2019年11月30日 （仮訳）タイ産の昆虫病原性Ophiocordyceps属2新種 Xiao, Y-P. et al., 2019. Two new entomopathogenic species of Ophiocordyceps in Thailand. MycoKeys. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6395454/pdf/mycokeys-47-053.pdf [Accessed November 30, 2019] 【R3-06819】2019/11/30投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません（大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため）。 3行まとめ タイにおいてそれぞれハエとコメツキムシ幼生に発生した2種の菌を検討し、前者をOphiocordyceps globiceps、後者をO. sporangiferaとして新種記載した。 前者は子嚢殻および子嚢が小型であり、後者は長い二次シンネマ、短いフィアライド、胞子嚢などを形成することなどで特徴づけられた。 後者はO. myrmicarumとは分子系統樹上での区別が不明瞭であったが、形態形質の差異から別種と認めた。 Thailand, Ranong, Tambon Khao Niwet （新種） Ophiocordyceps globiceps Y.P. Xiao, T.C. Wen & K.D. Hyde 語源…球形の頭の（結実部の形状から） 【よく似た種との区別】 Ophiocordyceps dipterigena（ハエヤドリタケ） タイに分布する 同じハエ類を宿主とする 柄が円筒形 子嚢胞子が糸状 子嚢胞子に複数の隔壁を有する 部分子嚢胞子が紡錘状～円筒形 本種と異なり日本、スリランカにおける分布が知られている 本種より子座の幅が広い 本種と異なり子座が黄色～肉桂色ではなくクリーム黄色～橙褐色または橙肉桂色～肉桂褐色 本種と異なり柄が黄色～肉桂色ではなく淡黄色～橙肉桂色 本種より結実部の幅が広い 本種と異なり結実部が球状～半球形ではなく類球形～盤状 本種より子嚢殻のサイズが大きい 本種と異なり子嚢殻が卵状～長洋梨形ではなく卵状または角状 本種より子嚢が長い 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種より部分子嚢胞子が長い 本種より部分子嚢胞子の幅が狭い Ophiocordyceps hemisphaerica 同じイエバエ科のハエを宿主とする 子座が分枝しない 柄が円筒形 子嚢胞子が糸状 部分子嚢胞子が紡錘状～円筒形 本種と異なりタイではなくブラジルなどに分布する 本種より子座が長い 本種と異なり子座が黄色～肉桂色ではなく褐色～帯灰褐色 本種より柄のサイズが大きい 本種より結実部の幅が広い 本種と異なり結実部が半球形～球状ではなく半球形 本種より子嚢殻のサイズが大きい 本種と異なり子嚢殻が卵状～長洋梨形ではなく倒洋梨形で僅かに屈曲する 本種より子嚢が長い 本種より子嚢の幅が狭い 本種より部分子嚢胞子が長い 本種より部分子嚢胞子の幅が狭い Cordyceps sakishimensis（サキシマヤドリバエタケ） 同じハエ類を宿主とする 本種と異なりタイではなく日本などに分布する 子座の長さの範囲が重なる 本種と異なり子座が黄色～肉桂色ではなく白色 本種より子嚢殻が短い 本種より子嚢殻の幅が広い 本種と異なり子嚢殻が卵状～長洋梨形ではなく卵状 本種より部分子嚢胞子の幅が狭い 本種と異なり部分子嚢胞子が紡錘状～円筒形ではなく円筒形 Ophiocordyceps discoideicapitata（フトクビハエヤドリタケ） 同じハエ類を宿主とする 本種と異なりタイではなく日本などに分布する 本種より子座が短い 本種より子座の幅が広い 本種と異なり結実部が半球形～球状ではなく盤状で側方に円錐形 本種より子嚢殻が長い 本種より部分子嚢胞子が長い 本種より部分子嚢胞子の幅が狭い 本種と異なり部分子嚢胞子が紡錘状～円筒形ではなく円筒形で截断状 Ophiocordyceps forquignonii（ハエノエリマキタンポタケ） 同じハエ類を宿主とする 本種より柄が短い 本種と異なり柄が円筒形ではなく類糸状で頂部が円筒形 本種と異なり結実部が半球形～球状ではなく円筒形 本種と異なり子嚢殻が卵状～長洋梨形ではなく楕円形 本種より部分子嚢胞子が長い 本種と異なり部分子嚢胞子が紡錘状～円筒形ではなく卵形 Ophiocordyceps lacrimoidis 同じハエ類を宿主とする 子座が分枝しない 柄が円筒形 子嚢胞子が糸状 本種と異なりタイではなくブラジルなどに分布する 本種より子座が短い 本種より柄が短い 本種より柄の幅が広い 本種と異なり柄が黄色～肉桂色ではなく褐色 本種より結実部の幅が広い 本種と異なり結実部が黄色ではなく淡い帯黄色～暗い帯黄色 本種より子嚢殻のサイズが大きい 本種と異なり子嚢殻が卵状～長洋梨形ではなく倒洋梨形 本種より子嚢の幅が狭い 本種より子嚢胞子が長い 本種より部分子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり部分子嚢胞子が紡錘状～円筒形ではなく円筒形 Ophiocordyceps muscicola 同じハエ類を宿主とする 部分子嚢胞子が紡錘状～円筒形 本種と異なりタイではなくブラジルなどに分布する 本種より子座が長い 本種と異なり子座が分枝しないのではなく稀に分枝する 本種より結実部が長い 本種と異なり結実部が半球形～球状ではなく盤状 本種より子嚢殻のサイズが大きい 本種と異なり子嚢殻が卵状～長洋梨形ではなく洋梨形 本種より子嚢が長い 本種より子嚢の幅が狭い 本種より子嚢胞子が長い 本種より部分子嚢胞子のサイズが大きい Thailand, Chiang Mai, The Mushroom Research Centre （新種） Ophiocordyceps sporangifera Y.P. Xiao, T.C. Wen & K.D. Hyde 語源…胞子嚢を有する 【よく似た種との区別】 Ophiocordyceps myrmicarum 粘液質の球が無色～褐色 ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりコメツキムシ科ではなくMyrmica rubraなどを宿主とする 本種と異なり一次シンネマが褐色～濃褐色ではなく白色～黄色で老成するとさび褐色 本種より二次シンネマが短い 本種と異なり二次シンネマが白色～褐色ではなく無色で老成するとさび褐色 本種と異なり二次シンネマが天然および培養下ではなく培養下のみで見られる 本種より一次フィアライドのサイズが大きい 本種と異なり一次フィアライドが無色ではなく無色または基部が着色する 本種より二次フィアライドのサイズが小さい 本種と異なり胞子嚢を欠く 本種より分生子の幅が広い 本種と異なり分生子が類球形～腎臓形ではなく卵状～腎臓形 本種と異なり粘液質の球に1-12ではなく1-4個の分生子を含む