2018年9月1日 (仮訳)インド・ヒマラヤ産のニガイグチ属2新種および1新産種、およびそれらの形態学的詳細と系統学的推定 Chakraborty, D., Vizzini, A. & Das, K. 2018. Two new species and one new record of the genus Tylopilus (Boletaceae) from Indian Himalaya with morphological details and phylogenetic estimations. MycoKeys. Available at: https://doi.org/10.3897/mycokeys.33.23703 [Accessed August 31, 2018]. 【R3-05452】2018/9/1投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ インド、シッキム州およびウッタラーカンド州で採集された2種の菌を検討し、Tylopilus himalayanusおよびT. pseudoballouiとして新種記載した。 前者は針葉樹の樹下に発生して傘が帯赤褐色~褐色で柄に網目を欠き、後者は広葉樹の樹下に発生し、傘が橙黄色~褐黄色で粘性があり、孔口面が淡黄色で桃色を帯び、柄に網目を欠くことなどで特徴づけられた。 また、日本、中国などから知られていたT. neofelleusをインド新産種として報告した。 India, Sikkim, East District, Upper Chandmari (新種) Tylopilus himalayanus D. Chakr., K. Das & Vizzini 語源…ヒマラヤの 【よく似た種との区別】 Tylopilus rubrobrunneus ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなく北米などに分布する 本種と異なり傘がワイン色を帯びる 本種と異なり孔口が角形ではなく円形 本種と異なり柄がオリーブ色を帯びる 本種と異なり肉のKOH反応が陽性(暗橙色)ではなく陰性 本種と異なり肉のNH4OH反応が陽性(橙色)ではなく陰性 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tylopilus felleus(ニガイグチ) インドに分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヨーロッパなどにおける分布が知られている 本種と異なり傘が帯褐色 本種と異なり柄表面に網目模様を欠くか最頂部に微かに有するのではなく顕著な網目模様を有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tylopilus neofelleus(ニガイグチモドキ) インドに分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり日本、中国などにおける分布が知られている 本種と異なり傘が帯赤褐色~帯ワイン褐色 本種と異なり柄が帯紫色~紫色 本種と異なり柄表面に網目模様を欠くか最頂部に微かに有するのではなく顕著な網目模様を有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tylopilus intermedius 本種と異なり傘が顕著な類白色で成熟すると桃黄褐色~褐色を帯びる 本種と異なり肉のKOH反応が陽性(暗橙色)ではなく陰性 本種と異なり肉のFeSO4反応が陽性(暗緑色)ではなく陽性(帯桃色) Tylopilus plumbeoviolaceus インドに分布する 本種と異なり北米などにおける分布が知られている 本種と異なり傘が帯赤褐色~帯ワイン褐色 本種と異なり柄が帯紫色~紫色 本種と異なり柄表面に網目模様を欠くか最頂部に微かに有するのではなく顕著な網目模様を有する Tylopilus violatinctus 本種と異なり針葉樹林ではなく混生林に発生し、マツやヒマラヤスギが宿主ではない 本種と異なりインドではなく北米などに分布する 本種と異なり傘が帯青紫色からライラック色~ラベンダー色または帯灰紫色 本種と異なり傘に触れると暗さび紫色に変色する 本種と異なり傘表面のKOH反応が陽性(帯黄褐色) 本種と異なり柄が傷つくと黄変する 本種と異なり肉のKOH反応が陽性(暗橙色)ではなく陰性または陽性(帯桃褐色) 本種より担子胞子のサイズが小さい Tylopilus neofelleus(ニガイグチモドキ) インドに分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり柄が紫色を帯びる 本種と異なり柄表面に良好に発達した網目模様を有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される India, Sikkim, South District, Maenam WLS (Maenum 3) (新種) Tylopilus pseudoballoui K. Das, D. Chakr. & Vizzini 語源…偽のTylopilus balloui 【よく似た種との区別】 Tylopilus balloui(キニガイグチ) 形態的に類似している(野外で混同のおそれがある) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなく北米などに分布する 本種と異なり傘表面に粘性があるのではなく乾燥している 本種と異なり孔口が白色~汚白色 本種と異なり肉が露出すると帯桃黄褐色に変色する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tylopilus oradivensis 本種と異なりインドではなくコスタリカなどに分布する 本種と異なり傘表面に粘性があるのではなく乾燥している 本種より担子胞子が長い Tylopilus leucomycelinus 本種と異なりインドではなくホンジュラスおよびグアテマラなどに分布する 本種と異なりマツ属植物を宿主とする 本種と異なり傘表面が繊維状~小鱗片状 本種と異なり傘表面に粘性があるのではなく乾燥している 本種より孔口のサイズが小さい 本種と異なり柄基部に白色の菌糸体を豊富に伴う Boletus balloui var. fuscatus 形態的に類似している 本種と異なりインドではなくマレーシアなどに分布する 本種と異なり低地に分布する 本種と異なり傘が黄褐色 本種と異なり孔口面が傷つくと鈍紫褐色に変色する 本種より柄の幅が狭い 本種と異なり柄表皮に稔性を欠く Tylopilus viscidulus 本種と異なりインドではなくマレーシアなどに分布する 本種より傘のサイズが小さい 本種と異なり傘が淡クリーム色 本種より柄のサイズが小さい 本種と異なり柄が淡クリーム色 本種と異なり肉が露出すると淡褐色に変色する 本種と異なりシスチジアが瓶形 Rubinoboletus balloui var. viscidus 本種と異なりインドではなくオーストラリアなどに分布する 本種と異なり肉が切断すると桃色に変色する 本種より担子胞子が長い (インド新産種) Tylopilus neofelleus Hongo ニガイグチモドキ 【よく似た種との区別】 Tylopilus felleus(ニガイグチ) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり日本、中国、インドなどではなくヨーロッパなどに分布する 本種と異なり傘がオリーブ灰色を伴う褐色 本種と異なり柄が帯黄色 本種と異なり柄表面に顕著な褐色の網目模様を有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tylopilus plumbeoviolaceus 本種と異なり日本、中国、インドなどではなく北米などに分布する 本種と異なり傘が濃い帯紫色~紫色でのちに紫褐色~鈍肉桂褐色 本種より担子胞子が顕著に長い Tylopilus plumbeoviolaceoides 中国に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が暗色 本種と異なり柄が帯ワイン褐色~暗い帯ワイン色 本種と異なり肉が切断すると帯桃色~帯紫色に変色する 本種より担子胞子が長い 本種より担子胞子の幅がやや狭い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Tylopilus himalayanus インドに分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり柄が紫色を帯びない 本種と異なり柄表面に良好に発達した網目模様を欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される