(仮訳)台湾産の発光きのこの新種Mycena kentingensisおよびその培養手法
Shih, Y. et al., 2013. Mycena kentingensis, a new species of luminous mushroom in Taiwan, with reference to its culture method. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-013-0939-x [Accessed February 2, 2014].
【R3-00347】2014/02/02投稿

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3行まとめ

台湾の熱帯雨林で発見された発光きのこをMycena kentingensisとして新種記載し、世界で74番目の発光きのことして記録した。
形態に基づき、本種はシロコナカブリ節Adscendens系に含まれると考えられ、近縁種とは形態および分子系統解析の結果で明瞭に区別された。
本種の子実体発生誘導を試みたところ、ヤコウタケより速い5週間で子実体を形成し、低温刺激が不要なこと、霧吹きで子実体形成が促進されることが明らかになった。

※本論文にはエラッタがある(内容:「担子菌門目 (order Basidiomycota)」という誤記の訂正およびホロタイプ標本の指定)。

台湾屏東県恒春鎮社頂自然公園

(新種)

Mycena kentingensis Shih, Chen, Lin et Kao
語源…墾丁産の
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【よく似た種との区別】
Mycena stylobates(キュウバンタケ)
発光性を持つ
担子器が4胞子性
ITS領域に基づく分子系統解析でごく近縁
本種と異なりシロコナカブリ節ではなくキュウバンタケ節に含まれる
本種と異なり傘と菌糸体の両方ではなく菌糸体にしか発光性を持たない
本種と異なり縁シスチジアが細長いトゲを持つ棍棒形ではなく不規則形
ITS領域の塩基配列が明瞭に異なっている(類似度87-88%)
Mycena adscendens
同じシロカブリタケ節Adscendens系に含まれる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり発光性を持たない
本種と異なり担子器が2胞子性
本種と異なり柄シスチジアを持つ
ITS領域の塩基配列が明瞭に異なっている(類似度87-88%)
Mycena pulvinibasis
同じシロカブリタケ節Adscendens系に含まれる
柄シスチジアを欠く
本種より傘の直径が小さく2 mmほど
本種より柄が短く3 mmほど
本種と異なり担子器が2胞子性
Mycena asterina
同じシロカブリタケ節に含まれる
本種と異なり子実体原基が白色~淡い帯黄色
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なりトゲが時に凝集してより大きく粗いトゲ状になる
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より縁シスチジアの突起が短い