2013年12月23日 (仮訳)イタリア産の標本に基づくHydnum ovoideisporumの変異の検出および新種H. magnorufescens Vizzini, A. et al., Detecting the variability of Hydnum ovoideisporum (Agaricomycetes, Cantharellales) on the basis of Italian collections, and H. magnorufescens sp. nov. mycosphere.org. Available at: http://mycosphere.org/pdfs/MC4_1_No2.pdf [Accessed December 23, 2013]. 【R3-00183】2013/12/23投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ イタリア南部から採集されたHydnum rufescens種複合体の4標本を、形態および分子のデータに基づき解析した。 3標本は近年スペインから新種記載されたH. ovoideisporumと同定されたが、担子胞子の形状など一部の形質が異なっており、うち子実層面が平滑なものを新品種として記載した。 また、残りの1標本を基にH. magnorufescensを新種記載し、当該クレードにはスペイン、スロベニア、中国産の標本も含まれたが、それらが同種かどうかの判断は保留とされた。 Italy, Campania, Caserta, Baia e Latina, Vallelunga (新品種) Hydnum ovoideisporum f. depauperatum Picillo, Vizzini & Contu 語源…欠けている(子実層面に針を欠くことから) 【よく似た種との区別】 Hydnum ovoideisporum 子実層面以外の形態で区別できない ITS領域に基づく分子系統解析で区別できない 本種と異なり子実層面が平滑でなく針状になる Italy, Campania, Caserta, Baia e Latina, Vallelunga (新種) Hydnum magnorufescens Vizzini, Picillo & Contu 語源…大きなHydnum rufescens 【よく似た種との区別】 Hydnum rufescens(イタチハリタケ) 本種より子実体のサイズが小さい(傘直径が70 mmに達するほど大きくなることがない) 本種と異なり傘が橙色を帯びず、桃色を帯びたクリーム黄褐色である ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Hydnum ovoideisporum Olariaga, Grebenc, Salcedo & M.P. Martin (その他の分類学的措置) 本研究で担子胞子の形状に変異が見られたことや、類似した形状の担子胞子を持つ種が異なる系統に分かれた例を挙げて、本属菌の種レベルの分類形質として採用されているQm値は不安定だと指摘した。 Hydnum rufescensのレクトタイプとして、オランダでブナ属の樹下に発生した子実体の標本、あるいは少なくともヨーロッパ北部産の子実体の標本を採用すべきだと提言した。