2019年5月23日 (仮訳)主に北方に分布するヨーロッパ産の2新種、Cortinarius stjernegaardiiおよびC. kristinae Frøslev, TG., Brandrud, TE. & Dima, B. 2017. Cortinarius stjernegaardii and C. kristinae (Basidiomycota, Agaricales), two new European species with a mainly northern distribution. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-016-1264-y [Accessed May 23, 2019] 【R3-06244】2019/5/23投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ Phlegmacium亜属の再検討の過程で見出されたCortinarius stjernegaardiiおよびC. kristinaeの2新種を記載した。 前者はPercomes節に含まれ、傘の中央部が帯オリーブ(赤)褐色で縁部が帯緑黄色であることなどで特徴づけられ、従来北欧ではC. bulbopodiusと同定されてきた。 後者はCalochroi節に含まれ、傘がほぼ平滑、担子胞子が粗面でほぼ網目状であることなどで特徴づけられた。 Sweden, Gotland, Ekstakusten (新種) Cortinarius stjernegaardii Brandrud & Frøslev 語源…Thomas Stjernegaard Jeppesen氏に献名 【よく似た種との区別】 Cortinarius nanceiensis 同所的に分布する シナノキ-ハシバミ林およびオーク-ハシバミ林に生息する しばしば同時に発生する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じPercomes節クレードに含まれる) 本種と異なりフェノスカンジアおよびドイツのみではなくヨーロッパ全域における分布が知られている 顕微鏡的形質が非常に類似している 本種と異なり傘中央部が帯オリーブ赤褐色~帯オリーブ褐色ではなく帯赤褐色 本種ほど傘縁部が持続的に帯緑黄色でない 本種と異なりごく若い子実体の襞が時に微かに青緑色を帯びるという特徴を欠く 本種ほど柄が持続的に帯緑黄色でない 本種と異なり柄基部塊茎の被膜が帯赤褐色 本種ほど柄基部の塊茎が顕著な”marginate”でない 本種ほど肉が持続的に帯緑黄色でない 本種と異なりごく若い子実体の肉が時に微かに青緑色を帯びるという特徴を欠く 本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい 本種より細胞外色素の量が僅かに少ない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cortinarius aurilicis ドイツに分布する 形態的に類似している(この種のシノニムに同定されていたことがある) 傘の色の範囲が重なることがある ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じPercomes節クレードに含まれる) 本種と異なり南欧、特に地中海地域に分布する 本種より子実体のサイズが通常大きい 本種ほど子実体の形状が細長くない 本種より傘が赤褐色を帯びる 本種より襞が緑色を帯びる 本種より肉が緑色を帯びる ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cortinarius bergeronii 形態的に類似している(混同のおそれがある) 広葉樹林に生息する 柄基部が突然塊茎状になる 本種ほど肉が帯緑黄色でない 本種と異なり柄基部塊茎直上の被膜の名残がオリーブ灰色~赤褐色という特徴を欠く 本種と異なり子実体に果実臭を欠く 本種より子実体のKOHに対する呈色反応が強い 本種より担子胞子のサイズが小さい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりPercomes節ではなくCalochroi節クレードに含まれる) Cortinarius elegantissimus(キイロフウセンタケ) 形態的に類似している(混同のおそれがある) 広葉樹林に生息する 柄基部が突然塊茎状になる 本種ほど肉が帯緑黄色でない 本種と異なり柄基部塊茎直上の被膜の名残がオリーブ灰色~赤褐色という特徴を欠く 本種と異なり子実体に果実臭を欠く 本種より子実体のKOHに対する呈色反応が強い 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりPercomes節ではなくCalochroi節クレードに含まれる) Cortinarius prasinus 形態的に類似している(混同のおそれがある) 広葉樹林に生息する 柄基部が突然塊茎状になる 本種ほど肉が帯緑黄色でない 本種と異なり柄基部塊茎直上の被膜の名残がオリーブ灰色~赤褐色という特徴を欠く 本種と異なり子実体に果実臭を欠く 本種より子実体のKOHに対する呈色反応が強い 本種より担子胞子のサイズが小さい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりPercomes節ではなくCalochroi節クレードに含まれる) Norway, Oppland, Lunner (新種) Cortinarius kristinae Brandrud 語源…著者の妻、Kristin H. Brandrud氏に献名 【よく似た種との区別】 Cortinarius corrosus 襞が初め帯灰白色 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じCalochroi節クレードに含まれる) 本種と異なり子実体にKOH赤色の呈色反応を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cortinarius dalecarlicus 襞が初め帯灰白色 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じCalochroi節クレードに含まれる) 本種と異なり傘が鮮黄色でない 本種と異なり子実体にKOH赤色の呈色反応を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cortinarius flavipallens ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じCalochroi節クレードに含まれる) 本種と異なり傘が顕著な黄色でない 本種より襞が幼時帯灰色(帯青灰色になることもある?) 本種と異なり外被膜が顕著な黄色でない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cortinarius laberiae ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じCalochroi節クレードに含まれる) 本種と異なり石灰質土壌にのみ発生する 本種と異なりモミ属植物を宿主とする 本種より傘が赤褐色 本種と異なり塊茎表皮の変色性が弱く、緩やかに桃色を帯びる 本種より子実体のKOHに対する呈色反応が弱い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cortinarius metarius 傘の色が類似している 塊茎表皮がKOHで明るい桃色に呈色する 担子胞子のサイズが類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じCalochroi節クレードに含まれる) 本種と異なり襞が常に顕著な淡紫色~紫色を帯びる 本種と異なり柄頂部がしばしば顕著な淡紫色~紫色を帯びる ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cortinarius piceae ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じCalochroi節クレードに含まれる) 本種より傘が通常濃色の褐色 本種と異なり傘表面がほぼ平滑ではなく圧着した鱗片状 本種と異なり傘がKOHで赤変するのではなく褐変する 本種と異なり襞が初め淡紫色 本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい 本種と異なり塊茎表皮がKOH陰性 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される