2023年9月14日 (仮訳)韓国産ホウネンゴケ科2新種 Park, JS. et al. 2023. Two New Species of the Family Acarosporaceae from South Korea. Mycobiology. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/12298093.2023.2249693 [Accessed September 14, 2023] 【R3-10970】2023/9/14投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 韓国からAcarospora beangnokdamensisとSarcogyne jejuensisの2新種を記載した。 前者は暗褐色で小区画が連続的で角張り子実層が真のアミロイドである点、後者は小区画が連続的でなく子器縁部が淡褐色~小区画と同色である点などで特徴づけられた。 また、その他に韓国新産種Sarcogyne oceanicaを含む5種を報告し、Sarcogyne属およびAcarospora属地衣の検索表を掲載した。 韓国済州特別自治道西帰浦市漢拏山白鹿潭湖 (新種) Acarospora beangnokdamensis J. S. Park & S. O. Oh 語源…白鹿潭産の ※2023年9月14日現在、本種はMycoBank/Species fungorumに登録されていない。 【よく似た種との区別】 Acarospora fuscata(ホウネンゴケ) 韓国に分布する 地衣体がC+赤色 地衣成分としてジロホール酸を含む ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり汎世界的に分布する 本種と異なり地衣体上面が暗褐色ではなく鈍黄褐色 本種と異なり地衣体の小区画が角張るのではなく扁平~僅かに凸形の類鱗片状 本種と異なり地衣体の小区画が暗褐色でない 本種と異なり地衣体表面が波打つという特徴を欠く 本種と異なり子器が稀という特徴を欠く 本種と異なり子実層が真のアミロイドではなくヘミアミロイドである 本種と異なり粉子器が明瞭でない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Acarospora gallica 子実層が真のアミロイドである 地衣成分としてジロホール酸を含む 本種より低標高に分布する 本種と異なり地衣体が連続的な小区画からなる痂状ではなく小裂片からなる鱗片状 本種と異なり地衣体表面が小皺状でない Acarospora pseudofuscata 本種と異なり韓国ではなくギリシャに分布する 本種より低標高に分布する 本種と異なり地衣体に粉霜を欠く 本種より皮層の丈が低い 本種と異なり粉子器を個々の小区画に生じる 韓国済州特別自治道済州市翰京面翰京海岸路 (新種) Sarcogyne jejuensis J. S. Park & S.-O. Oh 語源…済州産の ※2023年9月14日現在、本種はMycoBank/Species fungorumに登録されていない。 【よく似た種との区別】 Acarospora badiofusca ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり韓国ではなくスウェーデンなどに分布する 本種と異なり地衣体の小区画が散在するのではなく連続的 本種と異なり子器縁部が淡褐色~小区画と同色という特徴を欠く 本種より髄層の丈が高い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Acarospora boulderensis 本種と異なり地衣体が散在する小区画状ではなく鱗片状 本種より子実層の丈が高い 本種と異なり藻類層が連続的ではなく断続的 Acarospora irregularis 本種と異なり地衣体が散在する小区画状ではなく鱗片状 本種より子実層の丈が高い 本種と異なり藻類層が連続的ではなく断続的 Sarcogyne saphyniana 子器がレキデア型 子器が”emergent”である 子器縁部が炭化しない 子実層の丈が低い 本種と異なり藻類層が連続的ではなく断続的 (韓国新産種) Sarcogyne oceanica K. Knudsen & Kocourk. 【よく似た種との区別】 Sarcogyne algoviae 形態的に類似している(混同のおそれがある) 子器縁部に切れ込みが生じる 本種と異なり石灰質基質に生じる 本種と地衣体縁部に切れ込みが入るかどうかが異なる Sarcogyne hypophaea 岩石内生地衣である 形態的に類似している(子器縁部が切れ込んだり断片化していない場合に混同のおそれがある) 地衣体が不明瞭である 子器が基質上に生じる 本種と異なり子実下層が無色~暗褐色ではなく暗褐色 本種より果殻の丈が高い 本種と異なり果殻が全縁ではなくしばしば角張った断片状に分かれる Sarcogyne lapponica 本種より子器のサイズが大きい 本種と異なり子器がしばしば隆起状ではなく扁平である 本種と異なり子器盤が赤褐色~褐色 Sarcogyne clavus 岩石内生地衣である 地衣体が不明瞭である 子器が基質上に生じる 子器盤が赤色~黒色 子器盤に粉霜を欠く 果托の縁の形態が類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子器の直径が大きい 本種と異なり子器縁部が平滑~小皺状ではなく疣状~円鋸歯状 本種と異なり子実下層が無色ではなく暗褐色 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sarcogyne praetermissa 子器盤が赤色 子器縁部が平らである 子実層の丈が類似している 側糸の幅が類似している 本種と異なり主に石灰質基質に生じる Sarcogyne endopetrophila(イワカクレホウネンゴケ) 韓国に分布する 岩石内生地衣である 地衣体が不明瞭である 子器が基質上に生じる 子器縁部に切れ込みを生じない 果殻が全縁 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子実下層の丈が高い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Acarospora fuscata (Schrad.) Arnold ホウネンゴケ 【よく似た種との区別】 Acarospora beangnokdamensis 韓国に分布する 地衣体がC+赤色 地衣成分としてジロホール酸を含む ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり汎世界的に分布するという特徴を欠く 本種と異なり地衣体上面が鈍黄褐色ではなく暗褐色 本種と異なり地衣体の小区画が扁平~僅かに凸形の類鱗片状ではなく角張る 本種と異なり地衣体の小区画が暗褐色 本種と異なり地衣体表面が波打つ 本種と異なり子器が稀 本種と異なり子実層がヘミアミロイドではなく真のアミロイドである 本種と異なり粉子器が明瞭である ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Acarospora hospitans H. Magn. 【よく似た種との区別】 Acarospora insolata 韓国に分布する 地衣体が顕著である 地衣体がC陰性 本種より地衣体の小区画が厚い 本種と異なり子器の小区画あたりの数が多い (その他掲載種) Acarospora nitrophila H. Magn. 【よく似た種との区別】 Acarospora normanii 本種と異なり地衣体が鱗片状ではなく小区画状 本種より子実層の丈が低い 本種と異なり子実下層がヘミアミロイドではなくアミロイドである Acarospora praeruptorum 本種より地衣体の鱗片のサイズが大きい Acarospora irregularis 本種より地衣体の鱗片のサイズが大きい Acarospora muddii 本種と異なり地衣体が鱗片状ではなく鱗片と小区画の両方を有する Acarospora inaequalis 本種と異なり地衣体が鱗片状ではなく鱗片と小区画の両方を有する Acarospora suzai 本種と異なり子実層がヘミアミロイドではなく濃青色のアミロイドである (その他掲載種) Sarcogyne endopetrophila Tokiz. & Y. Ohmura イワカクレホウネンゴケ 【よく似た種との区別】 Sarcogyne clavus 岩石内生地衣である 地衣体が不明瞭である 子器が基質上に生じる 子器が黒色 粉子器が黒色 本種より子器の直径が大きい 本種と異なり果殻が顕著な円鋸歯状である 本種と子実下層が淡褐色か暗褐色かどうかが異なる 本種と粉子のサイズが異なる Sarcogyne hypophaea 岩石内生地衣である 地衣体が不明瞭である 子器が基質上に生じる 本種と子実層の丈が異なる 本種より果殻が厚い 本種と異なり果殻がしばしば角張った断片状に分かれる 本種と異なり子実下層が暗褐色 本種と粉子器の直径が異なる Sarcogyne oceanica 韓国に分布する 岩石内生地衣である 地衣体が不明瞭である 子器が基質上に生じる 子器縁部に切れ込みを生じない 果殻が全縁 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子実下層の丈が低い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される