(仮訳)バーコード配列によりChroogomphus mediterraneusC. rutilusおよび類縁種から明瞭に区別された
Martín, MP. et al., 2016. Barcoding sequences clearly separate Chroogomphus mediterraneus (Gomphidiaceae, Boletales) from C. rutilus, and allied species. Mycoscience. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S134035401630033X [Accessed October 1, 2016].
【R3-03344】2016/10/01投稿

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3行まとめ

Chroogomphus mediterraneusについて、過去の文献で混同されてきたC. rutilusとの差異を再検討した。
形態形質およびバーコーディング領域 (ITS) の比較に基づき、両種が別種であることを示した。
また、本種をアラゴン州テルエル県において採集し、イベリア半島新産種として報告した。

(イベリア半島新産種)

Chroogomphus mediterraneus (Finschow) Vila, Pérez-De-Greg. & G. Mir
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【よく似た種との区別】
Chroogomphus rutilus(クギタケ)
スペインに分布する
同じマツ属植物を宿主とする
肉眼的形態が非常に類似している(混同されてきた)
傘のサイズの範囲が重なる
傘が帯灰色、黄褐橙色、帯ワイン褐色など
柄のサイズの範囲が重なる
菌糸体がクリーム色~黄褐色
担子胞子のサイズの範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面にやや粘性を有するのではなく粘性を有する
本種と異なり傘表面内部の繊維がややゼラチン化するのではなくゼラチン化する
本種と異なりシスチジアが薄壁ではなく厚壁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chroogomphus fulmineus
スペインに分布する
同じマツ属植物を宿主とする
肉眼的形態が非常に類似している(混同されてきた)
傘のサイズの範囲が重なる
傘表面にやや粘性を有する
柄のサイズの範囲が重なる
シスチジアが薄壁
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が帯灰色、黄褐橙色、帯ワイン褐色などではなく紫色を帯びる帯褐赤色、帯橙赤色、ルビー色など
本種と異なり傘表面内部の繊維がややゼラチン化するのではなくゼラチン化する
本種と異なり菌糸体がクリーム色~黄褐色ではなく帯ワイン色~紫色
本種より担子胞子が長い
本種よりシスチジアのサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chroogomphus confusus
同じマツ属植物を宿主とする
柄のサイズの範囲が重なる
担子胞子のサイズの範囲が重なる
シスチジアが薄壁
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスペイン本土およびバレアレス諸島ではなく中国などに分布する
本種と異なりモミ属、トウヒ属植物などが宿主として知られている
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘が帯灰色、黄褐橙色、帯ワイン褐色などではなく時に赤色を帯びる橙黄色、橙色、帯褐橙色
本種と異なり傘表面にやや粘性を有するのではなく粘性を有する
本種と異なり傘表面内部にややゼラチン化した繊維を有するという特徴を欠く
本種と異なり菌糸体がクリーム色~黄褐色ではなく類白色~灰色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chroogomphus asiaticus
同じマツ属植物を宿主とする
担子胞子のサイズの範囲が重なる
シスチジアが薄壁
本種と異なりスペイン本土およびバレアレス諸島ではなくネパールなどに分布する
本種と異なりハンノキ属植物などが宿主として知られている
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘が帯灰色、黄褐橙色、帯ワイン褐色などではなく橙色~帯褐橙色
本種と異なり傘表面にやや粘性を有するのではなく粘性を有する
本種と異なり傘表面内部にややゼラチン化した繊維を有するという特徴を欠く
本種より柄のサイズが小さい
本種と異なり菌糸体がクリーム色~黄褐色ではなく帯灰黄色
Chroogomphus albipes
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり腹菌である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される