(仮訳)南オーストラリア州においてエンドウにアスコキタ葉枯病の症状を引き起こしたPhoma属1新種
Davidson, JA. et al., 2009. A new species of Phoma causes ascochyta blight symptoms on field peas (Pisum sativum) in South Australia. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/101/1/120.short [Accessed September 23, 2016].
【R3-03321】2016/09/24投稿

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3行まとめ

南オーストラリア州において葉枯病を起こしたエンドウから分離された菌を検討し、Phoma koolungaとして新種記載した。
本種はPhomaMacrospora節に含まれ、同じくエンドウに葉枯病を起こす2種と1変種とは形態的に異なっていた。
接種試験で本種がエンドウ苗に引き起こした症状はMycosphaerella pinodesによる症状と区別がつかなかった。
Minnipa, South Australia

(新種)

Phoma koolunga Davidson, Hartley, Priest, Krysinska-Kaczmarek, Herdina, McKay & Scott
語源…先住民の言語でエンドウが豊富に生育しているアデレード北部の地域を指す単語より
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Mycosphaerella pinodes
同所的に分布する(オーストラリア)
同じエンドウを宿主とする
宿主に葉枯病を引き起こす
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子の隔壁数がほとんどの場合0ではなく1(-2)
本種と異なりMA培地におけるコロニーが白灰色ではなく淡灰色~暗灰色
本種と異なり培養下で分生子殻が散在するのではなく放射状かつ同心円状に配列する
本種と異なり分生子滲出物が淡クリーム白色ではなく肉色~黄褐色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phoma medicaginis var. pinodella
同所的に分布する(オーストラリア)
同じエンドウを宿主とする
宿主に葉枯病を引き起こす
分生子がほとんどの場合無隔壁
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なりMA培地におけるコロニーが白灰色ではなく灰褐色~黒色
本種と異なり培養下で分生子殻が散在するのではなく同心円状に配列する
本種と異なり分生子滲出物が淡クリーム白色ではなく淡黄褐色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ascochyta pisi
同所的に分布する(オーストラリア)
同じエンドウを宿主とする
宿主に葉枯病を引き起こす
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子の隔壁数がほとんどの場合0ではなく1
本種と異なりMA培地におけるコロニーが白灰色ではなく淡褐色
本種と異なり分生子滲出物が淡クリーム白色ではなく橙赤色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Macrophomina phaseolina
オーストラリアに分布する
同じマメ科植物を宿主とする
宿主に葉枯病を引き起こす
分生子が大型
分生子が無隔壁
本種と異なりラッカセイやヤエナリなどを宿主とする
本種と異なり分生子殻が初め淡黄色~褐色なのではなく暗褐色~黒色
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なりMA培地におけるコロニーが白灰色ではなく白色~褐色または灰色で老成すると暗色
本種と異なり培養下で分生子殻を形成することが稀
本種と異なり分生子滲出物が淡クリーム白色ではなく鈍白色~クリーム色
Phoma rabiei
同じMacrospora節に含まれる
同じマメ科植物を宿主とする
宿主に葉枯病を引き起こす
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりエンドウではなくヒヨコマメなどを宿主とする
本種より分生子の幅が狭い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phoma boeremae
同じMacrospora節に含まれる
同じマメ科植物を宿主とする
宿主に葉枯病を引き起こす
本種と異なりエンドウではなくウマゴヤシ属植物などを宿主とする
本種より分生子の幅が狭い