(仮訳)子嚢菌門クロイボタケ綱の新科Dyfrolomycetaceae
Pang, K-L. et al., 2013. Dyfrolomycetaceae, a new family in the Dothideomycetes, Ascomycota. Cryptogamie, Mycologie. … Available at: http://www.bioone.org/doi/abs/10.7872/crym.v34.iss3.2013.223 [Accessed June 1, 2014].
【R3-00770】2014/06/02投稿

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3行まとめ

マレーシアのティオマン島のマングローブ林で採集された盾状子座を形成する子嚢菌を、新属新種Dyfrolomyces tiomanensisとして記載した。
SSU+LSU+EF1-αに基づく分子系統解析で、本種はクロイボタケ綱クレードに含まれ、Saccardoella rhizophoraeとともに独自のクレードを形成した。
Dyfrolomyces属にSaccardoella属の海生菌3種を移し、本属に対して新科Dyfrolomycetaceaeを提唱した。
Malaysia, Tioman Island

(新種)

Dyfrolomyces tiomanensis K.L. Pang, S.A. Alias, K.D. Hyde, Suetrong & E.B.G. Jones
語源…(属名)ウェールズ語で「水の」+ギリシャ語で「菌」/(種小名)ティオマン産の
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【よく似た種との区別】
Dyfrolomyces rhizophorae
海生菌である
材に発生する
SSU+LSU+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢胞子が紡錘形ではなく楕円形~紡錘形
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が20-24ではなく常に3
本種と異なり子嚢胞子に鞘を伴う
SSU+LSU+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Dyfrolomyces rhizophorae (K.D. Hyde) K.D. Hyde, K.L. Pang, Alias, Suetrong & E.B.G. Jones
旧名:Saccardoella rhizophorae K.D. Hyde
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【よく似た種との区別】
Dyfrolomyces tiomanensis
海生菌である
材に発生する
SSU+LSU+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢胞子が楕円形~紡錘形ではなく紡錘形
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が常に3ではなく20-24
本種と異なり子嚢胞子に鞘を伴わない
SSU+LSU+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Dyfrolomyces mangrovei
海生菌である
材に発生する
子嚢胞子が楕円形~紡錘形
子嚢胞子に鞘を伴う
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が常に3ではなく7-9
Dyfrolomyces marinospora
海生菌である
材に発生する
子嚢胞子が楕円形~紡錘形
子嚢胞子に鞘を伴う
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が常に3ではなく4-6

(新組み合わせ)

Dyfrolomyces mangrovei (K.D. Hyde) K.D. Hyde, K.L. Pang, Alias, Suetrong & E.B.G. Jones
旧名:Saccardoella mangrovei K.D. Hyde
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【よく似た種との区別】
Dyfrolomyces marinospora
海生菌である
材に発生する
子嚢胞子が楕円形~紡錘形
子嚢胞子に鞘を伴う
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が7-9ではなく4-6
Dyfrolomyces rhizophorae
海生菌である
材に発生する
子嚢胞子が楕円形~紡錘形
子嚢胞子に鞘を伴う
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が7-9ではなく常に3

(新組み合わせ)

Dyfrolomyces marinospora (K.D. Hyde) K.D. Hyde, K.L. Pang, Alias, Suetrong & E.B.G. Jones
旧名:Saccardoella marinospora K.D. Hyde
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【よく似た種との区別】
Dyfrolomyces rhizophorae
海生菌である
材に発生する
子嚢胞子が楕円形~紡錘形
子嚢胞子に鞘を伴う
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が4-6ではなく常に3
Dyfrolomyces mangrovei
海生菌である
材に発生する
子嚢胞子が楕円形~紡錘形
子嚢胞子に鞘を伴う
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が4-6ではなく7-9

(その他の分類学的知見)

  • Saccardoella montellicaDyfrolomyces属菌とは子嚢や子嚢胞子などの形態が顕著に異なっていた。
  • S. montellicaは子嚢のリングがアミロイドであることからクロサイワイタケ目に属すると考えられたが、タイプ標本が入手できず、確かめることができなかった。