2016年2月6日 (仮訳)チベット自治区産キツネタケ属菌 Wilson, AW. et al., 2013. Laccaria (Agaricomycetes, Basidiomycota) from Tibet (Xizang Autonomous Region, China). Mycoscience. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1340354013000946 [Accessed February 5, 2016]. 【R3-02628】2016/02/06投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国、チベット自治区における12年の調査で採集されたキツネタケ属菌の115標本を検討し、8種を認めた。 そのうちLaccaria acanthosporaなど5種を本論文で新種記載した。 チベット産の種に、アジアのその他の地域に分布する種を加えた検索表を掲載した。 中国チベット自治区ニンティ地区魯朗鎮~巴宜区 (新種) Laccaria acanthospora A.W. Wilson & Mueller 語源…刺状の胞子の 【よく似た種との区別】 Laccaria angustilamella 中国に分布する 担子胞子のサイズが類似している 担子胞子が球形 担子胞子が刺状 本種と異なり子実体が橙色を帯びるという特徴を欠く 本種より襞の幅が狭い 本種と異なり子実体基部の菌糸体が新鮮時帯桃ラベンダー色ではなく白色 本種と異なり担子胞子が球状楕円形~倒楕円状ではなく球形~対球形 本種より担子胞子の刺が短い Laccaria laccata(キツネタケ) 子実体の形態が新鮮時類似している ×ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国、フランスなどにおける分布が知られている 本種と異なり担子胞子が球形~倒楕円状でない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria masonii 担子胞子に顕著な刺を有する 本種と異なり中国ではなくニュージーランドなどに分布する 本種と異なり子実体が顕著な紫色 本種と異なり担子胞子が明瞭な倒楕円状でない 中国チベット自治区ニンティ地区コンボギャムダ巴河鎮 (新種) Laccaria negrimarginata A.W. Wilson & Mueller 語源…黒色の襞の 【よく似た種との区別】 Laccaria laccata(キツネタケ) ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国、フランスなどにおける分布が知られている 本種と異なり縁シスチジアを有する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria laccata var. pallidifolia ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく北米、フランスなどに分布する 本種と異なり傘に褐色~黒色の鱗片を有するという特徴を欠く 本種と異なり襞の縁部が顕著な帯黒色という特徴を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria montana 本種と異なり子実体が肉桂さび色 本種と異なり襞に縁取りを欠く 本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい 本種と異なり担子胞子が広楕円形 本種と異なり縁シスチジアを欠く 中国チベット自治区ニンティ地区魯朗鎮~巴宜区 (新種) Laccaria himalayensis A.W. Wilson & Mueller 語源…ヒマラヤ産の 【よく似た種との区別】 Laccaria bullipellis 中国、チベット自治区に分布する 傘が黄色を帯びる橙色 襞の縁部が凝集した菌糸からなる 柄が暗色の橙ワイン色 担子胞子のサイズが類似している 担子胞子の形状が類似している 担子胞子の装飾が類似している 傘表皮の菌糸が膨大する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘表皮が一部が膨大する円筒形の菌糸が錯綜した平行菌糸被ではなくより多くの膨大した細胞からなる粘質表皮または類短細胞被 本種より傘表皮の細胞の直径が大きい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria bicolor(オオキツネタケ) 中国に分布する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国、フランスなどにおける分布が知られている 本種と傘の色が異なる 本種と異なり襞の色が柄の色とコントラストをなす 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が主に球形という特徴を欠く 本種と異なり傘表皮が膨大した円筒形の細胞からなるという特徴を欠く ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国チベット自治区ニンティ地区魯朗鎮 (新種) Laccaria bullipellis A.W. Wilson & Mueller 語源…泡状の表皮の(傘表皮の形態から) 【よく似た種との区別】 Laccaria himalayensis 中国、チベット自治区に分布する 傘が黄色を帯びる橙色 襞の縁部が凝集した菌糸からなる 柄が暗色の橙ワイン色 担子胞子のサイズが類似している 担子胞子の形状が類似している 担子胞子の装飾が類似している 傘表皮の菌糸が膨大する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘表皮がより多くの膨大した細胞からなる粘質表皮または類短細胞被ではなく一部が膨大する円筒形の菌糸が錯綜した平行菌糸被 本種より傘表皮の細胞の直径が小さい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国チベット自治区ニンティ地区魯朗鎮 (新種) Laccaria salmonicolor A.W. Wilson & Mueller 語源…鮭肉色の(襞の色から) 【よく似た種との区別】 Laccaria striatula 襞が鮭肉色 担子胞子のサイズが類似している 担子胞子が球形 担子胞子の装飾が刺状 本種と異なり中国ではなく北米などに分布する 本種より子実体が細長い 本種と異なり傘表面が繊維状ではなくいくぶん無毛 本種と異なり傘に微かに条線を有するのではなく明瞭な条線~溝線を有する Laccaria glabripes 襞が鮭肉色 担子胞子のサイズが類似している 担子胞子が球形 担子胞子の装飾が刺状 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくニュージーランドなどに分布する 本種と異なり傘表面が繊維状ではなくいくぶん無毛 本種と異なり傘に微かに条線を有するのではなく明瞭な条線を有する ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria vinaceoavellanea(カレバキツネタケ) 襞の縁部が凝集した菌糸からなる 担子胞子が球形 傘表皮が膨大しない円筒形の菌糸からなる ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく日本などに分布する 本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい 本種ほど担子胞子の刺が顕著でない ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria alba 中国、チベット自治区に分布する 子実体が繊維状 子実体が乾燥すると淡色になる 襞が桃色 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種ほど子実体が新鮮時褐色でない 本種より担子胞子の刺のサイズが大きい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Laccaria alba Zhu L. Yang & Lan Wang 【よく似た種との区別】 Laccaria salmonicolor 中国、チベット自治区に分布する 子実体が繊維状 子実体が乾燥すると淡色になる 襞が桃色 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体が新鮮時褐色 本種より担子胞子の刺のサイズが小さい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Laccaria montana 子実体が帯赤褐色 本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい 本種と異なり担子胞子が球形ではなく類球形 Laccaria acanthospora 中国、チベット自治区に分布する 担子胞子のサイズが類似している 担子胞子が球形~倒楕円状 担子胞子に顕著な刺を有する 本種ほど子実体が淡色でない 本種と異なり襞が鮭肉色でない 本種より担子胞子の刺が僅かに長い 本種ほど担子胞子が球形でない (その他掲載種) Laccaria montana Singer 【よく似た種との区別】 Laccaria negrimarginata 本種と異なり子実体が肉桂さび色でない 本種と異なり襞に縁取りを有する 本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい 本種と異なり担子胞子が広楕円形でない 本種と異なり縁シスチジアを有する