2021年1月17日 (仮訳)Cyphellophora属およびそのPhialophora属類縁種:生物多様性およびヒトへの感染の可能性 Feng, P. et al., 2014. Cyphellophora and its relatives in Phialophora: biodiversity and possible role in human infection. Fungal Diversity. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s13225-012-0194-5 [Accessed January 17, 2021] 【R3-08061】2021/1/17投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ Cyphellophora属およびPhialophora属菌の形態学的・生理学的検討および分子系統解析を実施した。 オランダにおいてそれぞれヒトの皮膚、爪から分離されたCyphellophora pauciseptataおよびPhialophora ambiguaの2新種を記載した。 C. eucalyptiをC. guyanensisのシノニムとした。 Roermond, the Netherlands (新種) Cyphellophora pauciseptata P. Feng & de Hoog 語源…乏しい隔壁の(分生子の形態から) 【よく似た種との区別】 Cyphellophora vermispora オランダに分布する ヒトの臨床検体から分離される 分生子が長い 分生子に隔壁を有する ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりドイツにおける分布が知られている 本種と異なりヒトの爪ではなくオオムギ、コムギ、ヒトの皮膚などから分離される 本種と異なりフィアライドがフラスコ形 本種よりABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が小さい nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cyphellophora suttonii 形態的に類似している(この種に同定されたことがある) ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヒトの爪ではなくイヌの内耳などから分離される 本種よりABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が小さい nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される the Netherlands (新種) Phialophora ambigua P. Feng & de Hoog 語源…曖昧な(同属の3種の形質が組み合わさった性質から) 【よく似た種との区別】 Phialophora europaea オランダに分布する ヒトの爪から分離される フィアライドがフラスコ形 ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 ABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が類似している nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phialophora reptans オランダに分布する ヒトの爪から分離される 菌糸表面に無柄のカラレットを形成する ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスウェーデン、ドイツにおける分布が知られている 本種と異なりヒトの皮膚、飲料水、食品などから分離される 本種よりABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が大きい nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phialophora oxyspora ヒトの爪から分離される 分生子が倒卵状截断状 ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオランダではなくデンマーク、スリランカなどに分布する 本種と異なりヒトの皮膚、腐朽葉などから分離される nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Cyphellophora fusarioides (B. Sutton & C.K. Campb.) Decock (その他掲載種) Cyphellophora guyanensis Decock & G. Delgado 【よく似た種との区別】 Cyphellophora pluriseptata ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子がほとんどの場合凝集して束状になる 本種より分生子が長い 本種と異なり分生子の隔壁が多隔壁である 本種よりABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が大きい nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Cyphellophora laciniata G.A. de Vries 【よく似た種との区別】 Cyphellophora vermispora ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子が長い 本種と異なり分生子の隔壁が1-3個ではなく多隔壁 本種よりABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が小さい nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cyphellophora pluriseptata オランダに分布する ヒトの皮膚から分離される ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種よりフィアライドが分化する 本種と異なり分生子が通常直線状である 本種より分生子の隔壁数が多い 本種よりABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が大きい nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Cyphellophora pluriseptata G.A. de Vries, Elders & Luykx 【よく似た種との区別】 Cyphellophora laciniata オランダに分布する ヒトの皮膚から分離される ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種ほどフィアライドが分化しない 本種と異なり分生子が通常直線状という特徴を欠く 本種より分生子の隔壁数が少ない 本種よりABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が小さい nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cyphellophora guyanensis ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり分生子がほとんどの場合凝集して束状になるという特徴を欠く 本種より分生子が短い 本種と異なり分生子の隔壁が多隔壁という特徴を欠く 本種よりABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が小さい nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Cyphellophora suttonii (Ajello, A.A. Padhye & M. Payne) Decock 【よく似た種との区別】 Cyphellophora pauciseptata 形態的に類似している(本種に同定されたことがある) ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイヌの内耳などではなくヒトの爪から分離される 本種よりABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が大きい nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Cyphellophora vermispora A. Walz & de Hoog 【よく似た種との区別】 Cyphellophora laciniata ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子が短い 本種と異なり分生子の隔壁が多隔壁ではなく1-3個 本種よりABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が大きい nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cyphellophora pauciseptata オランダに分布する ヒトの臨床検体から分離される 分生子が長い 分生子に隔壁を有する ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりドイツにおける分布が知られていない 本種と異なりオオムギ、コムギ、ヒトの皮膚などではなくヒトの爪から分離される 本種と異なりフィアライドがフラスコ形でない 本種よりABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が大きい nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Phialophora europaea de Hoog, Mayser & Haase 【よく似た種との区別】 Phialophora ambigua オランダに分布する ヒトの爪から分離される フィアライドがフラスコ形 ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 ABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が類似している nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Phialophora oxyspora W. Gams 【よく似た種との区別】 Phialophora ambigua ヒトの爪から分離される 分生子が倒卵状截断状 ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりデンマーク、スリランカなどではなくオランダに分布する 本種と異なりヒトの皮膚、腐朽葉などから分離されるという特徴を欠く nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Phialophora reptans de Hoog 【よく似た種との区別】 Phialophora ambigua オランダに分布する ヒトの爪から分離される 菌糸表面に無柄のカラレットを形成する ラッカーゼ反応陽性 ウレアーゼ反応陽性 シクロヘキシミド添加培地で生育可能 nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスウェーデン、ドイツにおける分布が知られていない 本種と異なりヒトの皮膚、飲料水、食品などから分離されるという特徴を欠く 本種よりABTS培地におけるラッカーゼ反応のハロ直径/コロニー直径比が小さい nrLSU、nrLSU+ITS+RPB1+BT2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される