2023年6月8日 (仮訳)中国南部産のHerpothallon属3新種 Liu, L. et al., 2023. Three new species of Herpothallon (Lichenized Ascomycota) from Southern China. Phytotaxa. Available at: https://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.597.4.4 [Accessed June 8, 2023] 【R3-10677】2023/6/8投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国南部からHerpothallon glaucescens、H. lilacinum、およびH. tomentosumの3新種を記載した。 各種は同属他種とは地衣体や”pseudisidia”の形態、地衣成分などが異なっており、mtSSUに基づく分子系統解析で独自の系統を形成した。 中国産Herpothallon属地衣の検索表を掲載した。 中国浙江省麗水市景寧シェ族自治県白雲保護站 (新種) Herpothallon glaucescens L.L. Liu & Lu L. Zhang 語源…帯灰色の 【よく似た種との区別】 Herpothallon globosum 本種と異なり初生菌糸体が赤色 本種と異なり下生菌糸が赤色 本種と異なり蓚酸カルシウム結晶を有するのではなく欠く Herpothallon biacidum 蓚酸カルシウム結晶を有する 本種と異なり地衣体が緩く付着する 本種と異なり下生菌糸が褐色~帯黒褐色 Herpothallon coralloides 地衣体が緩く~固く付着する 本種と異なり初生菌糸体が白色 本種より”pseudisidia”のサイズがずっと大きい 本種と異なり地衣成分としてコンフルエンチン酸およびノルスチクチン酸を含む 本種と異なり地衣成分としてプソロミン酸および2′-O-デメチルプソロミン酸を含むという特徴を欠く Herpothallon echinatum 地衣成分としてプソロミン酸を含む mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より地衣体がずっと柔らかい 本種と異なり”pseudisidia”が円筒形でより細長く、ほとんどの場合分枝しない mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国貴州省銅仁市楊家坳苗族土家族郷鼻耳塘村 (新種) Herpothallon lilacinum L.L. Liu & Lu L. Zhang 語源…淡紫色の(”pseudisidia”の色から) 【よく似た種との区別】 Herpothallon weii 地衣成分としてプソロミン酸および類似の未知成分を含む 本種と異なり地衣体がしっかりと圧着する 本種と異なり初生菌糸体が顕著である 本種より”pseudisidia”のサイズが大きい 本種と異なり”pseudisidia”が淡紫色~淡紫灰色ではなく帯桃色 本種と異なり”pseudisidia”が類球形 本種と異なり髄層がI陰性 Crypthonia albida “pseudisidia”の表面が毛羽立ったフェルト状 地衣成分としてプソロミン酸を含む 本種より”pseudisidia”の最大サイズが大きい 本種と異なり”pseudisidia”が淡紫色~淡紫灰色ではなく類白色 本種と異なり地衣成分としてジロホール酸を含む 本種と異なり地衣成分としてプソロミン酸および2′-O-デメチルプソロミン酸を含むという特徴を欠く Herpothallon capilliferum “pseudisidia”の表面が毛羽立ったフェルト状 本種と異なり地衣成分としてノルスチクチン酸を含む 本種と異なり地衣成分としてプソロミン酸および2′-O-デメチルプソロミン酸を含むという特徴を欠く 中国福建省竜岩市東肖国家森林公園バーベキュー場 (新種) Herpothallon tomentosum L.L. Liu & Lu L. Zhang 語源…綿毛状の(”pseudisidia”の表面性状から) 【よく似た種との区別】 Herpothallon cinereum 地衣体が微小である 地衣体がフェルト状 初生菌糸体が白色 初生菌糸体が綿毛状~フェルト状 地衣成分としてコンフルエンチン酸および2′-O-メチルミクロフィリン酸を含む 本種と異なり粉子器を”pseudisidia”先端に有するのではなく欠く Herpothallon confluenticum 粉子器を”pseudisidia”先端に有する 地衣成分としてコンフルエンチン酸および2′-O-メチルミクロフィリン酸を含む 本種と異なり地衣体がかなりしっかりとしている 本種と異なり初生菌糸体が汚白色 本種と異なり下生菌糸が類白色~帯褐色 本種と異なり”pseudisidia”が球状ではなく円筒形で部分的に先端がカリフラワー状 Herpothallon echinatum 地衣体が着色しない 初生菌糸体が着色しない 下生菌糸が着色しない “pseudisidia”が球状 粉子器を”pseudisidia”先端に有する 粉子が桿形 mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくエクアドルなどに分布する 本種と異なり地衣成分としてプソロミン酸を含む 本種と異なり地衣成分としてコンフルエンチン酸および2′-O-メチルミクロフィリン酸を含まない mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Herpothallon biacidum 地衣体が微小 地衣体がフェルト状 “pseudisidia”が球状 本種と異なり地衣成分としてジロホール酸およびノルスチクチン酸を含む 本種と異なり地衣成分としてコンフルエンチン酸および2′-O-メチルミクロフィリン酸を含まない Herpothallon subglobosum 地衣体が微小 地衣体がフェルト状 “pseudisidia”が球状 本種と異なり地衣成分としてジロホール酸、レカノール酸およびウンビリカル酸を含む 本種と異なり地衣成分としてコンフルエンチン酸および2′-O-メチルミクロフィリン酸を含まない Herpothallon granulare 中国に分布する 本種より”pseudisidia”のサイズが小さい 本種と異なり”pseudisidia”が球状ではなく不規則形の粉芽状小粒状