(仮訳)Ramariopsis kunzei類似のヨーロッパ産の新種、R. robusta
Matouš, J., Holec, J. & Koukol, O., 2017. Ramariopsis robusta (Basidiomycota, Clavariaceae), a new European species similar to R. kunzei. Czech Mycology. Available at: http://www.czechmycology.org/_cmo/CM69104.pdf [Accessed June 3, 2017].
【R3-04084】2017/06/04投稿

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3行まとめ

チェコおよびスロバキアで採集された菌を検討し、Ramariopsis robustaとして新種記載した。
本種は子実体ががっしりとしており、枝がしばしば扁平で密に分枝し、担子胞子に顕著な刺状装飾を有することなどで特徴づけられた。
本種はR. kunzeiと形態的に類似しており、従来この種に同定されてきたが、子実体の形状や担子胞子のサイズ、装飾などが異なっていた。
Slovakia, Biele Karpaty Mts., municipality of Nová Bošáca, settlement named Grúň

(新種)

Ramariopsis robusta Matouš & Holec
語源…がっしりとした(子実体の形状から)
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【よく似た種との区別】
Ramariopsis kunzei(シロヒメホウキタケ)
チェコ、スロバキアからの報告がある(ただし本種の誤同定の可能性がある)
形態的に類似している(過去この種に同定されていた)
子実体が白色系
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体のサイズが小さい
本種より子実体の分枝が疎ら
本種より子実体の枝の幅が狭い
本種より担子胞子が短い
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ramariopsis kunzei var. deformis
ヨーロッパに分布する
子実体が密に束生する
本種より子実体のサイズが小さい
本種より子実体の分枝が疎ら
本種と異なり子実体の枝が変形したような形状をとる
本種より担子胞子が短い
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
Ramariopsis kunzei var. favreae
ヨーロッパに分布する
本種と異なりチェコ、スロバキア、ウェールズではなくフランスなどに分布する
本種と異なり子実体の枝が顕著に扁平な篦状~扇形または葉状でしばしば屈曲し、末端の枝が角状で先端が歯牙状または類鶏冠状
Ramariopsis kunzei var. megaspora
子実体の色が類似している
本種と異なりチェコ、スロバキア、ウェールズではなくチベット、ボルネオ、ソロモン諸島などに分布する
本種より子実体の丈が高い
本種と異なり子実体が老成すると暗色になる
本種より担子器のサイズが顕著に大きい
本種より担子器の小柄が長い
本種より担子胞子のサイズが顕著に大きい
本種と異なり担子胞子が類球形~楕円形ではなく類球形
本種と異なり担子胞子の装飾が長い刺状ではなく平滑、粗面、あるいは短い刺からなる小刺状
本種と異なり担子胞子がアミロイドといわれる
Ramariopsis kunzei var. subasperata
ヨーロッパに分布する
本種と異なりチェコ、スロバキア、ウェールズではなくフランスなどに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種より子実体の分枝が疎ら
本種より担子器が顕著に短い
本種と異なり担子胞子の装飾が長い刺状ではなく微細な粗面
Ramariopsis kunzei var. sublaevispora
子実体が通常単生する
子実体がかなり大型
子実体が白色系
子実体の柄ががっしりとしている
本種と異なりチェコ、スロバキア、ウェールズではなくインドのシッキム・ヒマラヤなどに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種より子実体の枝の幅が狭い
本種より担子胞子が短い
本種と異なり担子胞子が類球形~楕円形ではなく球形~類球形でやや輪郭が多角形
本種と異なり担子胞子の装飾が長い刺状ではなく微細な点状
Ramariopsis atlantica
子実体が白色系
担子胞子表面が顕著な刺状
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチェコ、スロバキア、ウェールズではなくブラジル、パナマなどに分布する
本種より子実体のサイズが顕著に短い
本種と異なり子実体が乾燥すると藁黄色
本種と異なり子実体の枝が扁平でない
本種より担子胞子のサイズが小さい
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ramariopsis bispora
スロバキアに分布する
本種と異なり担子器が2胞子性
本種と異なり菌糸にクランプを欠く
Ramariopsis tenuiramosa
ウェールズに分布する
子実体が白色~クリーム色のことがある
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパのみではなく複数の大陸からの報告がある
本種より子実体のサイズが顕著に小さい
本種と異なり子実体が暗色の淡黄褐色、淡藁色、帯黄汚褐色のことがある
本種と異なり子実体の分枝が疎ら
本種より子実体の枝の幅が狭い
本種と異なり子実体の肉質が僅かに頑丈で柔軟
本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい
本種より担子胞子の装飾が微細
Ramariopsis biformis
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体のサイズが顕著に小さい
本種より子実体がいくぶん暗色で灰色を帯びる
本種と異なり子実体が密に分枝するのではなく分枝しないか疎らにしか分枝しない
本種より担子器が短い
本種より担子胞子が僅かに短い
本種と異なり担子胞子の装飾が長い刺状ではなくごく微細な小疣状~小刺状
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ramariopsis rufipes
ヨーロッパに分布する
子実体が白色~クリーム色
本種と異なり北米における分布が知られている
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり子実体の分枝が密ではなく疎ら
本種と異なり子実体が老成すると時に帯赤色の斑点をあらわす
本種より柄が通常暗色の帯赤色または帯褐黄褐色
本種より担子胞子が僅かに長い
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり担子胞子の装飾が長い刺状ではなく微細な小疣状~小刺状
Clavaria lentofragilis
形態的に類似している(誤同定されてきた可能性がある)
子実体が大型
子実体の枝が白色
子実体の先端が脆い
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子の形状が類似している
本種と異なり地上ではなく腐朽材に発生する
本種ほど担子胞子の装飾が顕著ではなく粗面

(パナマ新産種)

Ramariopsis atlantica Araujo-Neta, G.A. Silva & Gibertoni
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【よく似た種との区別】
Ramariopsis robusta
子実体が白色系
担子胞子表面が顕著な刺状
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジル、パナマなどではなくチェコ、スロバキア、ウェールズに分布する
本種より子実体のサイズが顕著に長い
本種と異なり子実体が乾燥すると藁黄色になるという特徴を欠く
本種と異なり子実体の枝が扁平である
本種より担子胞子のサイズが大きい
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される