2015年9月29日 (仮訳)複数遺伝子座のgenealogical concordanceによりネパールおよびルイジアナ産の新規フザリウム赤かび病菌が明らかになった Sarver, BAJ. et al., 2011. Novel Fusarium head blight pathogens from Nepal and Louisiana revealed by multilocus genealogical concordance. Fungal Genetics and Biology. … Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1087184511001721 [Accessed September 28, 2015]. 【R3-02237】2015/09/29投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ネパールおよび米国ルイジアナ州で採集された赤かび病菌を対象に、形態学的検討およびGCPSRに基づく系統解析を実施した。 その結果を基に、前者をF. nepalense、後者をF. louisianenseとして新種記載した。 両種はマイコトキシンとして植物体中でそれぞれ15ADON、ニバレノールの産生能を有し、接種試験ではいずれも軽度の病徴を示した。 Lamjung, Nepal (新種) Fusarium nepalense T. Aoki, Carter, Nicholson, Kistler & O’Donnell 語源…ネパール産の 【よく似た種との区別】 Fusarium ussurianum アジアに分布する 分生子頂部に狭い嘴を有する 分生子の中ほどより上で最も幅広い 12遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(同じFusarium graminearum種複合体クレードに含まれる) 本種と異なりネパールではなく極東ロシアに分布する 本種より5隔壁の分生子の幅が広い 本種と異なり分生子が緩やかに屈曲するのではなく屈曲する 本種と異なり分生子上部と下部が非対称ではなく対称 12遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fusarium asiaticum ネパールに分布する 赤かび病の病原菌である 5隔壁分生子の幅の範囲が重なる 分生子の中ほどより上で最も幅広い 分生子が緩やかに屈曲する 分生子の上半分と下半分が非対称 12遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(同じFusarium graminearum種複合体クレードに含まれる) 本種と異なりネパールではなく中国、日本などに分布する 本種と異なり分生子頂部に狭い嘴を有さない 12遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fusarium vorosii アジアに分布する 分生子の上半分と下半分が非対称 分生子の中ほどより上で最も幅広い 12遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(同じFusarium graminearum種複合体クレードに含まれる) 本種と異なりネパールではなくハンガリー、極東ロシア、北海道などに分布する 本種より5隔壁分生子の幅が広い 本種と異なり分生子が緩やかに屈曲するのではなく直線状または緩やかに屈曲する 本種と異なり分生子頂部に狭い嘴を有さないことがある 12遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Louisiana, USA (新種) Fusarium louisianense Gale, Kistler, O’Donnell & T. Aoki 語源…ルイジアナ産の 【よく似た種との区別】 Fusarium gerlachii 5隔壁分生子の幅の範囲が重なる 分生子が緩やかに屈曲する 分生子の上半分と下半分が非対称 分生子頂部に狭い嘴を有さない(ただし当該種のメキシコ湾岸地方産のものは有することがある) マイコトキシンとして植物体中でニバレノールを産生する 12遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(同じFusarium graminearum種複合体クレードに含まれる) 本種と異なり分生子頂部に狭い嘴を有する 本種と異なり分生子の中ほどではなく中ほどより上が最も幅広い 12遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fusarium graminearum 米国に分布する コムギを宿主とする 赤かび病の病原菌である 5隔壁分生子の幅の範囲が重なる 分生子が緩やかに屈曲する 分生子の上半分と下半分が非対称 12遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(同じFusarium graminearum種複合体クレードに含まれる) 本種と異なり米国ルイジアナ州のみではなくその他の地域からも知られている 本種と異なり分生子の中ほどではなく中ほどより上が最も幅広い 本種より接種試験で強い病原性を有する 本種と異なりマイコトキシンとして植物体中でニバレノールではなくDONおよび15ADONを産生する 12遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fusarium austroamericanum 5隔壁の分生子の幅が類似している 分生子の中ほどが最も幅広い 分生子の上半分と下半分が非対称 12遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(同じFusarium graminearum種複合体クレードに含まれる) 本種と異なり分生子が緩やかに屈曲するのではなく典型的には直線状 本種と異なり分生子頂部に狭い嘴を有することがある 12遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fusarium boothii 赤かび病の病原菌である 5隔壁の分生子の幅が類似している 分生子の中ほどが最も幅広い 分生子が緩やかに屈曲する 12遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(同じFusarium graminearum種複合体クレードに含まれる) 本種と異なり分生子の上部と下部が非対称なのではなくほとんどの場合対称的 本種と異なり分生子頂部に狭い嘴を有する 12遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fusarium meridionale 赤かび病の病原菌である 5隔壁の分生子の幅が類似している 分生子の中ほどが最も幅広い 分生子が緩やかに屈曲する 12遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(同じFusarium graminearum種複合体クレードに含まれる) 本種と異なり分生子の上部と下部が非対称なのではなくほとんどの場合対称的 本種と異なり分生子頂部に狭い嘴を有する 12遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Fusarium mesoamericanum 5隔壁の分生子の幅が類似している 分生子の上半分と下半分が非対称 12遺伝子に基づく分子系統解析で近縁(同じFusarium graminearum種複合体クレードに含まれる) 本種と異なり分生子の中ほどではなく中ほどより上が最も幅広い 本種と異なり分生子が緩やかに屈曲するのではなく典型的には直線状 本種と異なり分生子頂部に狭い嘴を欠く 12遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される