2017年11月24日 (仮訳)クルミ科植物を宿主とする新属Juglanconis、および新科ユグランコニス科 Voglmayr, H., Castlebury, LA. & Jaklitsch, WM. 2017. Juglanconis gen. nov. on Juglandaceae, and the new family Juglanconidaceae (Diaporthales). Persoonia. Available at: http://repository.naturalis.nl/document/644521 [Accessed November 24, 2017]. 【R3-04604】2017/11/24投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 分子系統解析により、クルミ科植物を宿主とするMelanconis属菌が当該属と異なる系統を形成することを示し、新属Juglanconisとして独立させた。 本属はMelanconis属とは分生子の色や、壁内面の疣の有無などが異なっていた。 J. appendiculataなどの新種を記載したほか、本属の全ての種の検索表を掲載した。 Austria, Niederösterreich, Mühlleiten, Herrnau (新種) Juglanconis appendiculata Voglmayr & Jaklitsch 語源…(属名)クルミ科/(種小名)付属糸の(子嚢胞子の形態から) 【よく似た種との区別】 Juglanconis pterocaryae 同じクルミ科植物を宿主とする 子嚢胞子末端に付属糸を伴う 分生子の壁内面に微細な小疣状の装飾を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+cal+his+ms204+rpb1+rpb2+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヨーロッパなどではなくアジアなどに分布する 本種と異なりクルミ属ではなくサワグルミ属植物などを宿主とする 本種と異なり子嚢胞子の付属糸が円筒形で末端が截断状なのではなく、先細りになり先端が丸いかやや尖る 本種より分生子が短い 本種と異なり分生子の形状が豆形、狭楕円形、長形、類ソーセージ形など様々なのではなく狭楕円形~長形 ITS+nrLSU+cal+his+ms204+rpb1+rpb2+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Juglanconis juglandina 同所的に分布する(オーストリア) nrLSUおよびITS+nrLSU+cal+his+ms204+rpb1+rpb2+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり有性世代が無性世代より豊富に生じるという特徴を欠く 本種と異なり顕著な偽子座を有するという特徴を欠く 本種と異なり子嚢胞子に付属糸を欠く 本種より分生子の幅が顕著に広い 本種と異なり分生子が淡褐色ではなく暗褐色 本種より分生子のQ値が小さい 本種と異なり分生子の壁内面の装飾が微細な小疣状ではなく疣状 ITS+nrLSU+cal+his+ms204+rpb1+rpb2+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Austria, Niederösterreich, Orth an der Donau, near Uferhaus (新組み合わせ) Juglanconis juglandina (Kunze) Voglmayr & Jaklitsch ※本種のネオタイプ標本を指定した。 旧名:Melanconium juglandinum Kunze 【よく似た種との区別】 Juglanconis oblonga アジアに分布する 同じクルミ属植物を宿主とする 形態的に類似している(同種との疑いが持たれたことがある) 子嚢胞子に付属糸を欠く 分生子の幅の範囲が重なることがある 分生子が成熟時暗褐色 分生子の壁内面に顕著な疣状装飾を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+cal+his+ms204+rpb1+rpb2+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり北米における分布が知られている 本種と異なりヨーロッパにおける分布が知られていない 本種より子嚢が顕著に長い 本種より子嚢胞子が短い 本種と異なり子嚢胞子が非対称形または屈曲するのではなくほとんどの場合対称形で稀に屈曲するのみ 本種と異なり子嚢胞子の細胞が2型ではなく1型または2型 本種より分生子の幅が典型的には狭い ITS+nrLSU+cal+his+ms204+rpb1+rpb2+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Juglanconis appendiculata 同所的に分布する(オーストリア) nrLSUおよびITS+nrLSU+cal+his+ms204+rpb1+rpb2+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり有性世代が無性世代より豊富に生じる 本種と異なり顕著な偽子座を有する 本種と異なり子嚢胞子に付属糸を有する 本種より分生子の幅が顕著に狭い 本種と異なり分生子が暗褐色ではなく淡褐色 本種より分生子のQ値が大きい 本種と異なり分生子の壁内面の装飾が疣状ではなく微細な小疣状 ITS+nrLSU+cal+his+ms204+rpb1+rpb2+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Juglanconis oblonga (Berk.) Voglmayr & Jaklitsch ※Melanconium oblongum、Diaporthe juglandisのレクトタイプ標本を指定した。 旧名:Melanconium oblongum Berk. 【よく似た種との区別】 Juglanconis juglandina アジアに分布する 同じクルミ属植物を宿主とする 形態的に類似している(同種との疑いが持たれたことがある) 子嚢胞子に付属糸を欠く 分生子の幅の範囲が重なることがある 分生子が成熟時暗褐色 分生子の壁内面に顕著な疣状装飾を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+cal+his+ms204+rpb1+rpb2+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり北米における分布が知られていない 本種と異なりヨーロッパにおける分布が知られている 本種より子嚢が顕著に短い 本種より子嚢胞子が長い 本種と異なり子嚢胞子がほとんどの場合対称形で稀に屈曲するのみなのではなく非対称形または屈曲する 本種と異なり子嚢胞子の細胞が1型または2型ではなく2型 本種より分生子の幅が典型的には広い ITS+nrLSU+cal+his+ms204+rpb1+rpb2+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Melanconis juglandis var. caryae 同じクルミ科植物を宿主とする 本種と異なりクルミ属ではなくペカン属植物などを宿主とする 本種と異なりmelanconium属類似の無性世代を欠く Lamproconium desmazieri melanconium属類似の無性世代を有する 本種と異なりクルミ属ではなくシナノキ属植物などを宿主とする (新組み合わせ) Juglanconis pterocaryae (Kuschke) Voglmayr & Jaklitsch 旧名:Melanconium pterocaryae Kuschke 【よく似た種との区別】 Juglanconis appendiculata 同じクルミ科植物を宿主とする 子嚢胞子末端に付属糸を伴う 分生子の壁内面に微細な小疣状の装飾を有する nrLSUおよびITS+nrLSU+cal+his+ms204+rpb1+rpb2+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりアジアなどではなくヨーロッパなどに分布する 本種と異なりサワグルミ属ではなくクルミ属植物などを宿主とする 本種と異なり子嚢胞子の付属糸が先細りになり先端が丸いかやや尖るのではなく円筒形で末端が截断状 本種より分生子が長い 本種と異なり分生子の形状が狭楕円形~長形ではなく豆形、狭楕円形、長形、類ソーセージ形など様々 ITS+nrLSU+cal+his+ms204+rpb1+rpb2+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Melanconium ershadii Riedl 【よく似た種との区別】 Melanconium pterocaryae 同じPterocarya fraxinifoliaを宿主とする 本種と異なり分生子果が扁平でない 本種より分生子が長い