(仮訳)台湾に産した糞生の幻覚作用を有する可能性のあるきのこ類
Wang, Y-W. & Tzean, S-S., 2015. Dung-associated, Potentially Hallucinogenic Mushrooms from Taiwan. Taiwania. Available at: http://www.airitilibrary.com/Publication/alDetailedMesh?docid=0372333X-201512-201512160028-201512160028-160-168 [Accessed January 24, 2016].
【R3-02593】2016/01/25投稿

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3行まとめ

幻覚きのこの症例報告があった台湾、陽明山国家公園の擎天崗において、幻覚作用を有する可能性のある糞生のきのこ類を調査した。
Psilocybe angulosporaおよびProtostropharia ovalisporaの2新種を記載した。
また、新組み合わせConocybe nitrophilaを提唱し、Panaeolus antillarumを記録した。
台湾台北市陽明山国家公園擎天崗

(新種)

Psilocybe angulospora Wang & Tzean
語源…角ばった胞子の
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【よく似た種との区別】
Psilocybe semilanceata
傘に並外れて尖った乳頭突起を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子胞子が僅かに角張るのではなく卵形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(類似度98%、624/639塩基が一致)
Psilocybe mexicana
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(類似度93%)
Psilocybe stunzii
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
RPB1遺伝子の塩基配列が類似している
本種と異なり担子胞子が僅かに角張るのではなく卵形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
RPB1遺伝子の塩基配列が異なる(類似度98%、818/833塩基が一致)
Psilocybe coprophila(トフンタケ)
台湾に分布する
本種より傘のサイズが顕著に大きい
Psilocybe subcaerulipes(アイゾメシバフタケ)
台湾に分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子が薄壁
台湾台北市陽明山国家公園擎天崗

(新種)

Protostropharia ovalispora Wang & Tzean
語源…卵形の胞子の
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【よく似た種との区別】
Protostropharia alcis
糞生菌である
本種と異なり台湾ではなくフィンランドなどに分布する
本種と異なりウシではなくヘラジカなどの糞に発生する
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり縁シスチジアを欠く
本種より側シスチジアが長い
本種と異なり柄頂部に柄クリソシスチジアを欠く
Stropharia alcis var. austrobrasiliensis
ウシの糞に発生する
本種と異なり台湾ではなくブラジルなどに分布する
本種と異なり施肥された土壌に発生することがある
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり縁シスチジアを欠く
本種より側シスチジアが長い
本種と異なり柄頂部に柄クリソシスチジアを欠く
Protostropharia semiglobata(キバフンタケ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(類似度94-98%)

(その他掲載種)

Panaeolus antillarum (Fr.) Dennis
ツヤマグソタケ
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【よく似た種との区別】
Panaeolus fimicola(マグソタケ)
台湾に分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり幻覚きのこであることが知られている
本種より傘が暗色
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり傘シスチジアを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Panaeolina foenisecii(ヒメシバフタケ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が褐色
本種と異なり担子胞子が平滑ではなく粗面
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Conocybe nitrophila (Hauskn.) Wang & Tzean
旧名:Conocybe velutipes var. nitrophila Hauskn.
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【よく似た種との区別】
Conocybe velutipes
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり窒素に富んだ土壌に生じるという特徴を欠く
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり傘シスチジアを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(類似度91-92%)
Conocybe pseudocrispa
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(類似度96%、603/629塩基が一致)
Conocybe pilosella
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(類似度96%、602/629塩基が一致)
Conocybe tetrasporoides
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(類似度95%、599/629塩基が一致)
Conocybe albipes(キコガサタケ)
台湾に分布する
本種と異なりPilosellae節ではなくCandidae節に含まれる
本種と異なり傘が橙白色、淡橙色、”raw sienna”ではなくクリーム白色
本種と異なり傘が円錐形
本種と異なり偽側糸を有する
Conocybe incarnata
台湾に分布する
本種と異なり傘が橙白色、淡橙色、”raw sienna”ではなくワイン赤色
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
Conocybe tenera(コガサタケ)
台湾に分布する
本種と異なりPilosellae節ではなくConocybe節に含まれる
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり柄シスチジアが主に徳利形