(仮訳)日本海溝の深海底堆積物から分離された子嚢菌酵母の新種、Dipodascus tetrasporeus
Nagahama, T. et al., 2008. Dipodascus tetrasporeus sp. nov., an ascosporogenous yeast isolated from deep-sea sediments in the Japan Trench. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology. …. Available at: http://ijs.microbiologyresearch.org/content/journal/ijsem/10.1099/ijs.0.65471-0 [Accessed October 5, 2016].
【R3-03355】2016/10/05投稿

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3行まとめ

北西太平洋において深海底の堆積物から分離された酵母の一種を検討し、Dipodascus tetrasporeusとして新種記載した。
本種はDipodascusなど3属からなるクレードにおいて、4胞子性の子嚢を形成する唯一の種であった。
本種の子嚢胞子はGalactomycesに典型的な形態であったが、本種は当該属とは分子系統解析で遠縁であった。
日本海溝

(新種)

Dipodascus tetrasporeus Nagah. & Abdel-Wahab
語源…4胞子性の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Geotrichum klebahnii
グルコースおよびガラクトースを発酵可能
セロビオースを資化不能
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり出芽分生子を形成しない
本種と異なりD-マンニトールおよびD-グルシトールを資化可能
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(nrLSUの類似度89.7%、nrSSUの類似度97.2%)
Dipodascus macrosporus
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢が4胞子性ではなく10-30胞子性
本種と異なり出芽分生子を形成しない
本種と異なりビタミン要求性を有する
本種と異なりグルコースおよびガラクトースを発酵不能
本種と異なりD-マンニトールおよびD-グルシトールを資化可能
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(nrLSUの類似度88.7%、nrSSUの類似度97.5%)
Dipodascus armillariae
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢が4胞子性ではなく4-12胞子性
本種と異なり出芽分生子を形成しない
本種と異なりビタミン要求性を有する
本種と異なりグルコースおよびガラクトースを発酵不能
本種と異なりセロビオース、D-マンニトール、D-グルシトールを資化可能
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(nrLSUの類似度87.9%、nrSSUの類似度96.6%)
Geotrichum carabidarum
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり甲虫の腸から分離される
本種と異なり出芽分生子を形成しない
本種と異なりビタミン要求性を有する
本種と異なりガラクトースを発酵不能
本種と異なりD-グルシトールを資化可能
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(nrLSUの類似度86.1%、nrSSUの類似度95.3%)
Geotrichum histeridarum
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり甲虫の腸から分離される
本種と異なり出芽分生子を形成しない
本種と異なりビタミン要求性を有する
本種と異なりガラクトースを発酵不能
本種と異なりD-マンニトールおよびD-グルシトールを資化可能
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(nrLSUの類似度86.1%、nrSSUの類似度95.1%)
Geotrichum fermentans
出芽分生子を形成する
ビタミン要求性を欠く
グルコースおよびガラクトースを発酵可能
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりセロビオース、D-マンニトール、D-グルシトールを資化可能
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(nrLSUの類似度81.3%、nrSSUの類似度94.6%)
Geotrichum cucujoidarum
出芽分生子を形成する
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり甲虫の腸から分離される
本種と異なりビタミン要求性を有する
本種と異なりグルコースおよびガラクトースを発酵不能
本種と異なりセロビオース、D-マンニトール、D-グルシトールを資化可能
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(nrLSUの類似度79.5%、nrSSUの類似度94.6%)