形態が類似している 本種と異なりオーストラリア、ブラジル、ドイツ、インド、ジャマイカ、日本、メキシコ、ニュージーランド、南米、スペイン、イギリス、ウルグアイ、米国における分布が知られている 本種より担子器のサイズが小さい 本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2-4胞子性 本種より担子胞子のサイズが大きい Thelephora ganbajun 中国に分布する 担子器が4胞子性 シスチジアを有する ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より担子器が短い 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種よりシスチジアのサイズが大きい ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Thelephora ramarioides アジアに分布する シスチジアを有する 本種と異なり中国ではなくオーストラリア、ボルネオ島、ジャワ島、マレーシアなどに分布する 本種より担子器のサイズが小さい 本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2-4、稀に6-8胞子性 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種よりシスチジアが長い 中国雲南省普洱市景東イ族自治県黄草嶺無量山国家級自然保護区 (新種) Thelephora wuliangshanensis C.L. Zhao and X.F. Liu 語源…無量山産の 【よく似た種との区別】 Thelephora sikkimensis アジアに分布する 担子器が4胞子性 担子胞子のサイズの範囲が重なる ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくインドなどに分布する 本種と異なり子実体表面が毛状 本種より担子器が長い 本種よりシスチジアが短い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Thelephora aurantiotincta(ボタンイボタケ) 中国に分布する 担子器が4胞子性 担子胞子のサイズの範囲が重なる ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりマレーシアにおける分布が知られている 本種より担子器のサイズが小さい ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Thelephora austrosinensis 中国に分布する 担子器が4胞子性 ITS+nrLSU、ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より担子器のサイズが小さい 本種より担子胞子のサイズが小さい ITS+nrLSU、ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される